10 November

[起業応援]「大切なのは人と人のつながり」設計で人と地球環境に優しい未来をデザインする

掲載日:2021年11月10日   
起業応援コラム

ryugon Villa Suite

現在起業を考えている方は、どのように起業したらよいか、どんな問題があるのか、など様々な不安があると思います。そこでこれから起業する人を応援するためプロジェクトを立ち上げました。起業したてのユーザー様にインタビューさせていただき、役立つ情報をお伝えしていきます。

このシリーズの第5回は『蘆田暢人(あしだ まさと)建築設計事務所』です。千葉大学の講師も務める代表の蘆田暢人様に、起業に関するお話を伺いました!(インタビュー担当)

起業の経緯を教えてください。

「ものづくり」から設計士の道へ

子供の頃から図工やプラモデルが好きで、「将来はものづくりがやりたい」と考えていました。高校生の時に進路について考えた際、「建築設計」という職業を知りました。良いもの、面白いものを自分で考えて作り出す仕事は魅力的だし、人々の生活に密着する建物にも興味があった。よし、将来は設計士になろう、と考えて、京都大学の建築学科に進みました。
当初から起業を見据えて、就職先にはアトリエ事務所(建築家個人の作家性を強く反映した設計を行う設計事務所の通称)を選びました。2008年の建築士法改正で、設計事務所開設には一級建築士の取得後に三年の実務経験が必要となった関係もあり、独立したのは就職から十年後です。

開業資金は渋谷区の融資から

起業前に働いていた設計事務所で渋谷の再開発に関わっていましたので、渋谷がどうなっていくのかを見つめたい、と考え、渋谷にオフィスを構えました。
開業資金は自己資金(貯金)の200万円、渋谷区から受ける創業支援資金の400万円で用意しました。渋谷区は創業支援に力を入れている印象で、そちらにも助けられました。

蘆田暢人

独立して三年は苦しい時期

設計士は実績こそが営業ツールですから、起業したてが一番苦しい時期です。その頃は、前職時に知り合った方やその知人から、仕事をいただくことが多々ありました。紹介が紹介を呼んで、ようやく経営が軌道に乗ってきたのは独立から三年後です。その時の経験で「人と人のつながりが一番大切」と強く実感しましたね。

「色んな場所で色んな建物」という貪欲な夢

独立したら、「どのような設計事務所を目指すのか」を決めなくてはいけません。地元の個人住宅をメインに手掛けるとか、飲食店を数多く担当しているとか、特定の分野に特化した方が顧客にアピールしやすい。でも、僕は幅広い設計を手掛けたかったので、そういった営業戦略はあえて選びませんでした。さらに、地元だけではなく日本全国の案件を担当したい、とも考えていました。
現在、その目標は実現していると思います。不思議なことに、「こういった案件を担当したい」と願っていると、本当にそういった仕事が舞い込むんです。たとえば「そろそろ海外で仕事がしたい」と考えた途端に、海外の案件が来たり。スピリチュアルな意味ではありませんが(笑)、願えば実現する、人間の想いにはそういうパワーがあるのではないかと感じています。

会計・経理について

起業当時から税理士と二人三脚

実は、売上の少ない創業1年目から税理士を付けていました。融資について相談できるプロに付いてほしかったし、会計を外部に任せた方が仕事に専念できると考えたからです。その税理士さんから「会計王」を勧められて導入し、ずっと使っています。現在は人数も増えてきたので、別のスタッフが経理を担当しています。

蘆田暢人 インタビュー風景

利益のために、経費は適切に使う

設計事務所は仕入れがほとんどありませんので、もっとも大きな経費は「人件費」です。人件費は時間と比例しますから、設計事務所としては「節約」=「作業の効率化」という図式が成り立ちます。
ただ、節約し過ぎると経営面でマイナスになることもあります。わかりやすい例としては、コンペティション(以下、コンペ)ですね。複数の設計者が案を出し、一つが選ばれて受注する案件です。コンペの準備に時間をかけても、選ばれなければ実入りはゼロです。効率化を考えると、コンペにチャレンジしなければいい、という結論になります。ですが、コンペをやらなければ、いつまでも大きい案件は回ってこない。コンペへのチャレンジでスタッフや自分のスキルも上がる。だから、お金をかけるところにはかけないと、事業は大きくならないと感じます。

持続可能な社会を建築で目指す

ENERGY MEETの創業

2012年、設計事務所の開設と同時に、友人のオオニシタクヤと共に「ENERGY MEET」を立ち上げました。「エネルギーをデザインする」というテーマで、エネルギーの問題に取り組む会社です。21世紀初頭から、ヨーロッパでは化石燃料から自然エネルギーへのシフトが早くから重要視されていましたが、日本ではその動きが鈍かった。しかし2011年の東日本大震災で原発事故が起こり、日本でも太陽光などのクリーンエネルギーが一気に注目されました。さらに、タイにいたオオニシが日本へ帰国することになり、ENERGY MEETを立ち上げるのは、このタイミングしかないと決断しました。

NEST

「建築」から「エネルギー」を考える

どんな建物も電気設備を大量に備えていますから、エネルギーがなければ建物は成立しません。しかし、建築業界にエネルギーをどのように作るべきかと考える風潮はほとんどなく、おかしいと感じていました。友人のオオニシとは時々それについて話し合っていて、ENERGY MEETの構想へ発展していきました。
ENERGY MEETの活動は海外も含めて多岐にわたっていますが、国内では主に、地方自治体と協力して自然エネルギーと共存できる街づくりを行っています。たとえば原発は街から離すのが普通ですが、太陽光パネルなら街中にも置くことができる。他に川を使った水力発電や、伐採した木を使うバイオマス燃料などを使う選択肢もありますね。そのように、エネルギーを作る場所と人々が共存できる街を作り上げていきたいです。

利益以上の価値を見つめる

ENERGY MEETの海外活動は、依頼を受けるのではなく、自らプロジェクトを作り出すことが多いので、資金も自身で集める必要が出てきます。国や自治体の補助金を取りに行くことが多いですね。
ただ、資金源は大切ですけれども、ENERGY MEETは社会貢献を第一としています。自然エネルギーは非効率的だ、という意見もありますが、経済性と効率性のみを追求したのは戦後日本の失敗だった、と僕は考えています。とにかく儲かればよいという姿勢は、人の居住性や街の持続可能性を考慮していない。僕たちが目指すのは、そこに住んでいる人たちが自然エネルギーと末永く良い関係を築ける設計です。そうしないと、数十年後にあちこちに太陽光パネルの残骸が転がっている、そういう惨状になりかねませんから。

コロナ禍の経営について

企業案件の多くがストップ

正直なところ、コロナ禍ではかなりの痛手をこうむりました。ENERGY MEETで手掛ける海外プロジェクトが全てストップしましたし、設計事務所の売上も3割減になりました。コロナ禍で新規事業に乗り出す企業が減って、設計のニーズも減りました。苦しくてもスタッフの雇用は守らなければなりませんから、経営的にも大変でした。

街のモデル

リモートワークの広がりで変わる住宅

しかし、企業案件が減った代わりに、個人住宅の案件は増えました。リモートワークの広がりで都心のマンションを離れて郊外に家を建てる方が増えたからです。当事務所の案件は法人と個人が6:4の割合ですが、コロナ禍後は逆転して4:6になりました。
自宅で働くのであれば、多少お金をかけてでも快適でリフレッシュできる空間を設けたい、と考える方が増えてきたように思われます。企業オフィスも、最近はリモートワークでデスクの数が減って、ゆとりを持たせた空間になってきました。withコロナ時代に合わせて、建物や設計も変わってきています。

起業を考えている方へ、一言

一つの建物を建てる時には、設計事務所の他にも、お金を出す施主、工事を行う施工会社、現場で働く職人、法令を司る行政や審査機関など、非常にたくさんの人が関わります。設計とは、それらの声を聴きながら一つの方向へまとめあげていく仕事です。それぞれがそれぞれの立場で物を言いますから、こちらも相手の立場に立って話す必要があります。一種の「翻訳」を行う感覚に近いですね。
そうやって全ての方を尊重して仕事をしていれば、自然と良いご縁に恵まれ、起業後も声がかかる設計士になれるのではないか、僕はそんな風に考えています。

蘆田様とインタビュアー オフィスで

ENERGY MEETなど、蘆田様はグローバルな視点でSDGs的な活動にも取り組み、地球の未来を考えている経営者でした。ですが、インタビュー中はざっくばらんにお話いただき、楽しく穏やかな時間を過ごすことができました。(インタビュー担当)

ご協力いただいた会社

会社名:株式会社蘆田暢人建築設計事務所
蘆田暢人建築設計事務所 ロゴ設立:2012年2月20日
所在地:東京都渋谷区猿楽町2-12 相野谷ビル301 <map>
HP: http://www.ashdaa.com/
TEL:03-6427-4932
事業内容:
・建築の計画、設計、監理
・土木及びランドスケープの計画、設計、監理
・地域計画及び都市計画の立案並びに調査
・インテリア及び家具類のデザイン
・前各号に付帯関連する一切の事業

「株式会社蘆田暢人建築設計事務所」様お使いのソフトはこれ! 

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