04 January

1年で大きく進化したChatGPTの最新機能をまとめてチェック

掲載日:2024年01月04日   
IT・ガジェット情報

ChatGPTが公開されて1年が過ぎました。生成AIは以前からは想像もできないほど、強烈なスピードで進化し、雨後のタケノコのように様々なサービスが登場しました。初期のころ、ChatGPTを利用した様々なプロダクトがリリースされましたが、今はそのほとんどがChatGPT単体で実現できてしまいます。

あまりにも状況の変化が速く、情報をキャッチアップするだけでも大変です。しかし、この第4次AIブームには乗り遅れないほうがよいと思います。スマートフォンやインターネットの登場よりも、社会に大きなインパクトを与えるものなので、いち早く触り、生成AIとはなんなのかを理解して、AIスキルを身に付けておくことをお勧めします。

今回は、最新のChatGPTがどうなっているのか、どんなことができるのかをまとめて紹介します。

GPTがどんどんとアップデートされている

ChatGPTは2022年11月にリリースされ、2か月でユーザー数が1億人に達しました。当時は、GPT-3.5のみが利用でき、プロトタイプとして公開されたのですが、それでも人間のような回答をするので注目を集めました。

2023年2月には有料版のChatGPT Plusがリリースされ、3月にはより高性能なGPT-4が有料版に公開されました。その後、ブラウジングやコードインタープリタ、プラグインといった機能が追加されています。コードインタープリタは現在、「高度なデータ分析」という名称に変更されています。ブラウジングは一時期無効化されていましたが、現在では使えるようになっています。

また、ChatGPTは2021年9月までの情報で学習されていましたが、現在は2023年4月までの情報も扱えるようになっています。2023年11月にはUIがアップデートされ、大型の新機能も追加されました。

扱えるトークン量も当初は4Kトークンでしたが、情報は公開されないまま8Kトークンに増え、現在は16Kトークン程度は利用できるようになっています。1万1490トークンある「走れメロス」の全文を入れても、きちんと処理できるのです。

ただし、12月に入り、GPT-4が出力する内容のクオリティが落ちている、と話題になっています。12月はホリデイシーズンなので、働かないことを学習した、といった信じがたい話も出ています。実際の原因は不明で、OpenAIは修正を検討しているそうです。このように、ChatGPTの状況は刻一刻と変化しているのです。

最新のChatGPTをチェックしておきましょう。ログイン画面も刷新されています。

Pythonでデータ処理やプログラムの実行ができる高度なデータ分析

まずは、画面構成をチェックしてみましょう。以前は中央上部にあったGPTの選択スイッチは左上のプルダウンメニューになりました。さらに、高度なデータ分析やブラウジングなどの機能が、「GPT-4」にまとめられました。つまり、メニューを切り替えなくても、プロンプトで「データ分析をしてください」とか「●●をウェブで調べてください」などと指示するだけで動作するのです。そのため、GPT-4を選択すると、プロンプト欄にファイルをアップロードするアイコンが追加されています。

プルダウンメニューでGPTを切り替えます。

ファイルをアップロードし、自在に分析できます。画面は売り上げのファイルを渡し、グラフにしてもらっています。

ChatGPTでDALL-E 3から画像を生成できる

DALL-E 3はOpenAI社が開発している画像生成AIです。以前から単体でサービスを提供しており、マイクロソフトはBingAIチャットに搭載しています。10月のバージョンアップでやっとChatGPTから画像を生成できるようになりました。

例えば「横長のリアルな写真を生成してください。白いウサギが海で楽しそうにサーフィンしています。その後ろにサメの背びれが見えています」のように指示すると、数秒で画像が生成されます。DALL-E 2と比べると画像のクオリティは格段に向上しています。

ChatGPT 4で画像を生成できます。

画像をアップロードするマルチモーダルに対応した

ChatGPTはマルチモーダルに対応しました。画像をアップロードし、その中に写っている内容に対して質問したりできるのです。先ほど作成した画像をアップロードして、何が写っているか聞いたところ、

「画像には、サーフボードに乗って大きな波をサーフィンしている白いウサギが写っています。背景には青くて力強い波があり、ウサギの後ろには鮫の背びれが見えます。このシュールな風景は現実ではなく、おそらくデジタルアート作品またはフォトマニピュレーションの一例です」

と回答してくれました。内容も当たっていますし、リアルな写真ではないことにまで言及されています。

アップロードした画像を元にチャットできます。

ウェブにアクセスして最新情報を取得できる

最新情報を訊ねたり、URLを指定して読み込むように指示すると、ChatGPTがウェブサイトにアクセスして情報を取得します。例えば、今の人口を聞くと、「World Population Clock」のウェブページにアクセスし、人数を教えてくれます。

最新の人口を聞いてみました。

数百のプラグインを利用して他サービスを連携する

様々なクラウドサービスがChatGPTのプラグインをリリースしています。ChatGPTに入力されたプロンプトを解釈し、プラグインの機能を実行してくれるのです。

プラグインストアには大量のプラグインが公開されています。アップロードしたPDFを解析して受け答えができるようにしてくれたり、ウェブサイトやプログラムを作成してくれます。「Zapier」や「食べログ」などのクラウドサービスと連携し、チャットでサービスを利用するものまであります。

プラグインメニューから目当てのプラグインをインストールします。

URLを入力してSEOの観点から分析してもらいました。

ChatGPTの挙動設定を行える「カスタム指示」

「カスタム指示」も有料プラン向けの機能でしたが、現在は無料プランでも利用できるようになっています。メニューから「カスタム指示」を開くと、プロンプトを設定できます。通常のプロンプトに入力してもいいのですが、毎回入力するようなプロンプトがあるなら、ここで設定しておくと手間が省けます。

詳細にわかりやすいように書いてもらうプロンプトを入れています。

チャットのやりとりを専用ページで他の人と共有できる

ChatGPTのプロンプトや出力を他の人に見せたいことがあります。画像で共有するとテキストをコピペできません。とは言え、いちいち、メールなどに貼り付けるのも面倒です。

そんな時は、ChatGPTの右上の共有アイコンをクリックし、チャットごと共有してしまいましょう。ChatGPTではなくオリジナルの画面でチャットを共有できます。現在のところは、DALL-E 3の画像は共有できません。

右上の共有アイコンをクリックするとウィンドウが開くので、「リンクをコピー」をクリックします。

URLを開くと、その会話だけを閲覧できます。

ChatGPTのスマホアプリがリリースされている

ChatGPTの公式スマートフォンアプリもリリースされています。外出先でもChatGPTを利用できるのは便利です。カメラ機能で写真を撮り、何が写っているか聞いたり、英語の文書を要約してもらったりできます。

ChatGPTを騙る偽アプリも出回っているので、必ずOpenAI製の公式アプリを利用するようにしてください。

スマートフォンでもChatGPTを利用できます。

自分だけのカスタマイズChatGPTアプリを作成できる「GPTs」

もっとも大きなインパクトがあるのは、11月に追加された「GPTs」でしょう。これは、ユーザーがチャットで会話しながらChatGPTのカスタマイズアプリを作れる機能です。以前はプログラムで構築し、商用サービスとして提供していたものが、ChatGPT Plusユーザーであれば、ノーコードでサクッと作ってしまえるのです。

すでに、多くの人が作った「GPTs」が公開されています。試しに、筆者が5分で作ってみました。入力されたものをテーマに画像を生成します。その際、ゴッホ調の油絵にしたうえ、署名を入れる、といった処理をしています。

ChatGPT Plusユーザーは以下のリンクから、「GPTs」にアクセスし、使ってみてください。

近いうちに、「GPTs」を販売できるストアもオープンする予定。今後は、便利な「GPTs」を作って稼ぐ人が出てくるかもしれません。

チャットでやり取りしながらオリジナルアプリを作成できます。

筆者が5分で作ったアプリですが、しっかりと動作しています。

以上が、1年間で大きく進化したChatGPTの現在です。テキスト生成のクオリティだけでなく、周辺機能をどんどん充実させているのが凄いところです。ぜひ、ChatGPT Plusを契約し、すべての機能を使い倒してみましょう。

ABOUT執筆者紹介

柳谷智宣

ITライター/NPO法人デジタルリテラシー向上機構 代表理事
ホームページ

1998年からIT・ビジネスライターとして執筆活動を行っており、コンシューマからエンタープライズまで幅広い領域を手がけている。2018年からは特定非営利活動法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を立ち上げ、ネット詐欺や誹謗中傷の被害を減らすべく活動している。

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