[起業応援]植物の力はすごい!元作曲家が造園業を起業した理由とは?
起業応援・創業ガイド
起業応援インタビューの第6回は、関東近郊で造園業を営む『もちづき植木』です。音楽業界出身という異色の経歴を持つ代表の望月様に、起業に関するお話を伺いました!
現在起業を考えている方は、どのように起業したらよいか、どんな問題があるのか、など様々な不安があると思います。そこでこれから起業する人を応援するためプロジェクトを立ち上げました。起業したてのユーザー様にインタビューさせていただき、役立つ情報をお伝えしていきます。
起業の経緯を教えてください。
音楽業界で理想と現実に苦しむ
20代の頃は音楽業界にいて、作曲を担当したり、PA(音響)としてライブを手掛けたり、レコーディングでエンジニアをしていました。しかし、仕事となると自分が苦手な音楽も担当しなければいけないのが苦痛で、精神的に追い詰められてしまい、新しい仕事を探さなければいけなくなりました。
そんな折、アルバイトとして造園業の現場で働いた時に、「これだ」としっくりくる感覚があったんです。音楽と造園は無関係に見えますが、「お客様を感動させる」点は同じです。この仕事は自分に合っているかもしれない、その時、そう感じました。
造園業界に飛び込んで腕を磨く
それで、一人親方について技術を学んだ後、とある老舗の会社で働きました。ただ、この業界は良くも悪くも昔の風習が色濃く残っているんです。たとえば理不尽な上下関係とか。お客様も幸せで従業員も幸せ、そういう働き方が出来ないんだろうか?という疑問が生まれて、その理想を実現するため早い段階から独立を目指していました。
軽トラ一台からのスタート
開業資金は自己資金(貯金)のみでしたから余裕がなく、クーラーが壊れている30万円の軽トラでのスタートでした。夏はとても暑くて大変でしたね。道具も潤沢とは言えませんでしたが、「この仕事が終わったら、これを買おう」と、RPGのクエストみたいに持ち物を一つずつ増やしていきました。これが終わったら大きなはしごが手に入る! そう考えると、仕事にもより張り合いが出て頑張れるんですよ。
人と人のつながりに助けられる
開業直後のお客様はご紹介が中心でした。週末に世田谷区と大田区の小学校のサッカースクールのコーチをしていたのですが、その生徒の親御さんがお客様を紹介してくれたり、前職の繋がりで仕事を頼まれたりしました。
独立一年目から三年目までは売上が同じくらいでしたが、今は法人とも契約があり、約40棟のマンションの緑地管理を手掛けています。現在は手一杯な状態ですが、それでもお客様は「手が空くまで待つよ」と言ってくださっていて、本当にありがたい限りです。
事業拡大について
技術と同じくらい「挨拶」が大事
順調に仕事が増えたのはコミュニケーションを大切にしていたおかげではないか、と自分では思います。特に集合住宅で作業する場合は、住人の方にきちんと挨拶するよう心がけています。この業界は技術が大事ですが、それだけではありません。人に会ったら挨拶する、ミスはきちんと謝る。当たり前ながらすごく難しいことで、それができる方は信頼されてお客様も増える。そんな風に感じています。
単価はお客様が決めるもの
「単価を上げたい」は経営者に共通の悩みですが、単価を決めるのは会社ではなくてお客様ですよね。単価アップが上手くいくケースの大半は、お客様が前回より高い単価を提示してくれる、というものです。「もっと(値段が)高くていいんじゃない?」と言ってくださるお客様もいるんですよ。お金以上に、ご満足いただいていることを感じられて嬉しいですね。
ですから、初めての依頼は安い金額でも断らないことにしています。ご満足いただければ単価は自然と上がっていくでしょうし、知らない方と出会える喜び、新しい庭を手掛ける喜びも、私が受け取る対価だと感じますから。
大手企業からの信頼を勝ち取る
法人契約しているうちの一社は、日本でもトップクラスの大手企業で、独立直後から良くしていただいております。大手だけに要求も高く、たとえば剪定や掃除の完成度、施工写真や報告書なども一ミリ単位の要求でした。最初は他の仕事ができなくなるくらいのプレッシャーもありましたが、いつのまにかそれがスタンダードになり、次第に任される案件も大きくなりました。今では「モッチー」なんてフレンドリーに呼んでもらえてます(笑)。会社を育ててもらったお取引様なので、とても感謝しています。
順調にスタッフも増員中!
実は独立した年の終わり頃から、友人たちに仕事を手伝ってもらっていました。ミュージシャンとか芸人とか自由業の友人が多くて融通が利きましたから、その点は幸運でしたね。
また先日、ハローワークで一名採用をして、今月から働いてもらっています。彼は造園業未経験ですが、生け花の先生の資格を持っていて植物の知識が深く、将来は独立したいという夢を持っています。そういう魅力溢れる人と一緒に働きたいですし、ぜひともうちから独立してほしいですね。
会計・経理について
経理は全て「会計王」で!
会計ソフト導入にあたっては、某大手会計ソフトと「会計王」の二択で悩みました。私は情熱溢れる松岡修造さんが大好きなので、それが「会計王」を選んだ決め手です(笑)。
導入してみて、想像以上に簡単でびっくりしました。ポチポチと入力しているだけで決算書までできてしまうのですから。税理士のお客様にわからないことを聞いたりもしますが、基本的には決算まで自分で担当しています。
造園業にかかる意外な経費とは
業界外の方には意外かもしれませんが、造園業で一番大きな経費は枝の処理費です。案件によっては何トンと出ますから、処理場まで運ぶためのガソリン代もバカにできませんし、処理費用そのものも高額です。
実行している経費節減策は、何でもかんでも自分たちでやることですね。外注すると、どうしてもお金がかかってしまいますから。たとえば枝の処理も、自分たちで全て枝を運ぶことで多少は安くすることができますし、先ほどの経理・決算も自分で担当することで節約につながります。効率的な経営を心掛けているので、現状で無駄はないと感じています。
コロナ禍の経営について
庭いじりに目覚めるお客様も
コロナ禍の影響は、売上一割減程度です。在宅勤務で時間があるから、今年は家族で庭の手入れをするよという方もいらっしゃいました。お客様が造園に興味を持つのは嬉しいことですし、剪定の方法などアドバイスもいたしますし、依頼が来なくて残念だとは思いません。それ以上にお客様が造園に興味を持つのは嬉しいことです。
四年前にフランス、イタリアにガーデニング修行に二ヵ月行っていたのですが、すべて庭の事などは家の人がやるんですよね。僕らが公共事業だけになったとしても、ヨーロッパの街並みのように町全体、国全体が美しくなる方が素晴らしい事です。
コロナ禍の音楽業界への想い
実は、植物が好きな音楽業の方って多いんですよ。フジロックに出ていたバンドのメンバーにも造園業をやっている方がいて一緒に仕事をしていますし、とある有名アーティストのプロデューサーも植物が大好きで「剪定してる時が一番幸せ。これを仕事にできてホントに羨ましいわ」とおっしゃっていました。私も前職で精神的に追い詰められていた時、この仕事に出会って立ち直れた。それは植物が持つ癒しの力だと思うんですね。
音楽業界は華やかな世界ですけど、精神的に疲れることも多い職業です。だから、たとえばコロナ禍で疲弊しているミュージシャンの方がこの仕事を通じて植物に触れたら、あの時の私のように元気になれるのではないか、もちづき植木がそんな場を提供できたらいいな、とも考えています。働きたい方は、ぜひ当社へお問い合わせください♪
起業を目指す方へ
「シビアさ」と「やさしさ」の両方が必要
経営者には「シビアさ」と「やさしさ」の両方が必要です。たとえば料金を安くするため、事実とは違うことを報告する方も中にはいらっしゃいます。そういう時は臆さず、「これは違いますよね?」と指摘しなくてはいけません。
また一方で、お客様も従業員も許していく「やさしさ」が必要です。誰にでもミスはありますし、経営者はエゴを持ちすぎていてはいけません。また、同業者に勝ちたいという想いが強すぎるのは良くないとも思います。この業界には素晴らしい技術を持った方がたくさんいますから、張り合うのではなく認め合っていくことで可能性が広がるはずです。
今までもこれからも求められる仕事
造園業の未来を悲観する声も一部にありますが、現場にいる私はそんな風には感じませんね。人間には酸素が、つまり、二酸化炭素から酸素を作る植物が絶対に必要なんです。個人邸宅の庭が減ったとしても、街から緑が消えることはないでしょう。いつまでも需要のある仕事ですから、色んな方に造園業の魅力に目覚めていただきたい、そう思っています。
本業はお笑い芸人(!)の従業員兼ご友人(写真では某ミュージシャンのモノマネを披露しています)と一緒にインタビューを受けてくださった望月様は、朗らかで優しい方でした。お客様に愛されるのは高い技術だけではなく、素晴らしい人柄もその理由の一つでしょう。(インタビュー担当)
ご協力いただいた会社
会社名 | もちづき植木株式会社 |
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設立 | 2015年11月28日 |
所在地 | 神奈川県川崎市宮前区野川本町1-33-43 |
ホームページ | http://www.mochizukiueki.co.jp/ |
電話番号 | 044-789-9028 |
事業内容 | 造園業 |
お使いのソフト | 会計王
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取材にご協力いただける方を募集しています
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<要件>起業5年以内でソリマチのソフトを使用したことがある方
(起業から5年以上経過していても起業当時のことをお話いただける方なら歓迎です)
お問い合わせ先 | ソリマチ株式会社 東京本社 TEL:03-5475-5301 |
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受付時間 | 平日9時00分~16時00分 |
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