オフィス選びのポイントとは?コスト・床面積・タイプ
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売上が安定してオフィスコストを増やせる余地が出てきた場合、好立地で快適なオフィスに移転したいと考える場合があります。オフィスの選び方を誤ると従業員満足度の低下や取引先からの信用低下などに繋がる恐れがあるため、オフィス選びのポイントをしっかり押さえておくことが大切です。
ここでは、オフィス選びのポイントについて、コストや床面積、タイプなど複数の軸から解説します。
オフィスの選び方
オフィスを選ぶ際に注目すべきポイントは以下のとおりです。
- コスト
- 床面積
- タイプ
- 立地
それぞれ、どのようなポイントに着目してオフィスを選ぶべきか、詳しく見ていきましょう。
コスト
オフィスのコストは、「初期費用」と「ランニングコスト」の2つに分類できます。
初期費用
オフィスの初期費用は次のとおりです。
- 初月と翌月分の家賃
- 改装費
- 設備費
- 敷金礼金
自社らしいオリジナルのオフィスへと改装する場合、数百万円以上ものコストがかかります。また、デスクやチェア、コピー機、パソコン、休憩室の備品などの用意にも数十万円~100万円以上かかるでしょう。
従業員数が多くなればなるほどに初期費用も高くなる点に注意が必要です。また、家賃は10万~30万円程度のオフィスが多いものの、立地や床面積によっては100万円以上のオフィスも珍しくありません。
オフィスの規模や改装の有無にもよりますが、100万円以上は初期費用として資金を準備しておくことが大切です。
ランニングコスト
ランニングコストには、次の種類があります。
- 家賃
- 設備修理費、交換費
- 貸し会議室のレンタル費
毎月の家賃に加えて、オフィスに持ち込んだ備品、設備の修理費や交換費がかかります。例えば、築年数が古いオフィスでは電気代が今の2~3倍も高いエアコンがついている場合があります。そのような場合、エアコンを自分で購入して設置するのがおすすめです。
ただし、大家が買い換えたエアコンであれば修理や交換にかかる費用は負担しなくてよいのですが、自分が持ち込んだエアコンに関する費用は全て自分で支払う必要があります。
また、会議室がついていないオフィスを選んだ場合、必要に応じて貸し会議室のレンタルが必要です。貸し会議室を使用する機会が多い場合は、それだけレンタル費もかさみます。このようなランニングコストも加味して、オフィスの予算を決めましょう。
床面積
オフィスの床面積は、1人あたり3~5坪が妥当とされています。ただし、業種によっては1人あたりの必要な床面積が広くなる点に注意が必要です。例えば、書類の保管が必要な場合、それだけ多くのスペースを確保しなければなりません。書類はなるべくデジタルデータとして保存し、保管スペースを節約することも検討しましょう。
タイプ
オフィスには、次のタイプがあります。
- シェアオフィス
- バーチャルオフィス
- セットアップオフィス
- 一般的なオフィス
それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
シェアオフィス
シャアオフィスは、ごく小規模の企業や個人事業主をメインターゲットとしたレンタルオフィスです。1つの空間に複数のデスク・チェアが設置されており、あらかじめ決められた席、あるいは好みの席を使用します。
- 他のオフィスと比べて初期費用とランニングコストが極端に安い(月額2~3万円程度)
- インターネットやコピー機などの設備が整っている
- 会議室やラウンジを利用できるオフィスもある
- 駅から徒歩数分の好立地のオフィスが多い
- 1つの空間に別会社、個人がいるためセキュリティが心配
- 来客対応が難しい
- 環境音や作業音で仕事に集中できない可能性がある
なるべく家賃のコストを抑えたい、社員がいないため小規模のオフィスで十分といった方に向いています。
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスは仮想のオフィスのことで、住所は存在しますが実際に使うことはできません。住所を借りることで荷物の受け渡しや行政の手続きなどに使用します。
- 家賃を大きく抑えることができる(月額500~10,000円程度)
- 都心の一等地の住所を手に入れられることで取引先からの信用が高まる
- 一部の士業や宅地建物取引業などはバーチャルオフィスでの開業ができない場合がある
- 来客対応ができない(電話やメッセージの取り次ぎを依頼できる場合もある)
- バーチャルオフィスであることを知られると信頼性が低下する恐れがある
バーチャルオフィスは、完全リモートワークかつ来客対応が不要な場合など、選べる条件が限られています。
セットアップオフィス
セットアップオフィスとは、接客スペースやラウンジ、デスク・チェア、各種什器など、事業運営に必要な設備があらかじめ備え付けられているオフィスです。
- オフィス入居、移転の初期費用を大きく軽減できる
- 移転から業務開始までの時間的ロスが少ない
- 家賃が高め(設備費が含まれているため)
- 好みの内装への変更ができない(退去時の原状回復が必須)
- フロア内に他企業が入居しているケースがあり、セキュリティ性に劣る
- ネットワークを他企業と共有するため通信速度に不安がある
一般的なオフィス
一般的なオフィスは、事業用オフィスとして貸し出している物件のことです。
- ある程度オーダーメイドでレイアウトや内装を決めることができる
- 快適な空間を実現することで従業員満足度の向上が期待できる
- 自社らしさを押し出すことで取引先や顧客に印象づけられる
- セキュリティ性を向上できる
- 通信機器を共有しないためインターネット環境が快適
- 初期費用が高い
- 少人数企業の場合はコストパフォーマンスが低い
- 全ての設備を持ち込む場合は移転が大変
立地
オフィスの立地は、業種に応じて選ぶことが大切です。東京都の一等地のオフィスは多くの方が憧れていますが、ビジネスにおけるメリットはそれほど大きくありません。オフィスが一等地にある企業に対して安心感や信頼感を覚えることもありますが、それだけで成約に繋がることは通常ありません。結局は製品・サービスの品質や諸対応などが決め手となります。
立地を選ぶ際は次のポイントを押さえましょう。
- 来客の有無
- 出社する従業員が多いかどうか
来客がない場合は、オフィスを一等地に構える必要はありません。ただし、あまりにも郊外にオフィスを構えると採用面で不利になります。出社する従業員が多い場合は、ある程度アクセスが良い立地のオフィスを選ぶべきでしょう。
完全リモートワークで来客がない場合は、バーチャルオフィスやシェアオフィスで問題ないと考えられます。
オフィス移転のメリット・デメリット
創業時は売上が安定しないため、なるべく低コストのオフィスを選択する企業は少なくありません。しかし、年月が経過して売上が安定すれば、オフィス機能に満足できなくなる可能性があります。そのような場合、オフィス移転をすべきかどうかを考えることになりますが、安易な移転は取引先からの信用低下や売上減少に繋がります。
オフィス移転のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
- 従業員のモチベーションアップが期待できる
- 業務効率化に繋がる
- 企業の成長性を世間にアピールできる
- 前の住所に重要な郵便物が届く恐れがある(住所変更手続き・転送手続きで対応)
- 頻繁に移転すると信頼性が低下する
上記を踏まえて、オフィス移転すべきかどうか慎重に検討しましょう。また、売上が安定したからといって、コストが高すぎるオフィスに移転することはおすすめできません。売上が不安定になった際にオフィスコストが大きな負担になり、後悔する恐れがあります。
企業の状況に合った最適なオフィスを見つけましょう
オフィスによって機能や床面積、タイプなどが異なります。オフィスは一等地を選びたいという方は少なくありませんが、事業に大きな影響を与えるほどの効果はありません。もちろん、一等地にある別の企業と対面での取引をする場合は検討してもよいでしょう。
オフィス移転後に売上が低下しても、オフィスコストが大きな負担にならない予算を設定し、事業内容やリモートワークの有無、来客の有無、従業員数などの条件に適したオフィスを選びましょう。
ABOUT執筆者紹介
加藤良大
フリーライター
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歴11年フリーライター。執筆実績は23,000本以上。
多くの大企業、中小企業のWeb集客、
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