01 September

携帯電話にかかる事務手数料と固定資産税

掲載日:2017年09月01日   
税務ニュース

携帯電話は、日々の生活に欠かせない通信手段になりました。

携帯電話を使いながら行き交う人を見ない日はありませんし、歩きながらスマホを操作する「ながらスマホ」は危険を伴うことから社会問題になっています。
ところで、会社の営業マンに携帯電話を支給している会社も多いようですが、会社が支払う携帯電話の契約にかかる事務手数料は、原則として、無形減価償却資産である電気通信施設利用権の取得価額として資産計上し、耐用年数に応じて減価償却することになります。

電気通信施設利用権の耐用年数は20年ですが、法人税法では、携帯電話の役務の提供を受ける権利の取得価額が10万円未満である場合には、少額な減価償却資産として、その権利を取得し、事業の用に供した事業年度において、損金経理を要件としてその取得価額の全額を損金の額に算入することができます。
また、会社が支払う月々の通話料金については、通信費として経費処理します。

ただ、通信費の事業との関連性、および事業遂行上の必要性が明らかでない場合には、必要経費として認められないこともあるので注意が必要です。
通話料金が事業用として使用されたものであることを具体的に説明できるようにしておくこと、つまり、その携帯電話による通話が事業の用に供されていたことを立証するための事業関連者との通話記録等、証拠資料を備えておくことが、指摘を受けた際には重要になります。

なお、土地、家屋のほか、その資産の減価償却費が法人税の所得の金額の計算上、損金の額に算入される償却資産については、固定資産税が課されます。
しかしながら、耐用年数1年未満または取得価額10万円未満の償却資産で損金算入したもの、取得価額20万円未満で3年間の一括償却をしたもの、法人税法に規定されるリース資産で取得価額が20万円未満のものなど、少額の減価償却資産にあたるものは、その対象から除かれていますので、携帯電話の電気通信施設利用権に固定資産税が課されることはほとんどないと思われます。

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