ChatGPTやGemini、Claudeなど最新の生成AIを無料で使える「天秤AI」で業務効率改善&AIスキルアップを実現
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生成AIの領域は今までにないほど進化が早く、2か月もあれば時代遅れになっていきます。従来のガジェットやソフトウェアの10倍くらい新陳代謝が激しいというイメージです。
2022年、「ChatGPT」が世界に衝撃を与えて生成AIの頂点にいました。2023年にも相次いで性能向上と機能強化をリリースし、独走状態に入ったかと思いきや、ライバルが急に頭角を現してきました。それが、Googleの「Gemini」とAnthropicの「Claude」です。どちらも、「ChatGPT」と同レベルの性能を備えるうえ、マルチモーダルやコード生成の機能を強化しており、もはや戦国時代です。
ChatGPTやGemini、Claudeなどの生成AIサービスは無料でも利用できるのですが、性能が低いAIモデルとなります。高性能なAIは有料プランを契約することで利用できます。とは言え、どのサービスを選べばよいのかわからない、という人もいるのではないでしょうか。そこでお勧めなのが、「天秤AI by GMO」です。
最新のAIモデルを複数同時に利用できる
「天秤AI」は複数の生成AIモデルを無料で利用できるのが特徴です。それも、本家のサービスであれば有料となっている最新の高性能モデルを利用できます。ユーザーが増えるほど、それぞれの生成AIサービスに多額のコストが発生しますが、無料です。なぜでしょうか?
「天秤AI」を開発しているGMO教えてAI株式会社 代表取締役社長 山城博規氏に伺ったところ、すべての人に生成AIを使ってほしいから、ということでした。将来、AI産業で新サービスを提供する時に備え、GMOのAIサービスに注目を集めておく、という狙いとのことです。驚くべきサービスを無料で使えますが、決して怪しいわけではありません。それであれば、積極的に活用させてもらいましょう。
「天秤AI」にログインすれば、すぐに利用できます。PCはもちろん、スマートフォンでも利用できます。左側で、利用するAIモデルを選ぶのですが、なんと最大6コマで選択することができます。そして、プロンプトを入力すると、同時に6個のAIモデルが出力を始めます。異なるAIが同時に文章を生成するのは圧巻です。
AIモデルも多彩です。OpenAIからは「ChatGPT-3.5 Turbo」とマルチモーダルに対応した「GPT-4o」。Googleからは「Gemini 1.0 Pro」「Gemini 1.5 Pro」、「Gemini 1.5 Flash」、Anthropicからは「Claude 3 Haiku」や「Claude 3 Sonnet」「Claude 3 Opus」「Claude 3.5 Sonnet」が選べます。
さらに「Perplexity」まで使えます。検索特化の生成AIで、インターネット上の情報から要約された情報を表示してくれるのです。AIモデルは「GPT-4o」や「Claude 3.5 Sonnet」などを利用でき、切り替え可能です。
ちなみに、利用料金は「ChatGPT Plus」や「Claude Pro」「Perplexity」が月額20ドル(約3100円)、「Gemini Adovanced」が月額2900円となっています。
複数のAIが生成した結果を統合する「壁打ち」機能が便利
どうせなら、最高性能の「GPT-4o」と「Gemini 1.5 Pro」「Claude 3.5 Sonnet」を選択しましょう。プロンプトによってはあまり効果がないこともありますが、せっかくですので「Perplexity」も追加。あと2つは、参考程度に他のAIを選ぶか、選択しなくてもOKです。
試しに「優先順位付けと集中力を高める作業環境の作り方を教えて」と入力してみました。各AIモデルが出力を開始します。各モデルの特徴が出ていて、AIの勉強にもなります。下位のAIモデルを並べて出力させると、どんな違いがあるのかが一目瞭然です。
筆者はすべてのサービスを契約しているので、似たことはできます。しかし、ウェブページを切り替えて何度もコピー&ペーストを繰り返さずとも、一発で複数のAIモデルに出力させられるのはとても便利です。
さらに、本来であれば出力を見比べて、採用する情報を取捨選択し、マージさせて望むテキストを作ります。しかし、「壁打ち」というボタンをクリックすると、それぞれのAIが出力したテキストを入れ込み、統合するプロンプトを生成してくれるのです。あとは、飛行機アイコンをクリックすれば、複数のAIから出力した情報をまとめられます。これは個別の生成AIサービスにはできない離れ業で、生産性が爆上がりします。
「天秤AI」をビジネスで利用して業務効率をアップさせる
まずは、「GPT-4o」と「Gemini 1.5 Pro」「Claude 3.5 Sonnet」の3つを選択し、ビジネスで活用してみてください。例えば、SNSに投稿する文章を入力して、「炎上しそうな内容が含まれていないか確認してください」とチェックしてもらえます。取引先に送るメールの文章を入力して、「あなたはプロの編集者です。敬語の使い方を中心にメールの内容をチェックしてください」とお願いするのもありでしょう。
生成AIに慣れたら、企画会議に出すためのアイディアを出してもらったり、自社ブログなどに投稿する見出しを考えてもらいましょう。前提となる情報をきちんと入力し、出力を精査する必要はありますが、これまでは何時間も唸りながら考えていたアウトプットを数分で用意することができます。
マーケティングであれば、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作ってもらうこともできます。営業であれば、営業トークの練習相手になってくれます。ライターの筆者であれば、ネタ出しや構成案の作成、校正などをしてもらっています。
プライベートでも資格や外国語の勉強に活躍してくれます。この場合は一つのAIモデルを選択し、何度も会話を重ねていく方がよいでしょう。マンツーマン学習のように、自分のレベルにカスタマイズしたカリキュラムで学べるので効率が良くお勧めです。
複数のAIモデルを使い倒し、「GPT-4o」と「Gemini 1.5 Pro」「Claude 3.5 Sonnet」のどれが自分に合っているか確認できたら本家のサービスを契約しましょう。有料サービスはマルチモーダルに対応しており、画像をアップロードして内容に関して質問したり、要約してもらうことができます。他にも、高度な機能を色々と搭載しているので、さらにビジネス利用が進むことでしょう。
とは言え、出力のクオリティに納得がいかなかったり、本家で使い過ぎて一時的な利用制限がかかってしまったなら「天秤AI」を利用すればいいのです。
とにもかくにも、ビジネスパーソンは全員、生成AIを使い始める必要があります。AIを使うスキルを身に付けなければ、来年や再来年に本格導入された時に使いきれず、置いて行かれてしまいます。
Excelが登場した時、色々と調べて使っていた人は関数やマクロを使い、データベースどころかビジネスユースできる簡易的なシステムを構築できるようになりました。しかし、Excelが広く普及した後にようやく使い始めた人は、Excelを方眼紙のように扱い、1セルに1文字ずつ入れる「神Excel」を生み出し、業務効率を大きく損ないました。
似たようなことがAIでも起きると思います。現時点でも大きな時短になるので、目の前のコストもすぐに回収できます。今すぐに業務効率を改善しながら生成AIの使い方を身に着けておきましょう。
ABOUT執筆者紹介
柳谷智宣
ITライター/NPO法人デジタルリテラシー向上機構 代表理事
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1998年からIT・ビジネスライターとして執筆活動を行っており、コンシューマからエンタープライズまで幅広い領域を手がけている。2018年からは特定非営利活動法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を立ち上げ、ネット詐欺や誹謗中傷の被害を減らすべく活動している。