01 September

パート従業員の雇用保険加入 | みんなの経営応援通信 - 経理や経営に役立つ情報が満載

掲載日:2016年09月01日   
社会保険ワンポイントコラム

今回は意外と判断が難しいパート従業員の雇用保険加入について触れていきたいと思います。

対応する保険の種類

従業員の労働保険(労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険の総称)については、労災保険は正社員・パートタイム労働者(以下パート従業員)の区別なく、役員等を除く全員が適用(被保険者)となります。被保険者となるに際して個人毎の手続きは必要ありません。しかし、雇用保険については、主に「働く時間と雇用期間」によって被保険者となるか否かが異なります。被保険者となる主な基準は1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ、雇用される期間が31日以上見込まれる場合となっています(65歳以後に雇用される者、4ヶ月以内の期間を予定して行われる季節的事業の被雇用者、船員保険の被保険者、退職手当等受給者、法人役員、勤労学生等は加入対象外)。

加入対象者の判断

上記のように働く時間と雇用期間によって雇用保険に加入するか否かが決まりますので、いわゆる正社員であれば「入社=雇用保険加入」ということで手続きを行います(正社員の大半は1週間の所定労働時間は20時間以上であり、雇用される期間についても定めがないのが一般的なため)。

しかし、パート従業員については個別の判断が必要になります。それは、雇用保険の加入の基準である「働く時間」が固定していない場合が多いからです。パート従業員は所定労働日や所定労働時間が「シフト」によって決められる場合が多く、閑散期では雇用保険の基準には満たないが、繁忙期では基準を満たす場合があるからです。このような方の判断はどのようにすればよいのでしょうか。一般的には入社時に締結する「労働契約書」の内容を基本にすべきと考えます。契約締結時点で加入要件を満たしている場合は、入社と同時に雇用保険の加入手続きをとるべきでしょう。

途中で労働時間が変動した場合

パート従業員が入社時点で基準を満たし雇用保険に加入した場合でも、シフト等によって労働時間が加入の基準から外れることがあります。この場合、条件から外れるのが一時期のみであれば、加入は継続させるのが一般的です。しかし労働時間が恒常的に減少し、基準から外れるのが常態化した場合は、その時点において資格喪失手続きを行います。雇用保険加入の基準を満たしているか否かについて定期的に見直すことが必要でしょう。

給付における注意点

雇用保険における給付は働きながらもらう「雇用継続給付」や「教育訓練給付金」などがありますが、一番知られているのは退職後にもらえる基本手当(失業手当)でしょう。この基本手当は退職までの被保険者期間が自己都合の場合は12ヶ月以上、会社都合の場合は6ヶ月以上あることが原則ですが、パート従業員の場合は注意が必要です。それは、上記の被保険者期間の1ヶ月としてカウントされるためには賃金支払いの基礎となった日数が1賃金支払対象期間(1回の給与における計算期間)のうち11日以上あることが必要ということです。パートの場合は月によって勤務日が少ない月もありますので、勤務はしていても1ヶ月としてカウントされないこともあります。

65歳以上の入社も対象に

現在は入社時に65歳以上の方は雇用保険の適用除外ですが、法改正により平成29年1月1日以降、65歳以上の雇用者についても雇用保険の適用対象となります(当初は加入のみで雇用保険料はかかりません)。また、平成32年度からは64歳以上の方についての雇用保険料の徴収が始まります。

雇用保険は基本手当(失業手当)の関係で、資格を取得するとき(入社時)よりも資格を喪失するとき(退職時)の方が問題となりやすいのです。パート従業員の方でも基準を満たした際には資格取得手続きすることを忘れないようにしましょう。

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