01 April

中小企業が利用する租税特別措置

掲載日:2018年04月01日   
税務ニュース

租税特別措置には様々なものがありますが、一般的に、その多くは産業政策等、特定の政策目的を実現するために、特定の条件を満たした者の税負担を軽減することにより経済活動を誘導する手段とされています。

その租税特別措置の適用実態を明らかにし、その効果を検証する仕組みとして、「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」が制定されており、毎年、財務省はこの法律に基づいて「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書」を取りまとめ、国会に提出しています。
現在開会中の国会にも、平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に終了した事業年度または連結事業年度において適用を受けた法人税関係の特別措置について、「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書」が提出されています。

報告書によると、適用額明細書を提出した法人数は1,182,897法人で、適用件数は法人税関係の特別措置82項目について延べ件数で1,833,213件となっています。
資本金別の適用件数は、資本金1,000万円以下の法人の適用件数が最も多く1,423,639件となっており、所得別では、100万円超800万円以下の所得の法人の適用件数が579,060件で最も多く、中小企業者等の適用が多くなっています。
適用件数を個別措置でみると、「中小企業者等の法人税率の特例」が最も多く888,592件、次いで多いのが「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」で510,262件となっています。

「中小企業者等の法人税率の特例」は、中小企業者等の各事業年度の所得金額のうち、年800万円以下の金額について、本則の軽減税率である19%が15%に軽減される制度です。また、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」は、中小企業者等が取得価額30万円未満の減価償却資産を取得などして事業の用に供した場合に、一定の要件のもと、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができる制度です。

いずれの制度も中小企業者等の事業活動を税制面から支援する政策税制ですが、適用件数が多いことから幅広く利用されていることがわかります。

お客様満足度No.1・法令改正に対応した財務会計ソフト「会計王」はこちら

  • おんすけ紹介ページ

Tag

最新の記事

2025年09月17日農林水産物輸出拡大の展望と税制
2025年09月16日青色申告の提出書類、何がある?個人事業主の確定申告で必要なものを解説
2025年09月15日【2025年度(令和7年度)税制改正】個人事業主はいくらまで稼げば無税?知っておきたい非課税の上限
2025年09月12日経営相談の現場から[シリーズ第15回]いつまでたっても起業に踏み出せない
2025年09月10日押さえておきたい重加算税実務の背景
人気記事ランキング
2025年04月23日 特定親族特別控除とは?大学生が150万円まで稼いでも63万円控除できるの?扶養控除との違いや課税リスクも解説
2025年07月10日 定額減税、まだ終わってない?2025年度(令和7年度)住民税の決定通知書で確認すべきこと
2021年11月22日 共働き夫婦の子供はどちらの扶養? 令和3年8月からの健康保険の新基準を解説します。
2024年03月01日 結局、一番得する社長の役員報酬額はいくらなのか!?
2024年10月30日 なんでうまく充電できない?USBケーブルと充電器のトラブル
2024年05月08日 交際費等から除かれる飲食費が「1万円まで」に!損金算入の要件と中小企業への影響を解説
2022年08月24日 【インボイス制度】登録されているか確認する方法&公表サイトではどんな情報が公開される?
2024年04月05日 フリーランス・クリエイターが立替払いした交通費等は源泉徴収が必要?
2024年10月23日 【インボイス】消費税の2割特例、こんなはずでは…ありがちな誤解を4つ解説
2023年03月17日 自己株式を取得する際の税金について-所得税、法人税、贈与税の各税金を確認する-

カテゴリ

お問い合わせ

お問い合わせ

当サイトへのお問い合わせはこちらよりお願いします。