令和三年の改正にどう対応する?「電子帳簿保存法アンケート集計結果」
みんなの経営応援通信編集部
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電子帳簿保存法を知っていますか?
ソリマチでは、ユーザー様宛にメールマガジン「会計・実務情報通信」を定期配信しています。「会計・実務情報通信」2021年8月2日号・2021年8月16日号にて、令和4年から制度が変更になる電子帳簿保存法に関するアンケート調査を掲載し、延べ75名の方からご回答をいただきました。
以下では、その集計結果について、ご報告いたします。なお「複数回答可」とある設問は複数の選択肢を選択できる形式で、それ以外は一つの選択肢のみを選択する形式です。
「少し知っている」「知らない」が全体の8割以上を占めました。前回行った「インボイス制度」についてのアンケートでも、「インボイス制度について知っていますか?」という設問を用意しましたが、そちらと比べて「知らない」という回答がかなり多くなっています。
「電子保存にもスキャナ保存にも対応していない」が半数を占める結果となりました。Q1の回答と合わせて考えると、電子帳簿保存法についての世間の関心はまだまだ薄いようです。
なお、「電子帳簿保存に対応している」は二割という結果になりました。青色申告の65万円控除などのメリットを考慮すると、想像よりは少ない印象です。
こちらも「特に対応は行わない」が五割弱です。ただし、「改正に伴って電子帳簿保存に対応する」「改正に伴って、スキャナ保存に対応する」がそれぞれ三割程度(複数回答可のため、両方にチェックをつけている方がいる可能性もあります)のため、対応を行う方もそれなりにいるようです。
「既に対応している」は非常に少数で、やはり改正後の電子帳簿保存方法に対応している事業者は少ないのが現状です。
第一位は「保存場所の省スペース化が可能だから」で、四割弱でした。意外な結果ですが、書類の保存場所は想像以上に事業者を悩ませているようです。
第二位は「作成・照合が簡単で業務効率化につながるから」、第三位は「青色申告の65万円控除など税制上の優遇措置があるから」です。逆に「コスト削減になるから」「データ共有がスピーディーだから」は低い数字が出ていて、メリットを感じている方は少ないようです。
「電子保存には取りくんでいない・わからない」を除いた第一位は「電子帳簿保存法の保存要件を満たすのが難しい」でした。第二位は「電子化でかえって手間がかかり、業務効率が悪くなる」、第三位は「電子データに対応していない取引先が多い」でした。
電子帳簿保存法の要件は徐々に緩和されてきていますが、要件を満たすために苦労している現状があるようです。また、取引先とやり取りする書類の電子化は自社内で完結することができないため、その部分でも問題が生じているようです。
電子保存について、やはり事業者は様々な悩みを抱えているようです。「メリットがわからない」という辛辣な意見も一部に見受けられました。
まとめ
紙から電子の移行にしたがって手間やコストがかかることは事実です。現状では紙の書類よりも余計に効率が悪くなってしまうケースもあるかもしれません。ただし、社内承認や取引先とのやり取りも電子データで行えるようになれば、大きな業務効率化が見込めます。電子保存普及を促す法整備の動きを見るに、電子保存のメリットは今後さらに大きくなっていくものと思われます。
DX office Labでは、令和3年の改正を含めた電子帳簿保存法についての情報を随時発信しております。電子保存対応を行う上で、少しでも役立てていただければ幸いです。
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