01 June

2019年3月期からの所得拡大促進税制

掲載日:2019年06月01日   
税務ニュース

法人税関係の税制改正項目というのは「税制改正年度の4月1日以後開始する事業年度より適用する」と定められるケースが多いため、実務上は前年度の税制改正項目に対応していくこととなります。今回は、「平成30年度」税制改正項目で大きく変更があり、かつ中小企業の皆様に適用できる可能性の高い「所得拡大促進税制」についてご紹介いたします。
昨年度までの制度説明については今回は割愛させていただき、新制度のご紹介のみとさせていただきます。新制度のポイントは【1】前期との賃金比較で判定する点と【2】教育訓練費等により税額控除額がさらに増加するという2点です。

まず【1】の賃金比較ですが当期給与総額(役員及び役員と特殊の関係のある者並びに使用人兼務役員に対するものを除く)が前期給与総額を上回っていること、さらに前期と当期の2年度で最初から最後まで在籍している雇用保険被保険者の給与の増加率が1.5%以上であることが要件となります。この2点の要件を満たすことで総額給与増加額の15%を法人税額から控除することができます。(法人税額の20%を上限とする。)
次に【2】の教育訓練費です。こちらは【1】の上乗せ措置という取り扱いとなります。ここでいう教育訓練費とは「従業員の職務に必要な技術又は知識を習得させ、又は向上させるために支出する費用」をいいます。これが、前期と比べて10%以上増加していることが要件となります。(【1】の賃金増加率が2.5%以上増加していることも同時に満たす必要があります。)これらを満たすことにより法人税の控除額は25%に増加します。(法人税額の20%を上限とする。)
当該制度を受けるためにはあらかじめ比較対象者を把握しておき総額での比較を可能にしておくこと、教育訓練費の集計を行うため経費の拾い出しができるように準備しておくことが求められます。制度説明、準備をお伝えすると多少面倒くさく感じるかもしれませんが、該当される会社様も多く控除額も大きくなるケースもありますので中小企業の皆様におきましてはぜひご検討ください。

以上、なるべく簡潔にお伝えするためにいくつか省略させていただいた点がございますので下記を併せてご確認いただいて今後の申告に生かしてください。

・青色申告書を提出する個人事業者も対象となります。
・教育訓練費を満たす以外に経営力向上計画の達成という条件でも対象となります。
・対象となる事業年度は平成30年4月1日から平成33年3月31日(令和3年3月31日)までの間に開始する事業年度です。

ABOUT執筆者紹介

税理士 小嶋 純一

税理士法人中山会計

大学卒業後、税理士法人中山会計にて常務社員税理士を務める。相談しやすさNo.1を体現する税理士として、自社の経営の実践並びにお客様の経営サポートを兼務。M&Aスペシャリスト及びM&Aシニアエキスパートの資格を有し、事業承継の出口をサポートするコンサルティングを15年来推進。保険会社・銀行・商工会議所・各士業等とのタイアップによるセミナーなど全国で多数講演。身近な相談窓口として活動中。

[democracy id=”19″] 

お客様満足度No.1・法令改正に対応した財務会計ソフト「会計王」はこちら

  • おんすけ紹介ページ

Tag

最新の記事

2026年01月19日【インボイス制度】令和8年度税制改正で免税事業者と取引した場合や2割特例はどうなる?
2026年01月16日経営相談の現場から[シリーズ第19回]実録!“普通の経営者”はどこまでAIを使っている?
2026年01月14日【2025年(令和7年)10月改正】資本金3000万円・雇用義務化…「経営・管理」ビザ厳格化とは?実務への影響も解説
2026年01月13日青色申告のメリットは節税以外にも?個人事業主2年目が面倒を減らして得する方法を解説
2026年01月12日還付申告はいつからいつまで?「年収の壁」引き上げの2025年分以降の注意点も解説
人気記事ランキング

まだデータがありません。

カテゴリ

お問い合わせ

お問い合わせ

当サイトへのお問い合わせはこちらよりお願いします。