有給休暇の取得義務化でどう変わる?どう変わった??
社会保険ワンポイントコラム
平成31年4月1日より、働き方改革関連法が順次施行されています。
とりわけ中小企業において最も影響が大きいのは、有給休暇に関することではないでしょうか。日本の有給消化率は世界各国と比較しても、著しく低いと言われています。2016年に行われた28ヶ国を対象とした有給休暇の取得率に関する調査でも、日本は最下位となっています。休みを取らない(取れない)理由として、「緊急時のため」、「人手不足」、「休みをとりずらい雰囲気」といかにも日本的な理由が上位を占めています。また厚生労働省の発表によると、2017年の有給休暇の取得率は49.4%となっており、労働者の約半分が有給を取得していないです。ここ10年は50%を下回る水準で推移しています。
このような状況にもかかわらず、使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日、時季を指定して有給休暇を与える必要があります。これまで有給休暇を消化できている企業においては、特に意識することもないかもしれません。ところが、体育会系のモーレツ企業にとっては、死活問題になりかねません。
徐々にではありますが、そのような風潮は変わりつつあります。長時間労働が評価されていた時代もありましたが、今は違います。長時間労働=能力不足と捉えられます。無駄な業務の見直しや人材の配置転換、ITシステムの導入などにより有給休暇の取得促進や長時間労働の是正に向けて取り組んでいる企業が増えています。はたまた、夏季休暇に有給休暇を組み合わせることで長期休暇とし、旅行に行ったり趣味に没頭したり。「有給を消化しろ!」と掛け声だけではなかなか難しいこともあるかと思います。バースデー休暇等、独自の休暇制度を設けて休みを取りやすい雰囲気を醸成していく方法も有効かもしれません。ワークライフバランスという言葉もあるように、休暇を有効に使うことで心身ともにリフレッシュして仕事に取り組み、より効果的に成果を上げることにつなげようと取り組んでいる企業は今後ますます増えていくことでしょう。
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