01 April

災害と税務

update_2011年04月01日   
時事深長

東北関東大震災は未曾有の被害をもたらしましたが、税務では、災害で被害を受けた場合には、各種の特例があります。

(一)申告期限等の延長

災害によって被害を受けた場合には申告や申請等の期限が、災害のやんだ日から2ヵ月以内の期間を上限として延長されます。この制度は、国税庁長官が告示によって地域を指定して告示するものと、個別に所轄税務署長に申請して延長期間を指定してもらう方法があります。

(二)雑損控除

雑損控除は災害等の場合に、災害による損失額等を基にして計算した一定の金額を、所得税の課税所得から控除する制度です。 控除される金額は以下の(1)と(2)の金額のうち多いほうの金額です。

(1)A-B×1/10

A:災害等による損失額から保険金等で補填された金額を控除した額
B:総所得金額に、分離課税の譲渡所得等に金額や山林所得、退職所得等の金額を加算した金額

(2)災害関連支出の金額-5万円

「災害関連支出」とは、災害後の住宅家財等の除去や取り壊しの費用、原状回復に要した費用などです。

(三)災害減免法

災害減免法は、災害を受けた場合に、所得税の減免や源泉所得税の徴収猶予等を行う法律ですが、所得税については、雑損控除の適用との選択となっています。このため、いずれか有利なほうを選択することになります。所得税の減免額は以下のとおりです。

  • 合計所得金額が500万円以下…所得税の全額免除
  • 合計所得金額が500万円超750万円以下…所得税の10分の5を免除
  • 合計所得金額が750万円超1,000万円以下…所得税の10分の2.5を免除
  • 合計所得金額が1,000万円超…減免無し

(四)被災者への支援

従業員が被災して、会社が見舞金を支給したり無利息貸付を行った場合には、それが常識的な範囲のものであれば、給与として課税されることはありません。また、法人が取引先等に対して見舞金を支出したり、売掛債権の免除等を行った場合には、その金額は交際費とはされず、全額が損金算入されることになる見込みです。阪神淡路大震災の際にこうした内容の個別通達が出された経緯があり、今回も同様の個別通達が出されるのは確実です。

(五)震災特例法の制定

政府では今回の震災に対して震災特例法の制定を検討していますが、そのなかでは、これまで説明した特例に加えて各種の税務上の特例措置が定められる見込みです。

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