03 April

仕事で使えるデジカメテクニック-ワンランク上の撮影術

掲載日:2025年04月03日   
IT・ガジェット情報

誰でも簡単にキレイな写真が撮影できるデジタルカメラ。でもいつも「フルオートモード」で撮影をしていませんか? デジカメをよく見てみると、走る人のアイコンや人物のアイコン、山などの風景のアイコンにお花のアイコンなど、さまざまな撮影モードがあるでしょう。さらに上級者向けには、A、S、M、Bなどのアルファベットのモードもあります。

カメラについている人物や風景、お花のアイコンを持つ撮影モードダイヤル。カメラによっては液晶画面からこれらのアイコンを選ぶことも。いつも緑のフルオートばかり使っていませんか?

おそらくみなさんがいつも使っているモードは、緑の□(四角)やカメラが描かれたアイコンではないでしょうか?

でも料理本に載っている写真のように、メインディッシュだけにピントが合って、グラスや副菜はボケているような写真はオートモードでは撮れません。また小さな商品写真を撮ろうとすると全体にピントが合わず、手前と奥がボケてしまうなんてこともよくあるでしょう。

ここでは、どんな雰囲気の写真を撮るときには、どんなアイコンの撮影モードを使ったらいいかをアドバイスしていきましょう。

キレイな写真には光の当て方も重要です。プロは閃光が走るストロボを使いますが、画面でプレビューするのが難しいので、ここでは撮影用のLEDライトを使うことを前提にしています。

通販向けや切り抜いて使う商品の写真、家電など

【カメラモード】風景モード(またはフルオート)
【ISO番号】AUTO
【ズーム】28~50mm
【ライティング】商品の真上、商品の斜め45度上

風景モードで撮影すると、画面全体にピントが合うように撮影してくれます。なので通販向けの商品撮影には、山のアイコンなどが書いてある風景モードがオススメです。小さいものを撮影するので、お花のマクロモードを選んでしまいがちですが、こちらは周囲がボケやすくなります。

背景から商品までピントが合っている

また注意するのは、ズームの倍率です。28~50mmの間がいいでしょう。これより小さくすると商品が樽型に歪んでしまいますし、大きくするとお花モードのように周囲がボケやすくなります。

「ズームの倍率が小さいと画面一杯に写らない」という場合がありますが、画像編集ソフトで写真を開いてください。撮影される画像サイズは5,000~3,000ピクセルなので、倍率を100%にすれば800×600ピクセル程度の大きさで切り取れるハズです。

背景はできるだけ単色にする。ライトを真上から当てると影がなく立体感のない「いわゆる」商品写真っぽくなる

斜めからライトを当てると立体感を強調できる。ただフツーに撮った写真に近くなる

ポイントは商品を目立たせるため、できるだけ柄のない背景にします。たとえば白い模造紙を机に広げて撮影します。こうすると、カメラが主体の商品と背景を区別しやすくなり、フルオートでもキレイな写真が撮れます。

撮影した画面がザラザラするような場合は、ライトを明るくしたり、ISO番号を1600,800,400,200に下げて撮影すると改善できます。ISO番号を上げると暗い場所でも撮影できますが、その反面画面がザラ付きます。逆に番号が小さいと明るくないと撮影できませんが、画素のキメが細かくキレイな写真になります。

なおライトの位置は、あまり立体感を出したくない(影を落としたくない)場合は、商品の真上から当てます。アクセサリや立体感を出したい場合は、商品の斜め45度上でカメラ側からライトを当てます。こうすると商品の奥側に影が落ちて、立体感のある写真になります。

現場写真、家や間取り、橋・道路などの構造物

【カメラモード】風景モード
【ISO番号】800~3200
【ズーム】35~50mm
【ライティング】なし

屋外での撮影がメインで、工事の作業進行状況や報告書用の写真などは、先の商品写真と同じで風景モードを利用します。主体のモノと背景の区別が付きにくいので、フルオートはオススメしません。また屋外での撮影になるので、ISO番号は明るいところで800、暗いところで3200程度がベストでしょう。

ポイントはズームの倍率で、人間の目で見えるのとほぼ同じに写る35~50mmがベストです。写真を見比べたときの違和感がありません。

最も簡単に現場の写真を撮影できるのは、スマートフォンのカメラ機能です。倍率を「x1」にして撮影すると、スマートフォンの小さいレンズだと、手前から奥までピントが合います。ただ最近のカメラ機能は、撮影後にフィルターで背景をぼかす機能が内蔵されています。このようなときは「フィルターOFF」で撮影するといいでしょう。

現場写真はなるべく人間の目に近い、35~50mmのズームで撮影するといい

同じ場所から17mmで撮影したもの。広さが強調されてしまい、現場に行くと写真より狭いと感じてしまう

室内の写真はさらにズームの倍率が顕著。こちらは15mmで撮影したので、人の目で見るより明らかに広く見える

実際に目で見た感じの50mm。狭く見えるが実際にはこんな感じに見える。間取りや現場の写真は、つい広めに見える低いズームで撮ってしまいがちなので注意

あまりに低いズームで撮影してしまうと、画面の四隅に歪みが発生することも。写真は左右の縦の線が樽状に歪んでいる

屋外で撮影する車やバイク、ベビーカーなどの大型の商品写真

【カメラモード】Av,A
【ISO番号】400~1600
【絞り・F値】そのレンズの最小値
【ズーム】200~300mm
【ライティング】なし

たとえば自動車やバイク、自転車やベビーカーなどを屋外で撮影する場合です。フルオートで撮影してしまうと、主体の商品だけでなく、ごちゃごちゃした背景まで写り込んでしまうので、主体が分かりにくくなります。雑誌や専門サイトの写真を見ると、自動車ははっきり写っているけど、背景はどんな場所で撮影しているか分からないほどボケボケになっているものがあります。

このような写真を撮るには、一部のカメラではお花モードで撮れる場合もありますが、メーカーによって癖があるので「Av」や「A」モードで撮影するといいでしょう。これは背景のぼかし具合を決める「絞り・F値優先モード」と呼ばれるもので、ぼかし具合を固定してシャッターを切る速度を変化させて、ちょうどいい明るさで撮影するモードです。

このモードにしてダイヤルなどを回すと「4」「5.6」「8」「11」「16」というF値が変わります。この番号はレンズによって異なりますが、数値をいちばん小さい「1.4」「2.8」「4」にセットします。

「Av」,「A」(絞り優先)モード+「F値<最小値>」とすると、背景がボケが強い写真が撮れるようになります。

さらにズームはレンズの最大値にすると、よりボケの効果が得られます。望遠レンズがある場合は、付け替えて最大望遠でとると、背景がボケボケになります。

なおカメラの小さなディスプレイで確認すると、全部にピントが合っているように見えてしまうので、倍率100%まで拡大して背景のボケ具合を確認するといいでしょう。

ズーム倍率200mm、F値5.6で撮影したもの。背景が遠くにあると商品だけにピントが合い、手前と背景がボケる

ズーム倍率35mm、F値8.0で撮影すると、背景が遠くに合ってもピントが合ってしまう

ポイントは背景と商品の距離はできるだけ遠くにすることです。たとえばベビーカーを公園で撮るなら、背景の林から5m~10mぐらい離します。車やバイクの場合は、広い河川の公園などで背景を何十メートルも先にするといいでしょう。

ズームは最大値になっているので、主体から数十m離れて撮影するため、撮影していて違和感を感じるかもしれません。しかしプロの現場でも車を撮影するときは、カメラマンどこ?と思うほど遠くから撮影する光景をよく見かけます。

こうして撮影すると「背景はボケボケ」で主体だけピントが合った写真が撮影できます。車両の前~中部はピントが合っていますが、後部が少しボケてしまう場合などは、ズームの倍率を下げて少し近くから撮影するとピントの合う範囲を変えられます。

ズーム倍率50mmでも少し背景がボケた写真を撮れますが、倍率を上げれば上げるほど、背景のボケが激しくなっていくという特性がレンズにはあるのです。できるだけ画面全体のピントを合わせたい、商品写真や現場の写真では、ズーム倍率を35~50mmにしましょう。つまりレンズの倍率が小さいと、画面の手前から奥までピントが合いやすいのです。

お料理の写真を美味しそうに撮る

【カメラモード】お花モード(マクロ)
【ISO番号】400~1600
【ズーム】70~200mm
【ライティング】カメラ側斜め上、湯気を際立たせる場合は料理の背後からもう1灯プラス

美味しそうな料理を撮影するには、お花のマークのマクロモードで撮影します。レンズはマクロモードにする必要はありませんが、できるだけズームで撮影することをオススメします。70mm以上がオススメで、お皿の中の一部分のみにピントを合わせるなら100~200mmがいいでしょう。

マクロモードで撮影すると、お皿に持った料理にはピントが合い、手前の副菜やお皿、奥にあるグラスや背景はボケた写真になります。

お料理は真上から取りたくなるのですが、雑誌のような手前の副菜と背景のグラスがボケた写真は撮れません。

料理撮影のポイントは、テーブルに置いたお皿から45~30度以下の角度から撮影して、手前と奥を強調します。先の車の撮影と同じで、ぼかしたい副菜やグラスは、不自然なぐらい主菜から離すとボケ具合を調整できますし、より自然に写ります。実は写真を撮るときは、不全な配置の方が自然に撮れることがよくあるのです。

お料理の撮影ポイントは、お皿の一部分を切った構図にすること。マクロモードになっていない(フルオートの)場合、カメラはお皿の淵までピントを合わせた写真を撮る

お花のアイコンを選んでマクロモードで撮影すると、料理にピントとが合って、お皿がボケた写真が撮れる

また料理は独特の構図があります。たとえば主菜の1皿を撮る場合、お皿の左右どちらか、もしくはお皿の下を切った構図にします。これだけでプロの撮影したお料理の写真にグッと近づきます。

主菜と副菜の2皿を撮るなら、主菜の皿の一部と副菜の皿の一部を切った構図にしたり、主菜をメインに副菜は彩りだけという場合なら、副菜そのものを半分に切ってしまうなどもあります。

一皿にいろんなモノが乗っている場合、中心となる料理がある場合は、ズームで中心の料理にあわせると付け合わせをぼかせる

お皿がいくつもある場合はメインにピントを合わせる。すべてのお皿にピントを合わせるなら、高い位置から見下ろして撮影するとすべてにピントが合う

また熱々の湯気を撮りたいという場合もよくあります。こんなときは、まず背景になる机に黒に近いテーブルクロスを掛けて、撮影すると湯気がよく写ります。立ち上る湯気を撮るなら、黒いエプロンを付けた人に料理を持ってもらい、エプロンを黒い背景にして湯気を際立たせることも可能です。ただエプロンを着た人が立っているのは不自然という場合は、料理に手を添えてもらう(人は手しか写さない)ことで「できたてを運んできました感」でごまかせます。

湯気を目立たせる場合は、湯気の後ろに黒い背景が来るようにする。たとえば黒いエプロンを付けた人に手を添えてもらったりする

黒背景にすると暗い印象が強いという場合。たとえば熱々の淹れたて紅茶から湯気が立っているところを撮影する場合は、カップの後ろで、机の上下でカメラに写らない場所からもう1灯ライトを当てます。湯気の後ろから光を当てるのがポイントです。上下左右にライトの角度を変えると、ココ!という湯気がいちばん協調される場所があります。これで写真を撮ると、オシャレな雑誌に掲載されている湯気の上る料理や飲み物を撮影できます。

撮影モードを活用するとワンランク上の写真に

普段はフルオートモードを使って撮影しているという人がほとんどでしょう。しかしアイコンを選ぶだけでいい撮影モードを使うと、ワンランク上の写真になります。ここで紹介した以外に、人物のアイコンでは、人物にピントを合わせ背景はぼかすモードもあります(このとき昼間でもストロボが発光するのは、人物の瞳に光の点を写し込んで、イキイキとさせるためです)。このモードは洋服の撮影などに向いています。

ボケのテクニックは、自動車やお料理の撮影で説明した通り、ズーム倍率を上げて、背景を人物からより遠くに置くと、ボケ効果が強くなるなどの合わせ技も使えます。

アイコンがついている撮影モードはとても簡単に、プロに近い雰囲気の写真が撮れます。アイコンモードもマニュアルを見返して、ぜひ活用してみてください。

ABOUT執筆者紹介

家電ライター/エンジニア 藤山哲人

X(旧Twitter)

羽鳥真一モーニングショー」「ZIP!」「ゴゴスマ」「イット!」「news every」「Nスタ」などのワイドショーやニュースで節電や省エネを含めた家電などのコメンテーターとして多数の番組に出演。またレギュラーのラジオ番組のほか家電専門媒体「家電Watch」や「現代デジタル」「文春オンライン」などでも、家電やその回りの技術記事を“優しく楽しく面白く”解説している。

テレビアニメ「宇宙人ムームー」放送開始!筆者が技術監修する「家電」&「ラブコメ」&「宇宙人」マンガが2025年4月からテレビアアニメとして放映!家電のしくみや技術をアニメで笑いながら分かりやすく解説します。BS11、TOKYO MX、MBS他、ネット配信

お客様満足度No.1・法令改正に対応した財務会計ソフト「会計王」はこちら

  • おんすけ紹介ページ

Tag

最新の記事

2025年04月03日仕事で使えるデジカメテクニック-ワンランク上の撮影術
2025年04月02日【税理士監修】確定申告と年末調整の違いは?両方やる人の条件や注意点も解説!
2025年04月01日【文具ライターおすすめ】新生活に使いたい!デスク周りがスッキリする最新文具
2025年03月31日法改正で実務はどう変わる?「2025年4月スタート 育児・介護休業の新常識」
2025年03月28日介護と仕事の両立制度について 法改正のポイントを解説!
人気記事ランキング
2024年03月20日 「4・5・6月の残業を減らすと社会保険料が少なくなる」は本当か
2025年02月07日 【2025年度(令和7年度)税制改正(その1)】103万円の壁の引き上げは123万円に!いつから?大学生のバイト「103万円→150万円」の控除も解説
2025年04月01日 【文具ライターおすすめ】新生活に使いたい!デスク周りがスッキリする最新文具
2024年03月01日 結局、一番得する社長の役員報酬額はいくらなのか!?
2022年08月24日 【インボイス制度】登録されているか確認する方法&公表サイトではどんな情報が公開される?
2024年04月05日 フリーランス・クリエイターが立替払いした交通費等は源泉徴収が必要?
2024年10月30日 なんでうまく充電できない?USBケーブルと充電器のトラブル
2024年11月20日 【年末調整】定額減税で変わる源泉徴収票&控除済み及び控除されていない定額減税額の確認方法
2021年11月22日 共働き夫婦の子供はどちらの扶養? 令和3年8月からの健康保険の新基準を解説します。
2024年05月08日 交際費等から除かれる飲食費が「1万円まで」に!損金算入の要件と中小企業への影響を解説

カテゴリ

お問い合わせ

お問い合わせ

当サイトへのお問い合わせはこちらよりお願いします。