従業員が結婚したとき
社会保険ワンポイントコラム
会社からのサポートも必要
気候も穏やかな秋は結婚式のシーズンでもあります。会社担当者が従業員から「実はこのたび結婚することになりまして」という幸せな報告を受けた時は、「よかったですね、おめでとうございます」と言葉をかけるだけではなく、必要な段取りを手配しなければなりません。小規模な会社でも、ふだんから段取りの確認はしておくべきでしょう。
お祝い金と電報
まず、①お祝い金の額、②電報等のルールを決めておきましょう。お祝い金については、一般的には従業員によって金額に差をつけることはありませんので、慶弔金規程等で金額を一定額としておきましょう。電報については、「電報の文面」や「誰の名前で送るのか」という点が重要ですので、結婚される方の役職や所属によって内部ルールで使い分けするのも良いかもしれません。
結婚式の対応
会社の規模や結婚される方の役職により、結婚式に参列される方の顔ぶれが変わることがあります。小さな会社であれば代表取締役が出席されることも多いかと思いますが、規模が大きくなればなかなか難しいでしょう。上の方の日程調整が必要ですので、会社担当者の方は従業員から式の日取りや会場の場所、そして参列者の希望などを聞いた上で、早めに上に報告するようにしましょう。
社会保険関係の手続き
さて、ここからは本題の社会保険の事柄です。結婚によって扶養の追加や、名前や住所が変わることがありますので、その方の状況に合わせて適切な対応を心がけましょう。
項目 | 手続き書類名 | 必要情報 | 注意点 |
---|---|---|---|
扶養の追加となる | 【健康保険】 「健康保険被扶養者異動届」 |
追加となる方の名前、生年月日、基礎年金番号、マイナンバー、等(子供がいる場合はその情報も必要) | ・場合により課税非課税証明書(子の場合は在学証明書や住民票など)、 ・別居の場合は相手方住所と生活費として支払う額の情報収集等 |
姓が変わる | 【健康保険・厚生年金保険】 【雇用保険】「被保険者氏名変更届」 |
新しい名前 | 新旧の健康保険証の交換等 |
住所が変わる | 【健康保険・厚生年金保険】 被保険者住所変更届 |
新住所の情報、変更年月日 |
健康保険証の場合、すぐに必要となることが多いですので「健康保険被扶養者異動届」の提出は迅速に行う必要があります。また、姓が変わる場合は健康保険証が交換になりますが、申請時に旧の健康保険証も返却するのか、新しい健康保険証が発行されてから交換なのか等は健保組合等によって異なりますので、事前に確認しておくといいでしょう。
意外に手続き漏れしてしまうのが、雇用保険の被保険者氏名変更届です。すぐには影響がないので忘れてしまいがちですが、しかし、この手続きを怠ると育児休業給付金の受給時や退職時に問題となることがありますので、結婚と同時に届出しておくことを心がけましょう。
まとめ
結婚は人生の大きな節目になります。会社担当者の方は、その方の未来が明るく幸せなものとなるためにしっかりサポートしましょう。