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採用内定の取消しを行う場合の注意点
掲載日:2010年02月01日
税務ニュース
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思わぬ業績の悪化などにより、新規学卒者などの採用内定を取り消すケースが増えています。
企業が新規学卒者を採用するにあたっては、一般的にはその学生が卒業する前に卒業後に社員として採用するという約束(採用内定)をし、学生には誓約書の提出を求めています。一部には複数の企業の内定を取り、誓約書を提出したにもかかわらず一方的にそれらを取り消す学生もおりますが、この採用内定は「労働契約」の1つとして解されるため、企業も学生もその取扱いには配慮する必要があります。
最高裁ではこのような採用内定は、誓約書などに記載された採用内定取消し事由に基づく解約権を留保した労働契約が成立したものであり、採用内定取消し事由以外の事由による採用内定取消しは、事実上の解雇と同様としているため、相応の理由が必要となります。企業による安易な内定取消しを防止すべく、いくつかの措置が講じられています。内定取消しを行おうとする会社はハローワークの長などに所定の様式によって通知しなければなりませんし、取消しにあたって、たとえば2年連続で取り消している、同一年度内に10人以上の者に対して行っている、取消し対象者に十分な説明を行っていない、事業活動の縮小を余儀なくされていると明らかに認められない場合などは企業名の公表といったペナルティもあり得ますので注意が必要です。