12 June

中小企業が取り組みたいWebメディア戦略とは?計画から実行までの流れを解説

掲載日:2023年06月12日   
IT・ガジェット情報

Webメディア(オウンドメディア)で集客したいと考えている中小企業の担当者の方は、戦略を立てる重要性について認識することが大切です。集客においては、コストを抑えて多くの顧客を呼び込む必要があります。特に中小企業は大企業と比べて予算の面で制限が大きいため、適切に戦略を立てたうえで集客を行うことが重要です。

そこで今回は、中小企業が取り組みたいWebメディア戦略について、計画立案から実行までの流れについて解説します。

中小企業のWebメディア戦略とは

中小企業のWebメディア戦略は、オウンドメディアによって集客し、製品・サービスの購入につなげるというものです。

オウンドメディアとは、主にGoogle検索において特定のキーワードで検索したユーザーに対して自社のコンテンツを表示させ、そこから製品・サービスの問い合わせや購入ページへ誘導するメディアのことです。

ユーザーが求めるであろう情報を発信し、Google検索結果に上位表示させることでメディアへの流入を狙います。

Webメディアの成功にはGoogle検索結果への上位表示が必須

クリックの度に課金されるリスティング広告とは違い、Webメディアを作成したからといって必ずしも流入があるとは限りません。上位表示できなければアクセスが全くない状況が続く恐れもあります。

上位表示されるかどうかには、以下の要素が関係しています。

  • ドメインの運用歴
  • 被リンクの数(他のサイトからリンクされること)
  • 被リンクの質(悪質なページ、スパムによるものではないか)
  • コンテンツの充実度
  • コンテンツ作成者や運営者の権威性
  • コンテンツの専門性
  • コンテンツの信頼性
  • ページの読み込み速度

ユーザーにとって有益なページを上位表示するため、上記のほかにも唯一無二のコンテンツや体験談、インタビュー記事などは高評価を受ける傾向があります。

中小企業がWebメディア戦略を選ぶべき理由

中小企業は、莫大な広告予算を持つ大企業に勝つことが難しいとされています。Webメディア戦略であれば、工夫次第で大きな売上につなげることが可能です。

中小企業がWebメディア戦略を選ぶべき理由について詳しくみていきましょう。

コストを抑えて集客できる

オウンドメディアは比較的低コストで運営できるため、予算の制約がある中小企業にとって効果的な集客手段です。リスティング広告やディスプレイ広告は、表示回数やクリック数などに応じて課金されるため、予算が尽きれば配信ができなくなります。

オウンドメディアは、上位表示されたコンテンツから継続的にユーザーが流入するため、コストを抑えて集客できます。

資産として残る

リスティング広告やディスプレイ広告は、配信中にのみ効果を発揮する集客方法です。一方、Webメディアは一度上位表示されたら簡単には順位が落ちないため、継続的にユーザーの流入が期待できます。つまり、企業の資産として残り、継続的に利益を生み出してくれるのです。

ブランド認知度が高まる

オウンドメディアで自社の専門知識や情報を発信することで、ブランド認知度を高めることができます。良質なコンテンツを発信し続けることで業界内での知名度を高まり、競合他社との差別化につながります。

顧客と信頼関係を構築できる

オウンドメディアを通じて提供する情報が有益であれば、ユーザーとの信頼関係が構築されます。ユーザーは、製品・サービスがニーズにマッチしているかどうかだけではなく、企業が信頼できるかどうかも踏まえて購入を検討します。

中小企業のWebメディア戦略の立案から実行までの流れ

中小企業のWebメディア戦略は、適切な戦略を立案し準備を整えたうえで開始することが大切です。準備が不十分な状態で開始すると予算を無駄に消費してしまい、Webメディア戦略を断念せざるを得なくなる恐れもあります。

中小企業のWebメディア戦略は、次の手順で進めましょう。

1.目標の設定

目標の設定はWebメディア戦略の出発点です。目標は以下の要素を踏まえ、具体的に設定しましょう。

・月間のウェブサイト訪問者数の増加率やリード数の増加率といった定量的な数値目標を立てる
・企業の広告戦略やブランド戦略の目標と一貫性を持たせる
・短期から長期まで目標達成期間を設定する

2.ターゲットの特定

自社の製品やサービスに関心を持ち、潜在的な顧客となり得る特定のターゲットを選定します。このターゲティングにミスが生じると、どれだけ良質なコンテンツを配信しても製品・サービスの購入にはつながりません。

マーケット調査のうえ、顧客のニーズや傾向、行動パターンを理解し、ターゲットを明確化させることが重要です。また、顧客の属性や行動パターン、興味関心に基づいて、異なるセグメントに分け、ターゲットに合わせたコンテンツやメッセージを提供する準備を整えましょう。

3.コンテンツ戦略の策定

次にコンテンツ戦略を策定します。ブログ記事、動画、ガイドなど、ターゲットに有益で興味を引くコンテンツを考案します。また、業界のトレンド、問題解決、情報提供など、ターゲットが価値を感じるテーマを選びましょう。

そのうえで、コンテンツを配信するスケジュールを立てます。

4.コンテンツを作成する

社内ライターがコンテンツを作成する、もしくは業務委託の社外ライターや制作会社などに依頼します。ライターを新たに雇用する場合、採用コストと継続的な人件費が発生するため、なるべく社外人材を活用した方がよいでしょう。

ただし、依頼の際はコンテンツのテーマだけではなく、コンテンツの目的や目標数値、必ず含めたい内容などについて十分に共有することが重要です。

5.コンテンツの知名度を高める

良質なコンテンツを作成したら、次にそのコンテンツを効果的にプロモーションしましょう。ターゲットが利用していると考えられるFacebook、Instagram、LinkedIn、TwitterなどのSNSにコンテンツを配信します。

また、メールマガジンの購読者に向けて配信するのも1つの方法です。定期的に業界ニュースやトレンド情報を配信することで信頼関係が高まり、製品・サービスの新規購入や追加購入につながりやすくなります。

6.成果の測定と改善

コンテンツを配信して満足するのではなく、必ず効果を測定しましょう。問題点にいち早く気づき、必要に応じて戦略を変更します。Googleサーチコンソールを利用すると、どのキーワードで平均何位の順位を取れているのか、どれだけ表示されたか、アクセスがあったかなどを確認できます。

また、Googleアナリティクスを使えば、コンテンツにアクセスしたユーザーの行動の追跡も可能です。そのほか、ヒートマップツールを使用して、ユーザーが熟読している箇所やコンバージョンリンクに興味を示しているかなどを確認し、クリエイティブを調整するヒントを得るとよいでしょう。

7.コンテンツの継続的な作成&リライト

まずは50記事を投稿して放置、100記事投稿して様子を見る、といった戦略を取る企業は少なくありません。しかし、Webメディアが長期にわたり更新されない場合、Googleからの評価が低下する恐れがあります。そのため、失敗に早期に気づくためにも、月数本のコンテンツをコツコツと投稿することをおすすめします。

また、作成したコンテンツの成果を確認し、必要に応じてリライトしましょう。リライトとは、コンテンツ内の文章を削除・追加・編集し、より良いコンテンツへと進化させることです。Webメディアは一気に予算を投入するのではなく、少しずつ育てるイメージを持ちましょう。

また、リスティング広告やディスプレイ広告など他の集客方法も実施し、効率的に集客することが大切です。

まとめ

中小企業がWebメディア戦略に成功すれば、多くのリードや売上を得ることができます。ただし、上位表示されたコンテンツはGoogleアルゴリズムの大幅な変更や良質な競合コンテンツの登場などにより順位が下落する可能性があります。定期的にコンテンツの質や新鮮度を見直し、リライトすることも重要です。

まずは、Webメディア戦略が自社に適しているかどうかを検討することから始めましょう。

ABOUT執筆者紹介

加藤良大

フリーライター
ホームページ・ブログ

歴11年フリーライター。執筆実績は23,000本以上。
多くの大企業、中小企業のWeb集客、メディア戦略に関わってきた。主な領域はITや不動産、医療、美容、税務・会計、法律などだが、ジャンルを問わず対応できる。

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