02 September

老舗高級海苔店が、自社システムから「販売王」に乗り換えたワケとは?

掲載日:2022年09月02日   
みんなの経営応援通信編集部

増辰海苔店直売所で商品を持つ増田専務

インボイスのニュースが話題になる中で、新しい販売ソフトをお探しの方も多いのではないでしょうか? 販売管理ソフトは企業の業態や規模によって必要とされる機能も様々で、価格帯も幅が広いため、迷ってしまわれる方も多いのではないかと存じます。今回は、東京・九段に店舗を持ち、埼玉県吉川市に工場を構える株式会社増辰海苔店の専務取締役・増田貴彦様に、「販売王」の導入経緯や使用方法についてお伺いいたしました。

本物の美味しい海苔を提供する老舗の強み

「増辰海苔店」の歴史は100年以上!

株式会社増辰海苔店の創業は1914年(大正3年)で、既に創業100年を数えています。私の祖父が東京・九段に店舗を構えたのが始まりで、現在は私の兄が3代目社長を受け継いでいます。工場を埼玉県吉川市に移したのは1991年(平成3年)で、今の工場は2012年(平成24年)に建設しました。工場傍に直売所を開設するなど、時代の流れと共に変わりながら、様々なお客様にご愛顧いただいております。

卸売から小売への変化を

当初は海苔の2次問屋さんや米菓業者さんへの卸売業が中心でしたが、今から約30年前に九段本社ビル1階に新店舗を開設してから小売業への業態転換を進め、現在では売上のほぼ9割が小売となりました。残りの1割の現在の卸売先は、米菓業者さん・ラーメン屋さんなどですね。
実店舗やネットショップでの販売だけではなく、公民館や展示場で行われる催事での出店販売の反響も大きく、売上全体の約3割にまで成長しました。海苔は冬が旬ですから、その頃は特に繁忙期で、土日のほぼ全てが催事で埋まっています。大規模な展示場でのイベント出店に加え、取引先米菓業者さんの催事への出店、また自社で梅干し屋さんやお茶屋さんなどの業者さんを集めて自社独自で企画・開催するイベントは非常に好評で、多くのお客様に足を運んでいただいております。

増辰海苔店九段店

高級海苔をリーズナブルに提供できる強み

増辰海苔店の大きな強みは、良質な海苔をリーズナブルにお届けできることです。各産地で開かれる入札会に直接足を運んで仕入れた「良い」海苔を直接消費者にお届けするので、中間でかかるコストをカットできます。また、スーパーなどで取り扱う海苔は必要量を確保できることが最重要ですから、質が良い海苔でも少量では商品化できません。しかし、うちの場合は、少量だけど良質な海苔など、出会った海苔から新たに商品を開発したり、小回りの利いた仕入、商品開発ができるので、量販店では出回らない良質な海苔をそれも安くご提供できるのです。

様々な商品でお客様の心をつかむ

海苔は形も変えにくく、変化をつけるのが難しい食品ですが、増辰海苔店では工夫を凝らしてさまざまな商品展開を行っています。ランクを日用品から特上品までそろえているのはもちろん、味付け海苔や刻み海苔、やぶれや穴があるために安く買えるお得な品も扱っています。
通常の海苔で特に人気なのは、工場直売から生まれた「金辰」です。全型10枚4袋分をひとまとめにした商品で、歯切れが良く味の乗った有明産海苔を厳選して使用しています。いわゆるワンランク上のご普段使い商品なので、お土産として購入する方も多いですね。

「味のりシリーズ」が大人気

ラインナップの中でも特に人気の商品が、江戸風イラストが円柱形のパッケージにあしらわれた「味のりシリーズ」です。独特の風味で人気№1の「青とび(黒海苔に青海苔を混ぜたもの)」、おつまみにぴったりの「わさび」、甘酸っぱい「梅」など、6種類の味(とうがらし味のみ夏季限定)を揃え、幅広い層からご愛顧いただいています。私たちの顧客は年配層が中心ですが、この「味のりシリーズ」はお子さんや若い方からも反響があり、普段は海苔をあまり食べない層にもご購入いただいている印象です。

増辰海苔店 味のりシリーズ

海苔の自動販売機に大反響!

コロナ禍では、店舗は短縮営業の実施などでほとんど営業できない時期が続きました。お客様も対面での購入に不安を覚えていたので、これを解消する手段として自動販売機を直売所前に設置しました。海苔の自動販売機は珍しいですから話題にもなりましたし、お店が閉まっている時間でも販売ができるので、お客様も店側も助かります。たとえば先日のお盆休みは直売所が休みでしたが、その期間も自動販売機を通して購入されるお客様がたくさんいらっしゃいました。

販売王の導入経緯

消費税切り替えで乗り換えを検討

「販売王」を導入したのは、2021年の2月です。それまでは、知人のシステム会社に開発してもらった自社システムで販売管理を行っていました。
消費税率変更やWindows10への対応のタイミングで改修を依頼したら、想像よりも見積もりが高く、数百万円になりました。他社に見積もりを取っても同じくらいの価格で、さすがにもう少しコストを抑えたいと考えて、切り替えるための業務ソフトを探し始めたんです。また、依頼先のシステム会社は個人で行っているようなところだったので、その方が引退したらサポートしてもらえなくなるかもしれない、という不安もありました。

自社システムから「販売王」へ切り替え

他社のもっと価格帯が高いソフトも検討して、体験版を使って情報収集しましたが、最終的に「販売王」に決めたのは、比較的安価でコストパフォーマンスがとても良いことと、「会計王」との連携ができるという点です。
これまで自社用にカスタマイズされたシステムを使っていたので、乗り換えにあたっては、かなりの思い切りが必要でした。もしかしたら不足な点が出てくるかもしれないと思い、4か月ほど二つのシステムを同時並行して使っていました。けれど、思ったよりも困ることもなく、時期を見て完全移行いたしました。

増辰海苔店 増田専務とインタビュアー2ショット

業務ソフトならではの使いやすさ

意外だったのは、以前の自社システムよりも「販売王」の方が使いやすかった点です。以前依頼していたシステム会社は業務ソフト専門ではありませんし、ささいな点で使いにくさを感じることが多かったんです。ただ、それを改善するとなるとお金がかかりますし、「少し使いにくいけど我慢すればいい」で済ませてしまいがちでした。
「販売王」を使った時、「使いやすい」という感想を覚えましたね。様々な方が使っている業務ソフトだから、使いやすく設計するノウハウがあるのだろうと感じました。

サポートセンターには大満足!

導入時はサポートセンターに何度も電話して質問しましたが、オペレーターの皆様のレベルが高いことに驚きました。出る方全員が知識も豊富で、こちらが「何をしたいのか?」をすぐに察してくれるんです。
また、こちらの要望に応えられなかった場合でも、「このやり方は出来ませんが、代わりにこんなやり方がありますよ」と代替案を用意してくれます。ですから、これまで通りの業務フローができなかったとしても、「販売王」に合わせて業務フローを変えていけば、特に問題なく進められると感じました。

ネットショップ専門の管理ソフトも併用

弊社ではyahoo!、楽天、Amazon、自社サイトと様々なECサイトを通じて販売しているので、ネットショップに特化した別の管理ソフトを併用して使っています。そのデータを販売王に取り込んで、最終的に全体を管理しています。
全てを「販売王」で管理したいですが、そこは難しい点もありますね。ただ、自社システムよりはコストパフォーマンスは良いですし、現状で不足は感じていません。

増辰海苔店ネットショップ

消費税やインボイスにもしっかり対応

インボイス対応も「販売王」にお任せ

「販売王」に替えたことで感じたメリットのもう一つは、何もしなくても最新の税制に対応してくれることです。自社システムを使っている場合、こちらから消費税の変更に対応してほしいと連絡し、見積もりを取って……という過程が必要でした。しかし、「販売王」は保守サービスに入ってさえいれば、常に最新税制に対応した最新のソフトが使えます。これまで使っていた自社システムと比較すると、非常に助かった点です。
来年の10月からインボイス制度が始まりますが、それについても「販売王」が対応してくれるでしょうから、特に何も心配していません。もともと弊社は消費者の方への小売中心でインボイスを必要とするお客様が少ないこともあり、適格請求書発行事業者の登録をする以外のインボイス対応は、現状では行っておりません。

MoneyLinkの便利さも実感!

「会計王」への取り込みを行っているのは入金データだけですが、簡単で使いやすいですね。さらに便利なのはMoneyLinkで、いったん設定すれば、全ての銀行口座の入出金データを自動で取り込んでくれるのは大変助かります。現在、入出金があったら各銀行からFAXで知らせてもらうサービスを利用していますが、これもそろそろ必要なくなるんじゃないか、と考えるほどです。

増辰海苔店 海苔の自動販売機

取材を終えて

一世紀以上の歴史を持つ老舗ながら、様々な商品展開を行ったり、自動販売機を設置したり、ネットショップにも力を入れたりと、時代に即して変化してきた増辰海苔店さん。併設の直売所も撮影時に見せていただきましたが、非常に様々な商品が並んでおり、お客様もしばしば訪れていました。私も一番人気の「青とび」味のりを購入させていただきましたが、本当に美味しくて手が止まらなくなり、もっとたくさん買ってくればよかった!と後悔するほどの絶品でした。
(ソリマチ取材班)

ご協力いただいた会社

会社名 株式会社増辰海苔店
創業 大正3年4月
本拠地(営業所・工場) 埼玉県吉川市栄町83
九段店 東京都千代田区九段北4-1-10 九段ビル1F
ホームページ https://mastazhonten.jp/
電話番号 048-982-1627
事業内容 海苔の卸・製造・販売
営業時間 吉川工場直売店/10:00~16:00(24時間購入できる自動販売機あり)
九段店/11:00~16:00
定休日 吉川工場直売店/日曜日・祝日
九段店/土曜日・日曜日・祝日
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