社長が毎年タダ同然で高級車を乗り換える節税スキーム!
税務ニュース
近年、ビッグモーターの件などで中古車市場が話題になりました。
中古車の値動きについては、
- 半導体・部品不足が解消されてきたことによる、新車の納期の短縮
- ロシアへの中古車の輸出規制が、より厳格化されたこと
- 不祥事による中古車販売会社に対する不信感
などがあり、値が下がる要因のほうが多いです。
一般的に輸入車はリセールバリューが低くなる傾向にあります。そんな中でも、ポルシェやメルセデスベンツのGクラスなどは、リセールバリューが高い人気車です。外車を乗り換える経営者の方も多いですが、実は、その車の中古車価格の1割くらいしかお金を払っていないかもしれません。今回は、中古車の1割ほどの価格で高級車を毎年乗り換える節税スキームを解説していきます。
減価償却ってなに?
まずは減価償却がどういうものかを解説します。
減価償却は、該当する固定資産の購入費用を、何年かに渡って分割して経費にする会計処理です。原則として10万円以上の資産が対象です。物によって何年で経費に出来るか、細かく法律で決められています。この年数を法定耐用年数と言います。
減価償却には、定額法と定率法という2種類の方法があります。
定額法は、毎年一定の額を経費にしていきます。定率法は最初に大きく経費になって、そこから年々償却額が下がっていきます。
青色申告している個人事業主や中小企業は、少額減価資産の特例が使えます。これは取得価額30万円未満の資産は1年で経費に出来るというものです。通常は10万円以上の資産は数年かけて経費にしますが、この特例を使えば30万円までなら1年で経費にできます。たとえば30万円未満のカーナビであれば、1年で経費にできます。
カーナビが車本体に取り付けてある状態で購入すると減価償却の対象となり、新車であれば耐用年数の6年かけて経費にしていきます。カーナビも車と一体化しているとみなされて、合算で減価償却されていきます。
しかし、車の本体とは別の日にカーナビを買えば、「車両と一体のものではない」という考え方も出来ます。後から自分で取り付けることができるもので、「車を購入した後に、やっぱり必要だと感じた」と言えるものであれば、認められる可能性が高いです。
中古のベンツが人気なのはどうして?
よく「法人で購入するなら3年10ヵ月落ちのベンツ」と言われているのは、どうしてでしょうか。
理由は2つあります。
1つ目は、減価償却が早いということです。中古車は耐用年数が新車に比べて短く、3年10ヵ月以上経っている中古車であれば耐用年数が「2年」となります。
耐用年数2年の時、定率法では1年目の償却率が100%です。
つまり、耐用年数2年の車の購入費用は、初年度に全額経費にできるということです。
2つめの理由は「値崩れのしにくさ」です。中古になると当然ある程度は値下がりしますが、ベンツのような高級外車はその後の値崩れが比較的少ないと言われています。値崩れが少ないということは、中古車でも購入金額が高いということです。購入金額が高ければ、1年で減価償却する際に、より多くの金額を経費にできます。
中古の高級車を1台持っていれば、数百万円の帳簿に載らない簿外資産にもなります。買うだけではなく、売って利益をどうやって出すかを考えて乗っている方が多いのではないでしょうか。
高級車が経費として認められるポイントは?
高級車が経費として認められるかどうかは、車両が事業に使われているかがポイントです。ただし、現実としては、フェラーリなどの超高級車より、ベンツ、レクサスなどの方が社用車として認められやすいです。超高級車の場合、業務との関連をシビアに見られがちです。
ベンツ以外に節税に向いている車種は?
節税の視点で、ベンツ以外にも具体的に節税に向いている車を解説していきます。
買い手のつく車種や、人気のある白や黒のボディーカラーのものは値崩れしにくいです。ベンツ、アルファードやランドクルーザーなど多くの人が好む車種を選ぶことが大切です。同じ車種でも、数量限定販売や生産中止のモデルは値段がさがりません。また、年間の維持費が少なくて済むものが望ましいです。
1割の価格で外車を1年ごとに乗り換える方法
1割の価格で外車を1年ごとに乗り換える方法を紹介します。
まず、期首に3年10ヵ月落ちで値崩れしないであろう車を購入し、納車まで済ませます。1年かけて減価償却し、その年の決算月で全額経費にします。次の期首に、その車を売却し、別の3年10ヵ月落ちの中古車に乗り換えます。値崩れしない車であれば、1年後に売っても1割安くなる程度なので、実質その1割分だけを会社が負担して1年間高級車に乗れたということです。これを繰り返せば、値段の1割の金額で外車を乗り換えることが出来ます。
お知らせ
節税スキームに関しては、詳細な情報を提供するための動画も用意していますので、ぜひご覧いただければと思います!
【裏ワザ!】毎年タダ同然で高級車を乗換える方法がある!? (youtube.com)
【知らない経営者多すぎ、、】高級車買うなら●●が圧倒的にお得です (youtube.com)
ABOUT執筆者紹介
税理士・公認会計士 辻哲弥
税理士。公認会計士。
有限責任監査法人トーマツにて会計監査業務に従事。
23歳時、「日本一若い会計事務所」として”ACLEAN(アクリーン)会計事務所”を開業。スタートアップ、マイクロ法人を中心とした税務業務や補助金・融資等の資金調達支援、経理を対象とした業務改善コンサルティングを展開。
2023年に同事務所を”税理士法人グランサーズ”と統合。同法人の代表に就任。中小企業の税務顧問対応、内部統制構築支援、組織再編支援、事業承継・企業のクラウドサービス活用と経理効率化サービスも提供。また、自身のボディメイクの経験を活かした健康経営に関するコンサルティングも得意としている。YouTube「社長の資産防衛チャンネル」絶賛配信中!