12 January

還付申告はいつからいつまで?「年収の壁」引き上げの2025年分以降の注意点も解説

掲載日:2026年01月12日   
税務ニュース

還付を受けるための申告は、年明け1月1日から5年間できます。ただ、2025年分については、これまで以上に注意しなくてはなりません。理由は「年収の壁の引き上げ」。

今回は来年1月1日から還付申告を考えている方向けに、年収の壁の引き上げがあった2025年分ならではの還付申告の注意点をお伝えします。

還付申告とは?いつからいつまで?

還付申告とは、すでに納めてある税金がある場合、申告をすれば払い過ぎの税金を還付してもらえることを言います。

還付申告をできる人

還付申告できるのは「わざわざ確定申告しなくてもいいのだけど、申告するとすでに納めた税金が戻ってくる人」です。主に次の人が当てはまります。

  • 給与や業務委託の報酬から所得税が天引き(源泉徴収)されている人
  • 年金から所得税が天引き(源泉徴収)されている人

このほか、予定納税をした個人事業主や不動産オーナーも、本来納めるべき税金が少なければ還付となります。
まとめると「源泉徴収や予定納税で納めた所得税があれば還付になる」のです。なければ申告しても還付0円です。

いつからいつまでできるのか

個人の還付申告は、還付申告をしたい年の翌年1月1日からできます。「2025年、医療費をたくさん払った。2025年分の所得税で還付を受けたい」というのなら、2026年1月1日から2030年12月31日まで還付申告ができるのです。

確定申告との違い

「年が明けてから申告書を提出する」という点では、通常の確定申告とよく似ています。しかし、次のような違いがあります。

  還付申告 確定申告
納税か還付か 還付 納税
いつから申告できるか 翌年1月1日から 翌年2月16日から
いつまで申告するのか 翌年1月1日から5年間 翌年3月15日まで
期限を過ぎるとどうなる? 還付を受けられない 無申告加算税・延滞税がかかる

なお、青色申告で65万円・55万円の特別控除を受ける予定の人は、仮に還付となっても、納税の確定申告と同じく翌年3月15日までに申告しなくてはなりません(詳細は後述)。

還付申告で多いもの

還付申告で多いのは次の申告です。

医療費控除

入院や手術、子どもの歯科矯正などでたくさん医療費を払った場合、医療費の一部を所得から差し引けます。所得から差し引く金額は、次の医療費控除額に適用税率を乗じた金額です。

ふるさと納税(寄付金控除)

ふるさと納税をして、ワンストップ特例を使った人以外が対象です。所得から差し引く金額は、住民税での控除分を合わせて「寄附した金額-2000円」です。ただし、寄付の上限を超えていたらもっと少ない金額となります。

住宅ローン控除1年目

住宅ローン控除の1年目も申告が必要です。給与をもらっている会社員が年末調整で住宅ローン控除を受けられるようになるのは2年目以降となります。

年末調整での控除もれ

「生命保険料控除を年末調整でし忘れた」といったことがあるかと思います。このように、年末調整での控除もれがあり、年末調整のやり直しができなかったケースも、還付申告することになります。

「年収の壁引き上げ」2025年分ならではの注意点

2025年分は、年収の壁の引き上げにより、いくつか注意すべき点があります。

基礎控除は「最大95万円」

これまで基礎控除は48万円でしたが、今回から95万円となりました。今回から基礎控除は今まで以上に階段状になっているため、注意が必要です。

所得控除は基本「所得58万円(給与年収123万円)の壁」

子どもで扶養控除、妻で配偶者控除を受けていた人は今回から「給与年収の壁は123万円になった」と意識しておきましょう。「103万円以下」と思い込んでいると、思わぬ控除もれになることがあります。

特定親族特別控除に注意せよ

大学生の子がバイトなどで稼ぎすぎていても諦める必要はありません。今回から特定親族特別控除という制度があります。バイト年収が150万円以下なら、扶養控除がダメでも特定親族特別控除で63万円を所得から差し引けます。

シルバー人材センターは必要経費の額が増える

シルバー人材センターで働く人のように、見た目がバイトでも収入は「事業所得」「雑所得」となる人がいます。この場合、他の条件に合えば家内労働者等の必要経費の特例が受けられます。これまでは最大55万円でしたが、今回から65万円となります。

その他の注意点

上記以外にも注意点があります。

申告するならすべての所得と控除を申告しよう

還付申告をするなら、すべての所得と控除を申告しましょう。給与をもらっている人や年金生活者には「副業の所得が20万円以下なら確定申告不要」というルールがあります。これはあくまでも確定申告をしない場合の話です。確定申告をするなら副業分も申告しなくてはなりません。
また、ワンストップ特例をした人が医療費控除などで還付申告をするなら、ふるさと納税分も一緒に申告しましょう。還付申告・確定申告をした瞬間にワンストップ特例は無効となります。

55万円・65万円控除は還付でも期限内に

青色申告の55万円・65万円の特別控除を受ける人は、計算の結果、還付になるとしても3月15日までに申告しましょう。1日でも過ぎると特別控除額は一律10万円になります。

遅すぎると住民税に影響

「5年間有効」であっても、できれば早めに申告したほうがいいでしょう。なぜなら提出された申告書を基に6月からの住民税が計算されるからです。還付申告が遅くなったらあらためて市役所などで住民税を減らす手続きが必要となります。

ABOUT執筆者紹介

税理士 鈴木まゆ子

税理士・税務ライター|中央大学法学部法律学科卒。ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。ZUU online、マネーの達人、朝日新聞『相続会議』、KaikeiZine、納税通信などで税務・会計の記事を多数執筆。著書に『海外資産の税金のキホン』(税務経理協会、共著)。

 

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