中小企業がWebメディア展開を自社で行うリスクとは?完全外注の方が良い?
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中小企業がオウンドメディアを展開するにあたり、内製で行うか完全外注で行うか悩む企業は多いでしょう。内製で行う方がコストを抑えることができますが、重要なのは結果です。結果が出なければ、どれだけコストを抑えたとしても赤字になります。
今回は、中小企業がWebメディア展開を内製で行うリスク、完全外注のリスク、バランスが良い体制などについて詳しく解説します。
前提として知っておきたいWebメディア展開の難しさ
中小企業は、オウンドメディアを展開する際に以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- 反響がある、Google検索で上位に表示できるといった良好な結果を得るには企画や品質などさまざまな要因が関係している
- 高額な報酬のライターに外注したからといって必ずしも高品質な記事が納品されるとは限らない
- オウンドメディアを展開したものの、結果が出ない、人員不足などの理由で中止した中小企業は多い
このように、Webメディア展開は必ずしも成功するとは限りません。自社の製品やサービスの購入、ブランディングにつながるコンテンツを継続的に投稿するには、体制構築や優秀な人材確保が必要です。
株式会社宣伝会議は、自社で刊行する月刊『広報会議』の読者80名にオウンドメディア運用の実態についてアンケートを実施しました。その結果は以下のとおりです。
- 約8割がオウンドメディア運用を実施
- 人材確保や効果測定、経営層のオウンドメディアに対する理解などに課題を感じている
- 外部委託していない企業が約50%、記事のライティングを外注している企業が約35%
- オウンドメディア業務の大部分は記事のライティング、インタビュー、写真撮影、動画編集など
このような実態を踏まえて、Webメディア展開を内製で行うリスク、完全外注するリスクなどについて詳しく見ていきましょう。
Webメディア展開を内製で行うリスク
Webメディア展開を内製で行えば、情報共有が容易なうえに目的や目標がブレないコンテンツを作成できます。その一方で、次のリスクがあることに留意しましょう。
コア業務に支障をきたす可能性がある
Webメディア展開は、直接的に利益を生み出すものではありません。コンテンツを読んだ読者が製品やサービスに興味を持ち、販売ページにアクセスして問い合わせ・購入へと進みます。複数のプロセスをクリアしなければ売上にはつながらないため、メインの収益源とは見ない方がよいでしょう。
中には、オウンドメディア経由の売上が多くを占める企業もあるかもしれませんが、「これまでのやり方を変えてメディア1本でやっていこう!」はリスクがあります。すでに確立されている販売方法をメインとしつつ、オウンドメディア経由の売上を狙っていくことが大切です。
オウンドメディアに注力しすぎるとコア業務に支障をきたし、売上が落ちることになりかねません。片手間に運用するのではなく、十分にリソースのある担当者を配置しましょう。
新たにライターの採用が必要になる可能性がある
オウンドメディアで結果を出すためには、文章術やSEO(端的に言えばGoogle検索で上位表示させる技術)など、さまざまな知識に精通したライターが必要です。社内にライターがいない場合は、新たに採用することになるでしょう。
採用にはコストがかかるうえに、退職するリスクがあります。また、仮にオウンドメディア運用をやめたとしても、ライターを自由に解雇することはできません。人材を新たに雇用することは経営リスクの増加につながります。
Webメディア展開を完全外注で行うリスク
「社内にノウハウがないからプロに全て任せよう!」と考え、完全外注でオウンドメディアを展開する中小企業もあります。完全外注のメリットは次のとおりです。
- 予定した日までにほぼ確実にコンテンツを作成出来る
- コア業務への影響を抑えることができる
- 品質に問題を感じたときは別のライターに依頼できる
このように、内製のリスクを解消できるため、一見良い方法に思えるかもしれません。しかし、完全外注には次のリスクもあるため、おすすめはできません。
品質の見極めが困難
完全外注の場合、コンテンツの品質の見極めが難しいため、「順調にコンテンツを増やし続けていても売上につながっていない」という事態に陥りがちです。プロだから大丈夫と思い込み、完全に任せることは避ける必要があります。品質チェックシートを作成するとともに効果測定を行い、費用対効果が高い状態を維持しましょう。
優秀なライターは簡単には見つからない
優秀なライターは、企業担当者の意図をくみ取って記事に反映できます。それでいて、読者を引き込む文章術やSEOの知識などに優れています。このようなライターは一握りと私は考えます。
現代においてライターは、「手軽に始められる仕事」という認識が広まっており、急速に数が増えている状況です。それだけ、自社の条件にマッチしないライターも多いため、なかなか最適なライターが見つからないと言えます。
コストが高くなる
制作会社や個人事業主のライターに依頼する場合、コンテンツ作成のコストが高くなる可能性があります。コストが高いうえに品質も低いようでは、早い段階で予算が尽きてしまい、追加予算を取ることができなくなるでしょう。
少なくとも、完全外注を行う前に社内に品質を見極めるための知識やノウハウを蓄積しておくことが大切です。
即時対応が難しい
時事問題を取り上げることで一時的にアクセス数を大きく伸ばし、メディアの知名度を高める手法があります。この場合、なるべく早くコンテンツを作成する必要がありますが、完全外注だと連絡がなかなか取れなかったり納期が遅かったりして、作成が遅れてしまいがちです。
Webメディア展開のおすすめは内製+外注
Webメディア展開は、内製+外注がおすすめです。その理由やポイントについて詳しく解説します。
企画は内製で行った方が良い
前提として、コンテンツの企画は社内で行う方がよいでしょう。優れたコンテンツが必ずしも企業の目的や目標、ターゲットに沿ったものとは限りません。ターゲットや目的、目標を反映した企画を社内で作成し、社外のライターにコンテンツ作成を依頼しましょう。
また、ライターが持っていない知見やノウハウについては社内の担当者が共有することが大切です。業界ならではの情報、競合他社にない優位性など、唯一無二のコンテンツを作るために必要な情報を伝えなければ、良質なコンテンツは作成できません。
社内で優秀なライターを育成しつつ外注と組み合わせる
優秀なライターが作成した良質なコンテンツは、社内ライターの育成にも役立ちます。ベンチマークとした記事のクオリティに近づけるようにトレーニングを重ねれば、いずれは内製化もできるでしょう。必要な場合にのみ外注し、基本は社内で完結した方が費用対効果が高くなる傾向があります。
社内に集客ノウハウがない場合はプロに相談・依頼する
内製+外注を実現するためには、集客ノウハウを習得する必要があります。ノウハウがない人物が作成した企画を社外のライターに渡しても、良質なコンテンツは納品されません。まずは、ノウハウを得るためにプロのライターやマーケターなどに相談しましょう。
ジャンルに特化したライターに相談する
医療や美容、IT、転職、人事労務、法律など、ライターには得意分野があります。作成を依頼したいジャンルの記事作成が得意なライターに相談しましょう。
ただし、本人が言う「得意」と企業側の「得意」が一致するとは限らないため、実績やポートフォリオを確認したうえで、まずは記事を1本だけ依頼してみることをおすすめします。
クオリティのほか、コミュニケーションコスト、柔軟性、信頼性など、さまざまなポイントも押さえて、継続的に依頼するライターを選定しましょう。
自社にとって最適な方法を模索しましょう
中小企業のオウンドメディア展開の方法については、最適解が存在しません。企業の状況、予算、人材のスキル、リソースなど、さまざまな情報を踏まえて、ベストな体制を模索しましょう。オウンドメディアは、最初は売上につながらないことが基本です。根気よく良質なコンテンツを作成し続けることで知名度が上がっていき、次第に売上につながっていきます。
オウンドメディア展開を検討している中小企業の経営層、担当者の方は今回解説した内製・外注のリスク、ポイントをぜひ参考にしてください。
ABOUT執筆者紹介
加藤良大
フリーライター
ホームページ・ブログ
歴11年フリーライター。執筆実績は23,000本以上。
多くの大企業、中小企業のWeb集客、
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