【文具ライター推薦】文房具も環境にやさしいサステナブルなものを選ぼう
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普段使うものだからこそ環境にやさしい商品を選んだり、捨てずに使い続けたりと、個人でもできる「サステナブルな取り組み」が重要視されています。文房具業界で環境へ配慮した「サステナブルな商品」に注目が集まっています。「サステナブルな商品」とは、持続可能な社会を実現するため生産から販売、破棄までのサイクルを通して、環境や経済などに配慮している商品のことです。そこで今回は、今注目の最新のサステナブルな文房具をご紹介します。
CO2排出量を48%削減できる「バイオチューブ搭載サラサクリップ」
筆記メーカーのゼブラから、環境配慮したジェルボールペンの「バイオチューブ搭載サラサクリップ」が8月1日に発売しました。ペン本体、替芯、替芯のパッケージにまで環境配慮したジェルボールペンです。ゼブラは1997年からボールペンの本体に再生プラスチックを使用することで環境に配慮した商品作りを進めてきましたが、さらなる環境貢献のため、インクを入れる替芯の材料も環境対応することと、ユーザー1人1人が替芯交換をして1本のペンを長く使ってもらうことが必要だと考え、環境対応した替芯「バイオチューブ」を開発しました。
替芯のインクチューブにサトウキビ由来のバイオマスプラスチックを使用し、材料となる植物が育つ過程でCO2(二酸化炭素)を吸収します。従来のサラサクリップを6本使用した場合とバイオチューブ搭載サラサクリップ1本+バイオチューブJ F芯5本を使用した場合で比較すると、環境配慮ボールペンを使用した時は、CO2排出量を48%削減できるため、地球環境の維持に貢献できます。
「バイオチューブ搭載サラサクリップ」のボール径は0.5mm。軸色は、写真左からオーシャンブルーグリーン、アースブルー、ウォータークリアーの3色はインク色が黒、一番右のサンライズコーラルはインク色が赤です。値段は132円(税込み)です。従来のサラサクリップと同じ書き心地で環境にも配慮したペンです。
替芯の「バイオチューブJF-0.5芯」も同時に発売開始。ボール径は0.5mm、1本パックの値段は110円(税込み)で、5本パックの値段は550円(税込み)です。インク色は左から黒と赤の2色です。パッケージは再生紙40%使用の紙製なのもポイント。サラサクリップの書き味そのままに環境へ配慮できるのでサラサクリップユーザーの方や環境保護を意識する方におすすめのペンです。
端材をアップサイクルした「革のホッチキス」と「木のホッチキス」
マックスの環境に配慮したサステナブル文具シリーズ「Re:max(リマックス)」から、「革のホッチキス」「木のホッチキス」が6月25日に発売されました。マックスのホッチキス本体カバーでは「革」と「木」素材が初めて使われています。「革のホッチキス」は、カバン産業が盛んな地域の兵庫県豊岡市にて、カバン制作を行うMaison Defとの共同企画で誕生しました。カバンの制作過程で出る端材を使用し、Maison Defの熟練された職人の技術によって、一つひとつ手作業で製品が作られています。
革はKOBE LEATHER®︎や、Maison Defが常時使用している良質なトリヨンレザー(牛革)が使われています。カラーはビビットな色合いが特徴のオレンジ、ブルー、グリーン、イエロー、ベージュ/ホワイトの5色展開です。値段は11000円(税込み)です。
「木のホッチキス」は、木工産業が盛んな地域である岐阜県高山市にて、木材を活用したアイテムを制作するkochiと家具を制作する木と暮らしの制作所との共同企画です。家具の制作過程で出る端材を使用し、kochiの職人が手作業でホッチキスの本体カバーを制作しています。木材は飛騨高山の森から採れた広葉樹で、職人が一つひとつ丁寧に仕上げたことにより、木の温かみが感じられる質感が魅力です。
木のホッチキスはヤマザクラ、クリ、クルミ、ブナの4種類の樹種から選べます。天然木を使用している為、一つひとつ色合いや木目が異なるので自分だけの1点ものを探す楽しみもあります。値段は5500円(税込み)です。「革のホッチキス」「木のホッチキス」共に使うことで風合いがでる商品なので、プレゼント用としても人気です。環境への配慮だけでなく、地域産業の活性化を目指した新しいコンセプトのホッチキスです。
シャープ替芯の詰替用が爆発的ヒット
三菱鉛筆のシャープ替芯「uni(ユニ)」は、こすれにくくノートや手を汚さない(※)「密着芯」と、シンプルで使いやすいケースデザインが特長で2021年の発売以降の人気商品です。シャープ替芯はプラスチック製ケースの使い捨てが主流ですが、ケースに関して「もったいない」「環境にもっと配慮したものがほしい」といったユーザーの声も多く、サステナブルに使い続けられる「替芯ユニ カラーケース」が登場しました。
※ 皮脂量や水分量の多寡、接触の強弱により汚れ抑制結果に差が出ます。
シャープ替芯はHBやBなどの硬度によってケースの色が決まっていますが「替芯ユニ カラーケース」は、芯径・硬度の表示がなく、シンプルなデザインになっています。購入時には0.5mmのHBの芯が入っていますが、使い切った後は自分の使いやすい芯径や硬度に詰め替えて使い続けられます。値段は220円(税込み)で、カラーはアクア、ピンク、ホワイトの3色です。ペンやノートなどの他の文房具とも合わせやすい色合いになっています。
「替芯ユニ カラーケース」と合わせて使いたいのがユニ 詰替用です。4回分の替芯が使えるユニ 詰替用をさらに使いやすくした「ユニ 詰替用 S」が新たに登場しました。2回分の詰め替えができるのでさらにコンパクトサイズで、芯本数が25%増量されているのでお得感もあります。封緘シールを1枚ずつ剥がして、詰替用パッケージから直接シャープ芯を取り出すことで、ケースへの詰め替えもとても簡単です。
パッケージにはリサイクルの仕組みが確立されている段ボール素材が採用されているのが特徴です。厚さ4mmのスリムな段ボール板材にシャープ芯を収容されています、使用後は資源ごみ(古紙・段ボール)として出すことで回収・再利用されます。芯径は0.3mmと0.5mmの2種類、硬度はHBとBの2種類で合計4種類をラインナップ。値段は440円(税込み)です。詰め替えることにより本体ケースを捨てずに繰り返し使うことができるので、シャープ芯における新しいサステナビリティの形です。
使い終わった後の分別まで簡単にできるリングノート
マルマンの「COCOCHY(ココチィ)」は、使う人と環境にやさしいサステナブルなリングノートです。表紙・扉・本文のすべての紙が「FSC®認証紙」が使われています。そして表紙は、プラスチック代替素材として開発された「FSエリプラ+」が採用されているので、水や油に強く多少の汚れならサッとふき取ることができます。本文にはなめらかな書き心地のマルマンオリジナル筆記用紙が使われています。ウラ抜けしにくく、なめらかな書き心地なので普段使いにぴったりなノートです。
「COCOCHY(ココチィ)」の裏表紙には、リングからノートの表紙と本文を取り外せる「リング開き」のパーツが付いているのが特徴です。「リング開き」のパーツはミシン目が付いているので簡単に取り外せ、折りたたんで使用することができます。ノートの最終ページを開いて「リング開き」をリングに差し込みノートを押さえて一気に手前にひくとリングが開きます。
広げたリングの隙間から表紙と本文を抜き取れば簡単に分別ができます。リングノートはリング部分の素材によって、ノートの本文とリングを分ける捨て方が必須になるので、ノートを使い終わったら分別廃棄が簡単にできるのが「COCOCHY(ココチィ)」の魅力です。
表紙のカラーはカラフルなグレー、ライトパープル、ライトブルー、ライトグリーン、イエロー、ライトオレンジの全6色。大きさはB5サイズとA5サイズの2サイズ展開で、B5サイズの値段は330円(税込み)で、A5サイズの値段は275円(税込み)です。値段も手に取りやすい価格に設定されているので、サステナブルな文房具を使い始めるのにおすすめの1冊です。
日常に少しずつサステナブル商品を取り入れよう
文房具業界でも「プラスチックの使用量削減」や、「繰り返し使用できるもの」の提案。そして廃棄されるはずのモノに、デザインや新しい機能などに新たな付加価値を持たせて再利用する「アップサイクル」に取り組む動きが数多くあります。商品の機能性だけでなく、環境に配慮し長く使える商品がたくさん登場してきました。最初は値段が高くなかなか手が出せないこともありましたが、最近は価格も大分抑えられています。毎日使うものだからこそ、サステナブルな商品を選び「持続可能」な未来につなげる1歩を踏み出してみませんか?
ABOUT執筆者紹介
文具ライター やまぐちまきこ
人気サイト「フムフムハック」の編集長。手帳やノート、ペンなどの文具を中心とした情報を発信中。雑誌やWEBで文具ライターとしても活躍しており、「NIKKEIリスキリング」で文具記事を連載中。ラジオにも多数出演し文具情報を紹介している。