03 December

中小企業のSNSの運用の注意点やトラブルの対処

掲載日:2021年12月03日   
中小企業おすすめ情報

中小企業がTwitterやフェイスブック、LINEなどのSNSを運用するとき、イメージダウンにつながる投稿や「炎上」には、くれぐれも注意しなければなりません。いったん炎上すると情報がまたたくまに拡散され、取り返しのつかない損失を被る可能性もあります。

今回は企業がツイッターやLinkedInなどのSNSを運用する際によくあるトラブルや炎上するパターン、実際にトラブルが起こってしまったときの対処方法をお伝えします。

1.企業SNSでよくあるトラブルのパターン

企業のSNS公式アカウントでは、以下のようなトラブルが起こるケースが多数見受けられます。

1-1.プライベートアカウントと間違えて投稿

企業アカウントを運営している従業員が、自分のプライベートアカウントと間違えて投稿してしまうパターンです。上司や評価制度への不満や自社商品に対する文句や愚痴を公式アカウントに載せてしまい、炎上してしまう事例もあります。

1-2.アカウント乗っ取り、なりすましの被害

企業のSNSアカウントが「乗っ取り被害」や「なりすまし被害」に遭う可能性もあります。

  • IDやパスワードが漏洩して、第三者に公式アカウントを勝手に操作される「乗っ取り被害」
  • 公式ではない別のアカウントが勝手に「企業の公式」を名乗り、信用を低下させるような「なりすまし被害」

投稿を見た人は「公式アカウントがこのようなことを言っている」と受け止める可能性が高く、企業に対する大きなイメージダウンが起こってしまいます。

1-3.企業秘密の漏洩

担当者が不用意な投稿を行うと、企業秘密の漏洩に繋がる可能性もあります。たとえば新商品のリリース前に言及してしまったり、対外的に公表していない情報に触れてしまったりする場合、顧客情報を漏洩してしまう場合などです。

1-4.不適切な投稿によるイメージダウン、炎上

もっとも恐ろしいのが「炎上」です。SNS運用担当者の何気ない投稿が「差別的」「非常識」「モラルがない」などと捉えられて炎上してしまうケースもよくあります。中小規模の会社の場合、いったん炎上して売上低下が生じると会社の存続に関わるほどの大ダメージを受けてしまうケースが少なくありません。

企業アカウントの運用では上記のようなトラブルを起こさないように慎重な対応を要求されます。

2.企業SNS運用の注意点、トラブル予防策

企業がSNSを運用するときには、以下のような点に注意してトラブルを予防しましょう。

2-1.リスクの高い内容を避ける

SNSでは「炎上しやすい発言」のパターンがあります。公式アカウントで上記のような内容の投稿は避けましょう。

  • 政治的な内容
  • 多様性が許容されるべき分野において、偏った意見や断定的な意見
  • 戦争や難民など、世界の社会問題に関する意見
  • 性的な投稿、性的内容を連想させる投稿
  • LGBTに関する投稿
  • 人種差別や男女差別、障害者差別につながる投稿
  • 個人や特定アカウントへしつように反応する投稿やコメント

2-2.SNSガイドラインを策定

安全にSNSを運用するためには、TwitterやフェイスブックなどのSNS運用についての基本的なガイドラインを定めるようお勧めします。こういった事項をマニュアル化し、担当者全員が共有しましょう。

  • 言葉遣い
  • 投稿内容の選び方、方向性
  • 禁止事項
  • 他のアカウントから攻撃されたときの対応方法
  • 投稿の流れ
  • 炎上が起こったときの対処方法

2-3.投稿内容の確認手続き

実際にTwitterなどへ投稿する前に、必ず複数の担当者が内容を確認する体制を整えましょう。1人で対応すると、プライベートアカウントとの取り違えや意見の偏りなどのリスクが生じやすくなります。SNS担当者の多様性も意識すべきです。たとえば男女両方を入れる、幅広い年齢層の人を関与させるなどしましょう。

2-4.同業種の成功パターンを分析

SNSを安全に運用し、効果的に企業イメージを向上させるには、同業種の成功パターンを分析する方法がお勧めです。成功している企業が普段からどういった投稿を行っているのか、投稿の頻度や言葉遣いなども含めて研究し、自社のSNSに応用してみてください。

3.トラブルが起こったときの対処方法

実際に炎上や乗っ取りなどのトラブルが起こったら、速やかに対応すべきです。

3-1.日常的なモニタリングで早期発見

炎上被害を最小限に食い止めるには、早期発見が極めて重要です。いったん拡散されると止めるのが難しく、どんどん被害が拡大してしまうからです。日常的にSNSアカウントをモニタリングして、トラブルの芽を早期に摘む体制を整えましょう。モニタリングには以下のような方法があります。

■手動で対応
自社従業員や社名や商品、サービス名などを入力して検索して情報を確認する方法です。   

■ツールの利用
モニタリング専用ツールやSNS管理ツールなどを使う方法です。 

■専門業者へ外注
モニタリングの専門業者へ外注する方法です。

組み合わせて対応してもかまいません。誹謗中傷やクレーム、悪質な攻撃などの炎上の火種が見つかった場合の対応ルールやフローも事前に取り決めておく必要があります。

3-2.謝罪や状況説明などの早期対応

自社に非がある場合、早期に公式アカウントで間違いを認めて謝罪することが重要です。
従業員がミスをした場合や不適切な投稿をしてしまった場合でも、早期に誠実な対応をすれば、かえって企業イメージがアップするケースもあります。

3-3.再発防止策の検討

炎上やトラブルが収束したら、再発防止策を検討すべきです。トラブルが起こった原因を特定し、投稿のフローやガイドラインの見直しを行い、担当者への教育や社内への周知を徹底しましょう。

 

SNS運用に成功すれば、企業のイメージアップや売上アップ、知名度の向上など多数のメリットを得られます。リスクを避けて上手にアカウントを運用しましょう。

ABOUT執筆者紹介

元弁護士 法律ライター 福谷陽子

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京都大学法学部卒。10年間の弁護士実務経験を積み、専業の法律ライターへ転身。企業法務、電子契約、不動産、相続など多種多様なメディアで専門的な法律記事を多数執筆・監修。「難しい法律の知識をわかりやすく伝える」をモットーに、身近で役立つ知識を発信。

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