消費税率の引上げにかかる経過措置の取扱い
税務ニュース
国税庁は「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて(法令解釈通達)」と「消費税法改正のお知らせ」を公表しました。
法令解釈通達は、前回平成9年に消費税率が3%から5%に引き上げられた際に発遣された通達とほぼ同様の内容となっており、経過措置が適用される取引の意義や範囲が明らかにされています。
一方、「消費税法改正のお知らせ」では、消費税率の引上げや、直前の課税期間の確定消費税額が48万円以下でも任意の中間申告が可能になったこと等の周知を図っています。
現行 | 平成26年4月1日~ | 平成27年10月1日~ | |
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消費税率 | 4.0% | 6.3% | 7.8% |
地方消費税率 | 1.0% (消費税率の25/100) |
1.7% (消費税率の17/63) |
2.2% (消費税率の22/78) |
合計 | 5.0% | 8.0% | 10.0% |
また、8%への引上げ後においても改正前の税率(5%)が適用される主な経過措置の概要を、下記の9項目について図示し説明しています。
(1) 旅客運賃等
(2) 電気料金等
(3) 請負工事等
(4) 資産の貸付け
(5) 指定役務の提供
(6) 予約販売に係る書籍等
(7) 特定新聞等
(8) 通信販売
(9) 有料老人ホーム
例えば、住宅の取得等、高額であることから影響が大きい「(3)請負工事等」の経過措置については、5%から8%への税率引上げにかかる経過措置の指定日(平成25年10月1日)より前に契約を締結しているのであれば、平成26年4月1日以後に建物等の引渡しがあっても、5%で課税されることが示されています。
また、これらのほかにも、消費税の円滑かつ適正な転嫁等への取組として対策が講じられていること(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shouhizei/index.html)が記されています。
なお、消費税率の引上げは、経済状況等を総合的に勘案し、引上げの停止を含め所要の措置を講じるとされており、秋頃までには正式に決定されるものとみられます。