年内にやっとけばよかったことベスト3<今年こそはやりましょう!>
税務ニュース
はじめに
毎年3月15日は個人の確定申告期限です。昨年1月1日から12月31日までの1年間における所得を計算し申告をします。申告をされるほとんどの方が2月3月に悪戦苦闘しながら対応されていらっしゃるのではないでしょうか。また所得が確定するということは納税額も確定するということですので予想もしない税額に頭を抱える方もきっと多くいらっしゃることでしょう。今回は「年内にやっとけばよかったことベスト3(今年こそはやりましょう!)」と題して一年間の申告を終える今だからこそ来年の申告に向けて今年やっておくべきことについて考えてみたいと思います。
年内にやっておけばよかったことベスト3
早速ですが第3位!…「保険料控除」です!
保険料については契約の内容ごとに一定額が所得から控除されます。生命保険であれば最大12万円まで控除が可能です。また地震保険も控除の対象となっておりこちらは5万円まで控除可能です。
続いて第2位!!…「iDeCo」です!!
iDeCoは将来の年金を自ら積み立てて作り上げる制度です。メリットはいくつかあるのですが大きな一つが掛け金が所得控除できるという点です。毎月の上限額は職業などでいくつかのパターンがあり一般的なものでは自営業者は月額6.8万円まで、サラリーマンは月額2.3万円まで(一部除く)などとなっております。
最後に第1位!!!…「ふるさと納税」です!!!
ふるさと納税は自分の故郷や応援したい自治体など、好きな自治体を選んで寄付ができる制度のことです。この制度のメリットは大きく2つ。一つは寄附のお返しに様々な返礼品をもらえること、もう一つは上限額までの寄附の実質負担は2,000円であることです。つまり寄附の上限額まではいくら寄附しても負担は2,000円であり、かつ様々な返礼品をもらうことができるわけです。こちらは上記2つの控除と違って所得によって上限額が決まってきます。
いつからはじめればよいか
これらやっておけばよかったことベスト3はいずれも年内に支払った額が対象になりますので早く始めれば始めるほど効果があるのです。「去年やっておけばよかったー」と思った今だからこそ始めるときなのです。
iDeCoは毎月払いですので1月に始めれば12か月分が対象になりますが駆け込みで12月に始めてもその年分の効果は1か月分です。保険料も月払いであれば同様です。寄付金は唯一駆け込みでも対応可能ですが返礼品の時期が重なって冷凍庫がパンパンになるなどのプチトラブルもよく聞きます。
いずれにしても善は急げ、確定申告を終える今だからこそ始めたいベスト3なのです。
もう少しだけポイント解説
保険料控除は大きく生命保険料控除と地震保険料控除に分かれます。そしてそれぞれ12万円と5万円が控除上限です。合わせて最大17万円の控除が受けられます。地震保険料控除はその年に支払った地震保険が上限まで丸々控除されるためシンプルです。一方で生命保険料控除は少し複雑です。具体的には「生命保険料控除」「介護医療保険控除」「個人年金保険料控除」の3つに分類されそれぞれで最大4万円、合計で12万円控除できるということです。最大限の控除効果を得るためには生命保険の種類を吟味する必要があります。生命保険ですので一度かけ始めると長期にわたって払い続けることと思います。制度をかしこく利用することでメリットを継続的に受けることができるでしょう。
iDeCoの注意点は初期手続きが少し面倒なところです。どこの金融機関を窓口とするか、どの商品にするか、掛け金はいくらにするかなど自由度が多い分、決めなければいけないことが多く煩わしく感じてしまう方も多いでしょう。またサラリーマンの方は勤め先に証明書を書いてもらうという必要もあります。これらの煩わしさを乗り越えることが最大のポイントです。
ふるさと納税は自らの上限額を知っておくことです。最近ではいろんなサイトでシミュレーションが可能ですのでぜひ計算してみてください。サラリーマンであれば源泉徴収票、個人事業主であれば直近の確定申告書を準備して計算してみましょう。所得や家族構成、住宅ローン控除の有無など様々な要素で上限額が変わります。
最後に
これらベスト3の効果はどれも大きくないとめんどくさがってやらない方もまだまだ多いのですがどれも効果が何十年も続くものと思えば今の一回だけの煩わしさは受け入れられるのではないでしょうか。はじめる一番の近道はすでに始めている詳しそうな人のまねをすることです。ぜひ今年こそはどれか一つでもやってみて1年後「やっておいてよかったー」と思いましょう!
ABOUT執筆者紹介
税理士 小嶋純一
大学卒業後、税理士法人中山会計にて代表社