05 January

ライバルに差をつけろ!農業で売り上げをあげるための見せないテクニック

掲載日:2024年01月05日   
農家おすすめ情報

あえて見せる必要はなし、逆の発想で売り上げをアップ!

誰でも手軽に情報を発信できる時代となり、農家も自分の農園の情報発信をするために、Facebook、Instagram、TwitterなどのSNSやブログ、ホームページを使っている人も多いと思います。その中で見かけるのが、通販サイトの「野菜セットの情報」やマルシェに出店する際の「ラインナップのお知らせ」など。もちろん正しい情報発信ではありますが、あえて逆の発想をしてみてはいかがでしょうか。

今回は「売り上げをあげるための見せないテクニック」をご紹介します。

野菜セットは開けてからのお楽しみ!セットの内容は伝えない

野菜セットの通販サイトを見てみると、今採れる野菜の情報を載せている農家がいます。ランダムに通販サイト調べてみたら、今採れる野菜の情報を載せている農家は85%でした。また、「今週の野菜セットの内容は、『里芋、ダイコン、ピーマン、サツマイモ、カブ、カボチャ、コマツナ、チンゲンサイ』です。」と記載しているのをよくみかけますが、これには大きなデメリットがあります。

例えば、ピーマン、サツマイモ、カボチャが苦手な人がいたら、この野菜セットを買うでしょうか?それよりも、「普段使いの野菜をメインに西洋野菜などの珍しい野菜も入ります。季節によりお届けする野菜は変わりますが、その時期、畑で採れた一番状態のよいものを選んでお届けします。」そして「※」と注意書きを入れて「苦手な野菜がございましたらお気軽におっしゃってください」と一言入れておけば、購買意欲は下がりません。星の数ほどある通販サイトの中から、せっかく目を止めてくれた客に対して、購買意欲を下げることはもったいないと思いませんか。

冬のアブラナ科の野菜セット

売り場のイメージ写真、気を付けなければならない大切なポイント!

同じことは、マルシェやイベントに出店する告知についても言えます。「いつ」「どこで」「何時から」出店するのかを知らせることはとても大切ですが、その際に「野菜のラインアップ」を紹介しているケースをよく目にします。先ほどの野菜セットの内容と同じく、苦手な野菜がある場合、欲しい野菜がなかった場合は逆効果となります。

また、情報を発信する際に売り場の野菜の画像をアップする時にも注意が必要です。それは、プライスカードを映さないことです。例えば、高級野菜「サボイキャベツ」を1個100円で販売するのであれば値段を知らせるのには有効ですが、その値段を付ける人はいないはずです。

高級野菜サボイキャベツ

表示されている価格が高いと思った客はその時点で売り場に足は運ばず、値段だけが一人歩きすると残念な結果につながってしまいます。売り場のイメージカットは必要ですが、雰囲気を伝えれば写真の役割は十分果たします。出さなくてよい情報は出さない。それよりも客が足を運びたくなるような気持ちにさせる情報を伝えることが重要なのです。

売り場のカットはイメージで。プライスは映さない。

新規取引をスタートするために、あえて金額を伝えない理由とは!

タケイファームでは、栽培した野菜の95%をレストランへ販売しています。取引がスタートするきっかけはいろいろなパターンがあるのですが、その中の1つを紹介します。

あるレストランからホームページのお問合せフォームにメッセージが入りました。
「涙豆(スペインで栽培されているグリーンピースの仲間)を探して御社に辿り着きました。一度お話をさせて頂きたいのですが、ご都合のよろしい時にご連絡をいただくことは可能でしょうか」。電話で連絡を取り、話していると「他にどのような野菜を栽培していますか?」という質問がありました。年間を通してのタケイファームの主力の野菜の話をし、「ご迷惑でなければ現在収穫できる野菜をサンプルでお送りしましょうか」と伝えると、「ありがとうございます。有償でかまいませんのでお願いします」となりました。

収穫した涙豆

先方は「野菜代を請求してください」と言っているのですが、僕はあえて請求書や納品書は入れず挨拶文のみを入れます。ダンボール箱を開けたことを想像してみてください。箱を開けてまず目に入るのは挨拶文です。その後、中に入っている野菜を見るはずです。野菜の状態を見たら次は、請求書、納品書を見ます。するとどうなるか、レストランは、市場や八百屋、他の生産者など、複数の仕入れ先がありますので値段を比較するという流れになります。

野菜の味を知ってもらう前に、他と比べて高い野菜となってしまったら、第一印象は決して良くなるとはいえません。「当農園の野菜は安いですよ」というコンセプトであれば、自信を持って金額を伝えるべきですが、「苦労して作った野菜を少しでも高く販売したい」と考えるのであれば、金額の前に味を知ってもらうことが必要なのです。僕が目指すのは、「この野菜はおいしいけど高いよね」ではなく、「この野菜は高いけどおいしいよね」なのです。

良かれと思って情報を発信することはとても大切なことです。ただし、その情報は本当に必要な情報かを見定めることが重要です。発信することによって起こるデメリットを考えて、あえて見せないテクニックを使ってみてはいかがでしょうか。

ABOUT執筆者紹介

武井敏信

タケイファーム

タケイファーム代表。「営業はしない」がポリシー。今まで350種類を超える野菜を栽培し、年間栽培する野菜は約140品種。独自の販売方法を生み出し、栽培した野菜の95%をレストランへ直接販売している。趣味は食べ歩き。一般社団法人Green Collar Academy理事。青山学院大学ABS農業マーケティングゲスト講師。京都和束町PR大使。

 

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