名義預金って知ってますか?
税務ニュース
ご存じない方も多いかもしれませんので、簡単に説明すると、 「名義預金」とは資金を用意した人が自分の名前で預金口座を作るのでなく、「他人の名義で」作成することです。 例えば「おじいちゃん」が、貯めたお金を「墓」まで持っていけないですから、「可愛い孫の名前で預金をしておこう」といったケースに登場します。いずれ孫が大きくなったら孫に「預金」のプレゼントをすれば喜ばれるだろうし、もしかしたら自分の相続税対策にもなるのではないだろうか?などと考えて孫名義にするケースも多くあります。みなさんはこの「預金」は孫の預金だと思いますか?答えは違うんです。これはおじいちゃんの「預金」なんですね。なぜなら、孫はおじいちゃんが預けた預金が、まさか自分の名前になっていることを知らないですからね。
「贈与」とは
当時者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思表示をし、相手方がこれを受諾することによって成立する契約をいいます(民法549条)孫は預金を貰ったという意思表示をしていませんよね。だから「贈与」が成立していないんです。
こういう名義預金が相続税の税務調査では必ずチェックされるんですね。慣れた税理士は調査の対象になることを知っているので、名義預金の存在の有無を相続人に聞くんですけど・・・。経験の浅い税理士だと名義預金が重要であることを知りません。何故なら「名義預金」のように実務的なことは税理士試験の受験勉強では出てこないんですね。
さらに、名義預金については相続人が
1. その存在を知らされていないケースと
2. 相続人が名義預金の存在を知っていてもなんとかなると思って、我々税理士に教えないケースがあります。
実情としては、相続財産の全てを知っているのは被相続人(このケースではおじいちゃん)だけで、自分の財産をいちいち家族(推定相続人)に教えてはいないと思います。みなさんも、自分の財産のすべてをいちいち家族に教えていないと思います。会社でも個人でも事業をやっている人は帳簿を付けますが、個人が自分の相続のために、帳簿や財産明細を付ける義務は無いですし、必要もないのです。ですから、相続税の申告で財産の記載漏れがあるのもやむを得ないケースだってあります。
税金は、最高でも7年で時効になりますが、名義貸しには時効が無いという解釈で、税務署員は対応して来ます。実際に名前を貸した孫が、自分の預金であることを知らなくては時効で争うのは難しいですね。良いことではないので、マネはしないで欲しいのですが、おじいちゃんが、孫に「預金を贈与」して孫は受諾したけれど、贈与税の申告をしないでとぼけていて7年間経過すれば時効が成立します。これは名義預金とは明らかに違いますよね。でも、そういうことはやめましょうね。もちろん脱税になりますし、7年間びくびくするのは身体に良くありませんから。この孫が、子どもでなく大人であっても預金名義が自分になっていることを知らなくては、後から自分のものだと主張するのは難しいですよね。このおじいちゃんは生前贈与で、相続税対策をしようとしたのかも知れません。でも「名義預金」で贈与を否認されては元も子もありません。もちろん「名義預金」とされずに孫の預金とすることが可能です。私が代表を務める「みらい会計税理士法人」は相続税対策を得意としています。簡単なことは無料で相談をお受けします。まず気軽にお声をかけて下さい。