オワコンでは無い!いまこそ取り組みたいビジネスブログ、その役割とSEOの変化
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ブログの持つ意義とビジネスへの効果
ビジネスにおいてブログが持つ重要性は計り知れません。筆者は、2006年頃から複数のブログを運営しており、ブログを通じて数多くの仕事を受注してきました。いまもなお、ブログがビジネスの中心であることは間違いありません。
ビジネスブログの構築方法を教える講義や書籍の執筆、オンラインサロンの運営も手がけてきましたが、その中で多くのクライアントの皆様が、ブログを通じて顕著な成果を上げているのを目の当たりにしています。仕事の受注のみならず、テレビ出演、新聞、雑誌、大手メディアへの掲載、出版に繋がった事例などさまざまです。
これらの経験からも、ブログの力と効果には確信を持っています。
Webマーケティングにおいてブログが時代遅れ(オワコン)ではない理由
「ブログはオワコン(終わったコンテンツ)」という意見は過去10年以上にわたって幾度となく聞かれてきました。新たなWebメディアが生まれる度、Googleの検索アルゴリズムが更新される度に、そのような意見がSNSを駆け巡るのを見てきていますが、それは大きな誤解です。
- 世界中の19億の Webサイトのうち6億以上がブログです。
出典: https://webtribunal.net/blog/how-many-blogs/ - インターネット ユーザーの77%がブログを読んでいます。
出典:https://www.socialmediatoday.com/news/the-benefits-of-blogging-20-stats-business-owners-need-to-know-infograph/511816/ - ブロガーの80%が、ブログが結果につながると報告しています。
出典:https://www.orbitmedia.com/blog/blogging-statistics/ - さらに、2023年から2027年にかけて、世界のコンテンツ マーケティング業界は5,840億2,000 万ドル成長すると予想されています。
出典:https://www.reportlinker.com/p04793441/Global-Content-Publishing-Market.html
さまざまな統計からもわかる通り、ブログは相変わらず元気です。いえ、むしろ更にその重要性を高めていると言えるでしょう。
実際、ブログはWebマーケティングにおいて今でも非常に重要な位置を占めています。ビジネスブログの運営は、ソーシャルメディアを通じて新たなユーザーにあなたのビジネスを知ってもらうためにも大きな役割を果たします。新しい記事を投稿するたびに、X(Twitter)、Threads、Facebook、Instagram、LinkedIn、Pinteresなどのソーシャルネットワークで共有できる魅力的なコンテンツが生まれるのです。これにより、まだあなたのビジネスを知らない新しい視聴者にリーチすることができます。
ブログはオムニチャネル必須の時代、その中心、ハブとしての役割を担うのです。
マーケティングハブとしての役割を果たすブログは、常に更新され、新鮮な情報を提供することで、Webサイトの全体の評価を高める効果もあります。そして、生成AIの活用により、これまで以上に効率的、効果的にブログを運営することが可能になっているのです。
SEOにおける誤解
ブログがオワコンと誤解される一因に、SEO(検索エンジン最適化)の変化があります。古いSEO手法が通用しなくなったことで、ブログを書かなくなったブロガーも少なくありません。彼らがソーシャルメディア等で、「ブログはオワコン!」と叫ぶ姿をよく目にすることから、そのような言説が浸透してしまうのかもしれません。
確かにSEOは複雑化していますが、現在においても上位表示は十分に可能です。「個人や小規模事業者では上位表示は不可能!」と言う人もよく見かけますが、そんなことはありません。
かつて、日本ではGoogle の検索エンジンの仕組みの穴を突くSEOの手法「ブラックハットSEO」が「SEO」だと認識していた人が多く存在しました。今でもそのように誤解している人は少なくないでしょう。しかしながら、ブラックハットSEOはアルゴリズムが進化した今は、ほとんど通用しません。検索エンジンのガイドラインを遵守し、ユーザーファーストなSEOに取り組めば、個人でも法人でも上位表示は可能なのです。
確かにSEOにおけるブランドの重要性も増しています。ブランドがあれば、悪影響を及ぼすコンテンツを生む可能性が低いと検索エンジンは知っているのです。その点で大企業や、大規模サイトが有利だと見られている面もありますが、個人でもブランドを立てることは可能ですし、世の中には大企業に所属していないブランド構築された個人、Webサイトなどはたくさん存在します。
Googleはサービス開始当初から一貫してユーザーファーストの姿勢を崩していません。リンクスパム、不正なリダイレクト、隠しテキスト、隠しリンク、自動複製コンテンツ、キーワードの乱用など、ブラックハットSEOが封じられ、時代に合わせたSEOの変化が起きているだけなのです。
変化に合わせて適切に運用すれば、未だブログは検索エンジンからトラフィックを集める、重要で有力なツールのひとつであることは間違いありません。
生成AIの進化により、ブログのコンテンツ制作の負担はかなり軽減された
さらに、ChatGPTのような生成AIの登場により、ブログのコンテンツ制作は以前に比べてより容易になりました。AIが生成するコンテンツを下書きや記事構成の素材として活用することで、効率的に高品質なコンテンツを作成できるようになっています。もちろん、AIが生成したコンテンツをそのまま投稿しても評価は得られにくいため、著者自身の経験や専門性、権威性、信頼性を加えていくことが重要です。しかし、記事構成や表現について悩んだ際の相談相手として、生成AIは大きな助けとなります。
まとめ
ビジネスにおけるブログの価値は、その存在自体にあります。SEOの習得と実践は時間を要する作業ですが、SEOに取り組む時間が無くとも、ブログの価値が失われるわけではありません。上位表示されなかったとしても、オムニチャネルのマーケティングハブとして、ビジネスやブランドの中核をなす基盤として、しっかりと機能します。特に指名検索時には、ブログは最初の接点として活用しやすく、ビジネスの信頼性と評判を構築する上で大変有益なツールです。
ブログは、今日のビジネス環境においても欠かせないものだと、筆者は確信していますし、まだその利益を享受できていない方々へ、これからも伝え続けていきたいとも思っています。
ビジネスブログは情報提供の手段を超え、ブランド構築や信頼性の強化、さらには新規顧客獲得のチャネルとしての重要な役割を担える存在です。まずはブログを持ち、高品質なコンテンツの提供に挑戦してみてください。正しい努力は必要ですが、きっとあなたのビジネスの成長に寄与してくれることでしょう。
ABOUT執筆者紹介
Webメディア評論家 落合正和
Webメディア評論家/Webマーケティングコンサルタント
株式会社office ZERO-STYLE 代表取締役
一般財団法人 モバイルスマートタウン推進財団 副理事長兼専務理事
SNSを中心としたWebメディアを専門とし、インターネットトラブルやサイバーセキュリティ、IT業界情勢などの解説でメディア出演多数。ブログやSNSの活用法や集客術、Webマーケティング、リスク管理等の講演のほか、民間シンクタンク(日本観光推進総合研究所 所長)にて調査・研究なども行う。
<著 書>
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