オンライン会議で便利なガジェットとテクニック
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コロナ渦で急激に普及し、超便利ツールとしていまだに幅を効かせる「オンライン会議」。昭和生まれの筆者としては、直接会ってその場の空気を感じて話し合いをしたいところだが、時短やコスパ重視のビジネスで、都内なのにオンライン会議なんてことも。
でも逆に便利なこともたくさんある。電話では伝わらないモノや資料を見せたり、相手の表情が見られるので、より情報を速く・正しく・理解でき、相手の感情も読み取れる。しかも移動時間が不要なので、時間の調整幅が広がり開催時間を合わせやすく、1日何本も打ち合わせできるようになった。
ただデメリットもある。マイクがまわりの音を拾ってしまい声が聞きづらかったり、移動中などは電波がカスれて途切れてしまったり、場所によっては回線がショボショボで画面がモザイクだらけになったりと、誰もが経験あるだろう。
今回は、オンライン会議をより便利に使えるアイテムなどをご紹介しよう。
パソコン内蔵のマイクとスピーカは相手をイラつかせる!?
オンライン会議での禁じ手はパソコン内蔵のマイクとスピーカーで会議に望むこと。ヘッドホンやイヤホンをしていない相手を見ると「あ~↓↓」とそれだけでやる気がそがれてしまう。
なぜなら、内蔵のマイクとスピーカーで会議をすると「声が大きくなったり小さくなったりで非常に聞きづらい」のだ。カラオケなどでありがちな、マイクとスピーカーを近づけると「キーン!」という音が出る「ハウリング」を経験したことがあるだろう。パソコン内蔵のマイクとスピーカーもかなり近くにあるので、当人が話しをしていないときはマイクの音量をハウリングしない程度までしぼっている。が、急に話しをし出すとマイクの音量をパソコンが自動的に上げるのだが、頭の一言二言は音量が小さいままで、他の人が聞きずらいのだ。
当人は「明日の13時までにやります!」と言っているつもりでも、マイクの音量が上がるまでのズレがあため「$%の13時までにやります!」と聞こえてしまう。これが「はい?頭聞こえなかったんですが」と言われる原因だ。
このようにオンライン会議をするたびに「一部声が聞こえなかったです!」と言われる方は、必ずヘッドセットやマイク付きのイヤホンを使おう。
静かな部屋でオンライン会議するなら安いインカムがお薦め
たとえば宿泊先のホテルや自室からオンライン会議に参加するだけなら、スマホで通話するための片耳に掛けて使うBluetoothヘッドセットがいいだろう。Bluetoothのペアリングや充電が面倒という場合は、有線式のヘッドセットでもいい。有線式の物はオーディオジャック形式のタイプとUSBタイプがある。お薦めは接触不良が少ないUSBタイプがいいだろう。
Bluetoothでも有線でも、どちらもAmazonで3000円程度から購入できる。国産や有名オーディオブランドは1万円を超すようなものもあるが、付け心地や付加価値などがあるだけで、安いものとさほど変わらない。
また会議に集中したい人は両耳タイプがいい。まわりも「あ、両耳ふさがってて聞こえないからあとにしよう」って気遣いしてくれる。
会社や喫茶店などで使うならノイズキャンセリング「マイク」
ノイズキャンセリング「イヤホン」はかなり有名だ。まわりがうるさくでも、その音を打ち消し、まるで深夜に音楽を聞いているほど静かになる。とくに飛行機や新幹線などの走行音、喫茶店やオフィスのざわつきが、図書館の静けさになるほど。
オンライン会議でお薦めなのは、ノイズキャンセリング「マイク」だ。コロナ渦以前は、電話サポートセンターなどで使う業務用のヘッドセットに搭載されており、他のオペレーターの声を拾わないようにするものだった。しかしオンライン会議が本格化した2022年辺りから、ノイズキャンセリング「マイク」搭載のヘッドセットが出回るようになる。これを使うと「イヤホン」同様に新幹線の走行音や喫茶店、オフィスでのざわつきを押さえて、自分の声だけを発信できるので相手が非常に聞きやすくなる。
オフィスでありがちな、オンライン会議中に後ろのブースで別の会議が始まり、静かな場所を求めてノートパソコンを持ってフロアをウロウロってことがなくなるので便利だ。
こちらもBluetooth式もあれば有線式もあり、使い方に応じて選ぶといいだろう。また元ソニーのVAIOはノートパソコンの内蔵マイク自体にノイズキャンセリング機能を搭載した製品などもあり、普段使っているBluetoothイヤホンと本体マイクでオンライン会議をするなんてことも可能だ。
発言している人にマイクを向ける会議室用マイク/スピーカ
ここまでは個人で1台のパソコンを使って会議する場合だったが、営業拠点の会議室同士をつなげて会議をする場合などもあるだろう。こういった場合はデスクの中央に平べったいしょうゆ皿を裏返したようなマイク/スピーカを使うのが一般的。このマイクは全方向の音をまんべんなく拾うマイクだ。
しかし円卓ならいいが、会議室のデスクはたいてい縦と横の長さが違うので、マイクから近い人もいれば遠い人もいる。だから人によっては声が聞きずらい場合がある。
しかし発言している人を追従する会議室用マイク/スピーカがある。サイズはしょうゆ皿程度だが、2cm程度の厚みがあり、円周にマイクをいくつも備えているのだ。これにより発言している人の方向をマイクが検知して、自動的にマイクを発言者に向けてくれる。さらに声が小さい場合は大きく、大きすぎる場合はボリュームを絞ってくれるので、拠点間の会議にピッタリだ。このような会議用マイクとして有名なメーカーはJabra(ジャブラ)。オランダの会社で元々はコールセンターのヘッドセットメーカーだったが、ノイズキャンセリング技術などソニーにも負けない技術があり、オンライン会議グッズの有名メーカーとなっている。
さらにマイクだけでなく、Webカメラを発言している人に向けるモノもある。筆者も使ってみたことがあるが、発表会で質疑応答を受ける場合などには便利だが、活発なディスカッションをするとカメラが動きまくるのでテレビを見てると酔ってしまう場合があるので注意。
オンライン会議に最適!便利に使える駅のビジネスブース
最近多く見かけるようになったのが、駅やビルのちょっとしたスペースにあるビジネスブース。電源もWiFiも揃ってて、15分で300円程度なので喫茶店とそれほど変わらないパフォーマンス。
何より便利なのは個室なので、お金や機密の話しもできるほか、喫茶店のようにガヤガヤうるさくないので超便利。しかもJR系列が運営するタイプは全国の主要駅には必ずあるので、静かで電源があって時間制限のないWiFiがある喫茶店を探す必要がない!
会員登録してあらかじめ予約が必要になる手間はあるものの、それ以上に便利に使えるのでお薦めだ。
ただしポイントが1つあって、できるだけトイレの近くにあるブースを選ぶこと。オンライン会議中は喉が乾くので水分を取るから、トイレが近くにないと辛い!途中の休憩でもブースを一時退室できるので、ブース位置とトイレを確認すること。基本は駅構内のブースがお薦めだが、たまに電車の騒音が凄いところがあるので要注意。
なおWiFiのアクセスポイント名とパスワードは、あらかじめ予約完了メールで知らされる場合もあれば、ブース内に掲示がある場合もあるので、戸惑わないように確認しておくこと!
新幹線のビジネス席でのオンライン会議と落とし穴
最近は全国の新幹線でWiFiが利用できるので、車内でオンライン会議もできるようになった。一般の指定席では、通話禁止なのでオンライン会議はご法度だが、新幹線はビジネス指定席(JR東海だとS Work、東日本だとTRAIN DESK)なら会議・通話もOK。
さらに一般指定席のWiFiは1回の接続が30分という縛りがあるので、30分ごとに再接続する必要がある。でもビジネス指定席では、時間制限がないので長時間の会議でもOK!
ただし弱点があって、トンネル内はビジネス指定席といえども接続が切れる(パソコンと車内のWiFiはつながったままだが、列車と中継拠点間が切れる)のに注意。東海道新幹線だと小田原~三島間、山陽新幹線はトンネルだらけでブッチブチ。東北新幹線だと仙台以北走行中には会議を入れないようにするなどの工夫が必要。ただし数年前からトンネル内でも携帯電話がつながるように改良工事を行なっているので、WiFiも切れづらくはなってきた。
※2024年5月21日乗車分までは、東海道・山陽新幹線のS Workの指定券はネット予約のみ。22日以降は、みどりの窓口でも購入可能になる
ABOUT執筆者紹介
家電ライター/エンジニア 藤山哲人
「羽鳥真一モーニングショー」「ZIP!」「ゴゴスマ」「イット!」「news every」「Nスタ」などのワイドショーやニュースで節電や省エネを含めた家電などのコメンテーターとして多数の番組に出演。またレギュラーのラジオ番組のほか家電専門媒体「家電Watch」や「現代デジタル」「文春オンライン」などでも、家電やその回りの技術記事を“優しく楽しく面白く”解説している。