17 February

SNSマーケティングの始め方と最初に意識しておきたい3つの要素

掲載日:2023年02月17日   
IT・ガジェット情報

総務省が発表した「令和2年通信利用動向調査の結果」によると、令和2年の国内SNS利用率は73.8%、この数字は年々向上しています。10代から40代においては80%を超えており、いまやSNSは人々の生活に欠かせないインフラと言っても過言ではないでしょう。

それによりSNSは、現代において最も強力なマーケティングツールとなり、企業においてのSNSマーケティングはもはやマストな存在です。

そこで今回は、SNSマーケティングの始め方と、それを成功させるために意識しておきたい3つの要素について解説していきます。

 

最初の一歩、SNS担当者の選任は重要

SNSマーケティングをスタートさせるにあたり、まず必要なのは担当者の選任です。筆者は職業柄、ここの適性を見誤りスタートから躓いてしまった企業を多数目にしてきました。

多くの企業が「パソコンに強い」、「文章力が高い」などの視点で担当者を選定してしまっています。しかしながら、SNSマーケティングは、行動を喚起するコンテンツを通じて、ユーザーに情報を提供し、共感を得て、楽しませる必要があります。

そもそもSNSとは、人と人をつなぐ双方向のコミュニケーションツール。広告媒体とは異なり、ユーザーとのコミュニケーションを通じて、自社のアカウントや投稿を「好きになってもらうこと」が必要です。

そのような理由から、重要視すべきは「共感力」や「コミュニケーション能力」といったスキルでしょう。この適性を見誤ると、いつまで経ってもフォロワーやインプレッション(コンテンツの表示回数)が増えなかったり、共感どころか反感・反発の感情をユーザーに抱かれ、炎上に繋がってしまうこともあります。担当者の選任は最初の一歩であり、最も重要な項目です。慎重に行いましょう。

 

SNSマーケティング 最初に意識しておきたい3つの要素

ペルソナを設定する

最初に意識すべき要素はペルソナ(商品やサービスにおける典型的なユーザー像)の設定です。SNS担当者は、ペルソナを設定することで、ユーザーの興味、価値観、欲求などを深く理解できます。

まずは自社のアカウントを閲覧するであろう、ペルソナを設定しましょう。既にフォロワーが存在するのであれば、SNSに付帯されたインサイトやアナリティクスなどの解析ツールを使って、現在のフォロワーを分析するのも良いでしょう。既に存在している自社の顧客からアンケート調査などを通じて、ペルソナ設定の素材を集めるのも良いでしょう。

ペルソナ設定は、ユーザーに最適化され、共感を得られる優れたコンテンツを生み出すにあたり、必ず必要な要素となります。

SNSプラットフォームの選択

ペルソナの設定により、あなたのコンテンツにリーチするユーザーを把握したら、次に、SNSプラットフォームの選択をしましょう。

筆者も「TikTokってやったほうが良いですか?」、「YouTubeはもう遅いですか?」などの質問をいただくことは多いですが、プラットフォームの選択は流行の度合いや好みで決めるのではなく、設定したペルソナとの適合性、SNS担当者が割けるリソース、動画、画像、テキスト等目的に合ったコンテンツ形式で選択すべきです。

例を上げれば、Tikitokは2022年、6億7200万DLと世界で最もダウンロードされたアプリですが、もし、あなたが60代にペルソナを設定しているのであれば、利用率10%に満たないTikTokを選択するよりも、利用率60%を超えるYouTubeを選ぶべきでしょう。

また、最初からたくさんのプラットフォームに手を出さず、小さく集中して始め、余裕ができれば拡大するという姿勢のほうが、結果に繋がりやすいでしょう。

運用目的の明確化と目標設定

プラットフォーム選択したら、SNSの運用目的を明確化し、具体的な数値目標を設定しましょう。

SNSは運用目的を明確にしないと望む結果は得られません。企業名や、商品、サービスの認知の向上、ブランド構築、商品やサービスの直接的な売り上げ増、Webサイトへのアクセス誘導など、目的によって運用方法は異なり、見るべき指標も変わります。まずはSNSの運用目的、ゴールを明確にしましょう。

運用目的に合わせ、具体的な目標設定も行なっていきます。SNSの指標としてよく知られているのは、以下のようなものです。

  • フォロワー数:アカウントをフォローしているユーザー数
  • インプレッション:投稿がユーザーに表示された回数
  • エンゲージメント:いいね!、コメント、シェア等の総数を、インプレッション数で割った数
  • クリック数:特定の投稿やコンテンツがクリックされた数
  • リーチ:投稿を見た人の総数

このような数値は各SNSプラットフォームに用意された解析ツール(例 Twitterアナリティクス、Instagramインサイト、YouTubeアナリティクス等)から閲覧することが可能です。
運用目的に合った指標から具体的な数値目標を設定していきましょう。

 

SNS運用は機械的な「作業」では成果を得られない

冒頭でも述べた通り、SNSマーケティングはマストという時代です。それにもかかわらず、望んだ結果を得られている企業はごく一部というのが現実ではないでしょうか。

その要因は「こんな時代だから…」、「競合も始めたから…」、などの理由からなんとなくスタートし、深く考えずに担当者を選任して、ユーザー無視の機械的な「作業」による運用になっているからではないでしょうか。SNSは魔法ではありません。運用=結果とはならないのです。

SNSは国民の7割以上が使う必要不可欠なインフラツールです。真剣に向き合えば、それに見合った成果は得られるはずです。ぜひ、今回お伝えしたポイントを意識して、SNSマーケティングで結果を生み出してください。

ABOUT執筆者紹介

Webメディア評論家 落合正和

Webメディア評論家/Webマーケティングコンサルタント

株式会社office ZERO-STYLE 代表取締役
一般財団法人 モバイルスマートタウン推進財団 副理事長兼専務理事

SNSを中心としたWebメディアを専門とし、インターネットトラブルやサイバーセキュリティ、IT業界情勢などの解説でメディア出演多数。ブログやSNSの活用法や集客術、Webマーケティング、リスク管理等の講演のほか、民間シンクタンク(日本観光推進総合研究所 所長)にて調査・研究なども行う。

<著 書>
著者ブログ
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