平成25年度税制改正大綱の概要
税務ニュース
1月29日、平成25年度税制改正大綱が閣議決定されました。
平成25年度の税制改正では、所得税について、現行の40%の最高税率を引き上げ、平成27年分課税所得金額から、4,000万円超の税率は45%となります。
また、消費税率の引き上げによる税負担増加の緩和策として、住宅ローン減税が平成26年1月1日から平成29年末まで4年間延長されますが、平成26年3月31日までの控除額は現行のままとされ、消費税率が引上げられた平成26年4月1日以後、最大控除額が引き上げられます。
資産課税では、相続税の基礎控除が現行の6割に引き下げられます。
- 現行 5,000万円+1,000万円×法定相続人数
- 改正案 3,000万円+ 600万円×法定相続人数
また、最高税率は、法定相続人の取得金額6億円超を55%に引き上げます。
贈与税についても最高税率を55%に引き上げ、暦年贈与については、一般の贈与と直系尊属からの贈与に区分し、直系尊属からの贈与は一般の贈与よりも低い税率で課税されます。このほか、相続時精算課税制度の対象者に20歳以上の孫を追加し、贈与者の年齢は60歳以上に緩和、さらに直系尊属からの教育資金の一括贈与制度が創設され、祖父母・父母から、子・孫へ教育資金を金融機関の子・孫名義の口座にまとめて贈与することで、受贈者1人当たり1,500万円までは非課税(30歳の時点で使い残しがあるときは贈与税を課税)とされます。
事業承継税制では、雇用確保要件の緩和や、後継者の親族間承継要件の廃止等、制度の適用要件が大きく見直されます。
法人課税では、国内設備投資促進税制の創設、環境関連投資促進税制の延長と拡充等、研究開発税制の拡充、中小法人の交際費課税の特例の拡充、商業・サービス業・農林水産業を営む中小企業等の設備投資促進税制の創設、企業による給与等支給拡大促進税制の創設、雇用促進税制の拡充等の措置等が講じられることとなりました。
中小法人の交際費特例については、現行の限度額600万円が800万円に引き上げられ、定額控除限度額の10%損金不算入措置を廃止し、800万円までの全額が損金算入されます。