関東大震災から100年目に当たる2023年 会社に備えておきたい防災グッズ
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このところ異常気象が恒常化しています。2023年も例外ではなく、いくつもの台風が同時に日本を襲ったり、線状降水帯が頻繁に発生し被害をもたらしました。さらにはゲリラ豪雨で日本各地に洪水災害をもたらしたことは記憶に新しいでしょう。
今年は関東大震災から100年目に当たる年。いやがおうにも防災について考えさせられる機会が多くなっています。私たちも過去には阪神淡路大震災、新潟中越地震、そして東日本大震災でいろいろなことを学びました。いつ来てもおかしくない南海トラフ地震をはじめ、さまざまな災害にも対応できるよう、防災対策に有効なグッズをご紹介します。
単1から単4電池までどれか1本あれば使える懐中電灯
防災グッズの基本中の基本と言えば懐中電灯です。おそらくどの事務所にも備え付けられていますが、その懐中電灯は点灯しますか? 電池は使わなければ、いつまでも電気を蓄えていられるように思われていますが、時間が経つと自然に放電しカラになります。それ以前に最近は電池が別売の懐中電灯が多くあるので、電池が入っていないなんてことはありませんか?
過去の災害からも明らかなように、コンビニやスーパーからは、まず「電池」(と「カセットガス」)がなくなります。食料品より、何より電池です。中でも一瞬で売り切れるのが懐中電灯用の大きな単1乾電池です。続いて単2電池が売り切れます。どちらも災害時に需要が高まるのですが、お店のストックが少ないのです。リモコンなどで使う細い単3や単4電池は、自前のストックもあるでしょうが、懐中電灯本体があっても電池がなければ何の役にも立ちません。
そこでオススメしたいのが、単1から単4電池まで、どれか1本でもあれば使える懐中電灯です。それがパナソニックの「どれでもライト」です。この懐中電灯は、手元にある電池どれが1本を入れるだけで使えます。どうしても電池が見つからなければ、リモコンや時計に入っている単3電池を取り出して使ってもいいでしょう。
単3電池1本(エボルタNEOの場合)では新品で約11.5時間点灯できます。しかし単1から単4までの電池を1本ずつ入れると、全部で97.5時間も使えるのです。それぞれのサイズで利用できる時間は以下の通りです。
単1 | 55時間 |
---|---|
単2 | 27時間 |
単3 | 11.5時間 |
単4 | 3.3時間 |
※いずれもエボルタNEO利用時の場合
このような懐中電灯は他になく、パナソニック一択になります。また個人用としてオススメしたいのが、単3か単4電池のどちらかがあれば使えるミニ懐中電灯。こちらもパナソニックの製品で「電池がどっちかライト」です。
単3電池を使うと約11.5時間、単4電池なら約3.5時間、どちらも入れると15時間の点灯ができます。
スマホを何台も充電してコンセントも差せるポータブル電源
個人事業ならあまり必要性はありませんが、従業員がいる事務所なら「ポータブル電源」を用意したいところです。一般的な「モバイルバッテリ」は、スマホの充電専用でせいぜい3回ほどしか充電できません。
しかしポータブル電源は、スマホを何十回も充電できるだけでなく、家庭のコンセントの100Vも出力できます。また車でよく使われている12Vのソケットもついています。これなら帰宅困難になっている従業員のスマホを充電したり、100VのコンセントにLEDのデスクライトをつなげて、夜の明かりを確保するなどできます。
ポータブル電源も電池なので、たくさん使うと電池切れしてしまいます。普段の充電はコンセントから行いますが、災害時は車のシガーソケットから充電することも可能です。また専用の太陽光パネルを別売しているポータブルバッテリも数多くあるので、日中に太陽光で充電できます。
中でもオススメするのは、太陽光パネルの性能がよく、ポータブル電源同士を連結することで電源容量を増やせるEcoFlow社の製品です。なお容量は用途に応じてさまざまあるので、ホームページで確認したり販売サイトや量販店の店頭で確認するといいでしょう。
帰宅困難者を救う防災バッグ
帰宅困難になってしまい暖を取れない会社で一晩過ごす、ケガをしてしまった、衣類が濡れたので着替えたいという場合には、防災バッグが欠かせません。また電気や水道が止まるとトイレの問題も出てきます。
そんなときに活躍するのが、家電メーカー山善の防災バッグです。またアイリスオーヤマからも出ています。どちらも防災士の資格を持つ担当者が開発したセットなので、必要最低限なものはそろっています。
とくにオススメしたいのは山善の防災グッズ。普通防災用のトイレというと、段ボールでできたトイレで設置も処理も大変です。しかし山善の防災用トイレは、一人用の小さい折りたたみいすに穴が開いていて、ここにビニールをセットすることで、用が足せるというものです。さらに真っ黒なビニールのポンチョも付属しているので、ポンチョを着ていすに座っていれば、周りにも気づかれにくく類を見ない防災用簡易トイレになっています。
一晩明かすための非常食と水
防災グッズに合わせてそろえたいのは、もしものための非常食と飲料水です。東日本大震災では、東京ディズニーランドに足止めをされたゲストにひじきご飯が配られたのが有名でしょう。これらはお湯もしくは冷水で戻せるご飯で、混ぜご飯になっているのでおかずがなくても美味しく食べられます。レトルトパウチや缶詰のおかずなども販売されています。
これらでオススメしたいのはアイリスオーヤマの非常食です。アイリスオーヤマは仙台に本社を置く家電メーカー。それゆえ東日本大震災で大きな被害を受け、災害時には何が必要なのかを身をもってよく知っている会社なのです。震災後は一番困った防災時の食事を研究し、自社で田んぼを持つほどになりました。現在は「パックごはん」をはじめ非常食メーカーの大手になっています。
またアイリスオーヤマは天然水事業にも進出しており、東名高速道路の足柄インター近くで巨大なボトリング工場が見られます。こうしてアイリスオーヤマは、富士山の湧き水を使い、さらに5年間保存できる天然保存水も製造・販売しているのです。
ちなみに知り合いの防災士に聞いたところ、防災用のバッグと非常食は分けた方がいいということでした。というのも食品や水などは消費期限があるため、定期的にチェック交換しなければなりません。それゆえ防災バッグにグッズと混ぜてセットにしてしまうと、チェックが大変になってしまうからだといいます。また電池なども自然放電するため利用期限があるので、食料や水と合わせて期限がある防災用品として管理するといいということでした。
マニュアルを作るほど大がかりではなく万が一を考える
会社の財産「従業員」。異常気象や地震などに被災しないとは言い切れません。むしろいつ来てもおかしくない南海トラフ地震や異常気象による洪水などの災害は、年々増える一方で被害も多くなっています。
関東大震災から100年の今年を機に、大がかりにマニュアル化するのは大変なので、せめて災害対策について考えてみてはいかがでしょうか? またあわせて従業員が困らない程度の防災用具の用意をしてはいかがでしょうか?
ABOUT執筆者紹介
家電ライター/エンジニア 藤山哲人
「羽鳥真一モーニングショー」「ZIP!」「ゴゴスマ」「イット!」「news every」「Nスタ」などのワイドショーやニュースで節電や省エネを含めた家電などのコメンテーターとして多数の番組に出演。またレギュラーのラジオ番組のほか家電専門媒体「家電Watch」や「現代デジタル」「文春オンライン」などでも、家電やその回りの技術記事を“優しく楽しく面白く”解説している。
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