ソーシャルメディアなどに関する対応はとれていますか?
社会保険ワンポイントコラム
最近はソーシャルメディア(SNS、ホームページ、ブログ、掲示板及び動画共有サイト等のインターネット上で情報発信や情報交換ができるメディアの総称。)を利用して個人でも自由に情報発信を行うことができるようになりました。企業としては、うちの従業員は秘密情報を漏洩するはずはない、私的なことまで管理することは難しいというのが、本音ではないでしょうか。
しかしながら、私的なソーシャルメディアの利用を巡ってのトラブルも増加傾向にあります。モラルのないソーシャルメディアへの故意の投稿により、トラブルになり、結果的に倒産してしまう企業もあります。これからは、故意ではなく、誤って情報を発信してしまうことも考慮して、企業においてもその事前対策が望まれるところです。
そこで、企業としては、従業員教育をしたり、誓約書の提出を義務付けたり、就業規則等にて周知することで防ぐことが可能になります。企業の公式なソーシャルメディアに記事を掲載する前に、第三者が記事を確認する仕組みも必要かと思います。
パソコン等のモニタリングやログ管理
モニタリングやログ管理の目的は、従業員を監視することではありません。従業員を守るためのものです。万が一、トラブルが起きたときに、職務上利用する電子メールやパソコンのモニタリングやログ管理ができる環境にしておくことで、従業員の意識も変わります。
ソーシャルメディア利用に関する誓約書の準備
企業での意思統一や教育を行いつつも、「私は、ソーシャルメディアの利用に関して、下記事項を遵守いたします。」という誓約書を作成し、具体的に禁止事項を記載することで「やってはいけないこと」がより明確にできます。
就業規則等の記載例
- 「職務上利用する電子メールやパソコンのモニタリングやログ管理をすることがあります。」
- 「ソーシャルメディアへ企業や顧客の情報(写真も含む)を載せてはいけません。」
企業の秘密事項、個人情報、顧客情報等はもちろん、企業の写真などに情報が含まれている場合もあるのです。
企業公認のソーシャルメディアは当然のことですが、個人のものも誰が見ているのかわかりません。最近はテレワークが増え、社内でつぶやくように、ソーシャルメディアでつぶやいてしまうこともあるかもしれませんが、もはや“つぶやき”で済む範囲を超えています。まずは、従業員教育から始めてはいかがでしょうか。
ABOUT執筆者紹介
特定社会保険労務士 出口裕美
2004年に社会保険労務士事務所を開業。出産を機に、育児と仕事の両立のためテレワーク(在宅勤務)を開始。2014年に社会保険労務士法人出口事務所に法人化。2017年にテレワーク(サテライトオフィス勤務)を開始。2020年に新型コロナウイルスの取り組みの様子をメディアにて紹介。
経営者と社員が継続的に安心して働ける環境を構築するため、インターンシップ、ダイバーシティ(雇用の多様化)、テレワーク、業務管理システム等を積極的に導入し、また企業への導入支援コンサルタントとしても活動中。
[democracy id=”177″]