24 January

今すぐ生成AIを使い始めよう ビジネスが劇的に変わる!生成AI実践テクニック

掲載日:2025年01月24日   
IT・ガジェット情報

2024年12月18日、みんなの経営応援セミナー Onlineにて、「ビジネスが劇的に変わる!生成AI実践テクニック」と題したセッションを行いました。今回は、その内容を元に、2025年にどう生成AIと関わっていくべきかについてご紹介します。

2022年後半から盛り上がり始めた生成AIは、すでに私たちの生活やビジネスに劇的な変化をもたらしています。その力を正しく理解し、効果的に活用することが、これからのビジネスにおいて競争力を左右する重要なポイントとなります。

生成AIとは、大規模言語モデル(LLM)を基盤とした技術で、大量のテキストデータからパターンを学び、人間が書いたような文章や情報を生成します。例えば「犬も歩けば」の続きが「棒に当たる」と出てくるように、確率的に文章を紡いでいます。

OpenAIがChatGPTをリリースして以降、生成AIの進化は飛躍的に加速し、新しいツールや技術が次々と登場しています。これを「新たな産業革命」と呼ぶ専門家もいるほどです。

2022年から起きている第4次AIブームは急激に社会に浸透しつつあります。

日本の中小企業は専門知識を持つ人材が不足しがちであるにもかかわらず、多岐にわたる業務を同時にこなさなければならないという課題があります。時間やコストといった制約が厳しい中小企業にとって、生成AIは補助的な役割を超えて、成長を加速させるエンジンとなります。

例えば、生成AIを専門的な知見を必要とする業務で活用することで、特定の業界知識が欠かせない資料作成や、高度な分析スキルを要するデータ処理が誰でも行えるようになります。本来であれば経験豊富なスタッフを雇用するか、高額なコンサルティングを依頼する必要がありましたが、生成AIを活用すれば、業務効率を大きく向上できるのです。

一般的な業務でも短時間で資料を作成できたり、会議の音声データから一瞬で議事録を作成したりできます。人間が行うと時間とコストのかかる作業を一部自動化することができ、従業員はより価値の高い戦略的業務に集中する余裕が得られるようになります。

市場拡大の面においても、大いに活用できます。たとえば多言語での問い合わせやサポートに対応するには、通常であればバイリンガルスタッフを常駐させたり、外部の翻訳サービスに依頼したりする必要があります。しかし、生成AIを活用すれば、複数の言語で自動応答したり、コンテンツ作成をスムーズに行えるようになり、海外への販路拡大や新規顧客獲得のハードルが格段に下がります。スピード感を持って海外市場に乗り出せることは、中小企業にとって魅力的な成長戦略となるでしょう。

リソースの限られる中小企業こそ生成AIを活用しましょう。

一方で、日本における生成AIの普及率は低迷しています。個人利用がわずか9.1%、企業利用率も46.8%程度にとどまっているのが現状です。アメリカや中国など、積極的にAIを導入している国々との比較では見劣りし、新技術の導入に対する慎重な姿勢が否めません。中小企業の場合、投資回収の見込みがはっきりしない技術にはなかなか踏み込めないことも多く、導入のタイミングを見計らううちに、世界水準から取り残される懸念があります。グローバル経済が加速するなか、AI活用による業務改革を先送りにすることは、企業競争力の低下につながりかねません。

今すぐに、生成AIを活用し始めることを強くお勧めします。初期費用を比較的低く抑えられるクラウドサービス型の生成AIがいくつも登場しており、導入障壁が低くなっているからです。早期に導入して活用方法を習得し、企業文化としてAIとの協働を定着させることで、より大きな変化や進化が訪れたときに即応できる強みを築くことができます。特に、AIの扱いに慣れた人材を社内で育成しておけば、将来的に高度なAIソリューションを導入する際に大きなアドバンテージを得られるでしょう。

主要な生成AIサービス。

具体的な利用シーンとしては、見積書やマニュアルの作成、データ要約や分析、商品やサービスのキャッチコピーの制作、マーケティング戦略の立案などが挙げられます。これらは定形的な要素が多く、生成AIの強みである高速な情報処理や自然言語生成との相性が良い分野です。また、顧客サポートの自動応答システムとして導入することで、24時間対応が可能になり、顧客体験の向上にもつながります。こうした小さな成功体験を積み重ねるうちに、「この業務にも使えるのではないか」といった新たな着想が生まれやすくなり、社内のAI活用文化を醸成しやすくなるでしょう。

生成AIをビジネスで活かす際には、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。まず、AIが生成した情報が常に正しいとは限らず、事実誤認や誤訳が含まれる可能性があるため、ファクトチェックが欠かせません。また、機密情報や個人情報を入力する際は、学習データとして活用されないように設定を確認し、データセキュリティを確保することも重要です。さらに、出力された成果物は必ず最終的に人間がレビューし、公表したり、顧客対応に用いて問題ないかを判断するプロセスを省かないようにしましょう。

生成AIのことを知った経営層が、「そうかそれはすごい、若手に使わせよう」となるのはNGです。社会経験や業務経験が少ないと、生成AIが生成した内容が正確なのか適しているのか判別がつかないからです。まずは、ベテランが生成AIを使い、よい活用事例を若手に共有すべきです。生成AIは例えるなら、攻撃力が+100される武器ではなく、×10になる武器なのです。そのため、業務の現場を知り尽くした人が使うことで大きな効果を得ることができます。

ベテランほどいち早く生成AIを活用しましょう。

セッションでは最新の生成AIを利用したデモも紹介しました。ChatGPTでは、録音データから3万文字のテキストを起こし、そのデータから議事録を作成しました。適当に「議事録作って」だけでも対応してくれますが、欲しいフォーマットをテンプレートにして渡すと、望みの情報を得られやすくなります。

会議のテキストをアップロードして議事録を作成してもらいます。

検索特化型生成AIのPerpleityを使えば、最新の検索結果を元に生成してくれます。最新情報の調査や事例のリサーチなどができます。例えば、「これからソリマチ株式会社に打ち合わせに行きます。企業情報を調査し、現場でアイスブレイクとして話せるような面白いネタを3つください」と入力すると、色々な情報を検索し、「農業簿記の誕生秘話」や「ユニークな社内文化と生成AI活用」などについて教えてくれました。営業担当の心強い味方になってくれることでしょう。

ソリマチについて調べてもらいました。

画像生成AIであるMidjourneyでは、広告のバナーや資料に挿入するイメージカットなどを生成できます。プロンプトを英語で入力する必要がありますが、これも難しければChatGPTに聞いてしまえばいいのです。生成した画像の著作権は自分のものなので、商用利用も可能です。すでに、大手企業がCMに使っています。

Midjourneyで生成した女性の画像です。

将来、といっても来年には実現しそうですが、生成AIはAIエージェントとして進化すると考えられています。AIエージェントとは人間の指示を理解し、自律的にタスクを実行するプログラムのことで、スケジュール管理やレポート作成、他のアプリケーションと連携した一連の業務を自動化する役割が期待されています。

たとえば、社内のデータベースや外部サービスをまたいで必要な情報を取り寄せ、状況に応じて判断を下し、各担当者に指示を送るといった高度な処理も可能になるでしょう。このような近未来を見据えれば、今から生成AIに慣れ親しみ、社内で実践的に活用しておくことがどれほど価値ある投資になるかは明白です。

最終的に生成AIは効率化やコスト削減だけでなく、企業の発展を支えるイノベーションの源泉として機能します。特に中小企業の場合、人的リソースや予算が限られているため、テクノロジーの力を借りて少人数で大きな成果を出す工夫が欠かせません。最初はスモールスタートで迅速に動き、成功を積み重ねることで従業員の生成AIに対する理解と信頼を深めていくアプローチがおすすめです。

まだ生成AIを使ったことがない人、以前触ってみたが期待を越えなかったので使うことをやめた人はぜひ、今すぐに最新の生成AIを使い始めましょう。最初はレベルが低くてもよいので、業務効率を改善できるという手ごたえを感じてください。手放せなくなること請け合いです。

ChatGPTは中小企業にとっての成長促進剤です。すぐに使い始めましょう。

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ABOUT執筆者紹介

柳谷智宣

ITライター/NPO法人デジタルリテラシー向上機構 代表理事
ホームページ

1998年からIT・ビジネスライターとして執筆活動を行っており、コンシューマからエンタープライズまで幅広い領域を手がけている。2018年からは特定非営利活動法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を立ち上げ、ネット詐欺や誹謗中傷の被害を減らすべく活動している。

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