老舗ゴム部品メーカーが給与明細電子配信にてDXに挑戦!
みんなの経営応援通信編集部
今回は、千葉県習志野市のゴム部品メーカーである高木ゴム工業株式会社の代表取締役・松﨑隆一様に、「給料王」電子配信機能の導入経緯や使用方法についてお伺いいたしました。給与明細の電子配信に興味がある方は、ぜひご参考にしていただければと存じます。
Contents
確かな技術力を備えたものづくり会社
これまでの「高木ゴム工業」の歩み
高木ゴム工業株式会社の創業は1948年(昭和23年)で、本社の他に佐倉工場・成田工場の二拠点を持つ工業用ゴム製品メーカーです。現在は売上全体の七割が飲料プラント向けのゴムで、他の三割は様々なジャンルの製品を扱っています。ゴムというと車のタイヤを連想する方が多いかもしれませんが、弊社は車関係の部品は作っていません。建築関係や音響関係、あとはアウトドアメーカーの靴底ゴムが全体の一割を占めています。こちらは「滑らない靴底用ゴム」という課題でメーカー様から開発をご依頼いただいたもので、無事に製品化にまでこぎつけられまして、HPの事例にも掲載しています。
安定の基盤を武器に堅実な成長
ゴム会社は一度付き合いが始まってしまったら、なかなか別の会社に替えることはありません。ですから、新規のお客様を取るのは難しいのです。幸い、弊社では主力製品である飲料プラント向けゴムの売上が非常に安定していますから、無理して新規を取りにいく必要もない。新しい製品を生産するとなれば、そのための設備を増やさないといけなくなります。現状でそのリスクを取りにいく必要はないので、営業はほとんどしていません。そういう意味では、商売っ気はないですね。
開発は楽しく、技術力も磨ける!
新規はほぼ全てHPからのお問い合わせで、月に1~2件ほどありますね。たとえば、放射線の遮蔽材として大学の研究室等で使われているタングステンです。タングステンは金属のままだと扱いが難しいですが、ゴムにすれば柔軟で加工も容易にできますので、そういった需要でお問い合わせをいただくこともあります。
先ほど「新規には力を入れていない」と言いましたが、新規の開発案件には積極的に携わるようにしています。ゴムの可能性を追求する開発という仕事は楽しいですし、新しい材料を研究したりと勉強にもなります。その領域はメーカーとして常に力を入れないといけない部分だと思っていますね。
給料王の導入経緯
ミスを減らすため「給料王」を導入
「給料王」は初めのバージョンから使っていますから、もう二十年の付き合いになりますね。実は、私が入社直後に導入したんですよ。それまでは、マルチプラン(エクセルの前身にあたるマイクロソフトの表計算ソフト)を使用して、母が給与計算を担当して、明細も作っていました。
でも、細かなミスがとても多かったし、誰かが辞めて入社したり法律が変わったりすると、それに伴う面倒な作業がたくさん発生します。それで母が苦労しているのを見ていましたから、自分でこれをやるのは嫌だな、給与計算ソフトならもっと仕事が楽になるんじゃないか、そう考えたのが導入のきっかけです。
給料王と共に二十年!
「給料王」を選んだ理由は、他社の給与計算ソフトと比較して安くて、導入しやすかったからです。まず初めに本社だけに導入して、じきに工場も「給料王」で給与計算をするようになりました。私は給与計算を担当するのは初めてでしたが、スムーズに使えて操作に困ることはなかったですね。業務も以前に比べてずいぶん楽になりましたし、それ以来ずっと「給料王」を使い続けています。
勤怠管理にはアマノのタイムカードを使っていますが、勤怠データをダイレクトに「給料王」に取り込めるのも助かっていますね(※データ取り込みには、専用のCFライターとCFメモリーカードが必要です)。特に工場勤務の従業員は残業が多いので、データを直接取り込めるのは効率化に一役買っています。
続けて「会計王」も導入
「給料王」を導入した後に、続けて「会計王」も導入いたしました。それまでは、一枚一枚伝票を手書きで書いて、税理士さんに登録してもらって、という大変な作業をしていたんです。まずはエクセルを使って印刷だけを自動化しましたが、それでもまだまだ手間がかかるので、もっと業務を自動化したかった。ちょうどその頃、担当していただいている税理士さんに世代交代が起こって、向こうも会計ソフトの導入に積極的だったので、導入にはちょうどいいタイミングでした。
給料王電子配信の導入経緯
始めのきっかけは税理士から
「給料王」の電子配信について聞いたのは、実は税理士さん経由だったんですよ。電子帳簿保存法の話題になった時に、「そういえば、「給料王」で電子配信が使えるようになったんですよ」と聞かされました。それまで、私は知らなかったんです。これはさっそく使ってみよう、そう思いました。
手渡しのプレッシャーから解放
電子配信の導入以前は、紙の給与明細を、私が自ら従業員に手渡ししていました。けれど、うちは工場と本社と三拠点ありますから、給料の締め日から支払い日までの間に三拠点を回って、全ての従業員に給与明細を手渡さないといけない。支払日までに給与明細を渡さないといけない、という法律がありますから(※所得税法で給与明細は給与の「支払いの際」に、その支払いを受ける者に交付しなければならないとされています)、これはかなりのプレッシャーでした。
曜日によっては締め日から支払い日まで二日しかなくて、忙しい場合はスケジュールを空けるのも大変でした。「給料王」の電子配信なら、締め日が来たらボタンを押すだけで簡単に配布ができてしまう。月に一回のこととはいえ、ずいぶんと業務が楽になりましたね。
従業員への周知について
やはり導入過程は大変
電子配信そのものを使うのは簡単でしたが、大変なのは導入段階ですね。電子配信を行う場合は、従業員に事前説明を行って同意書を取り付けないといけない(参考:国税庁「1. 基本的な事項」)わけですが、最初はみんな「電子配信?」という反応でした。
弊社ではサイボウズ officeというグループウェアを使っているので、それで一斉に全員に通知しました。その後、朝礼で部署長から改めて「今度から電子配信で給与明細を送付することになった」と説明してもらって、一人一人から同意書を取りました。
お互いに教え合ってスムーズに
従業員に認証をもらう段階でも苦労はありました。いつまでも認証にならない社員がいる場合、理由を本人に直接聞くしかないわけです。メールのURLは開いたけれど「認証」ボタンは押していないとか、色んなケースがありましたね。
実際に電子配信を行うと、どうやって確認すればいいのかよくわからない、という問い合わせもありました。ただ、そこは従業員同士で教え合って、今ではみな電子配信に慣れてきています。
今月の明細は見た?見ていない?
「給料王」の電子配信は、従業員が閲覧したかどうかが確認できる機能がついています。いつまでも未閲覧になっている従業員には、初めのうち心配で声掛けをしていたのですけど、「いや、ちゃんと見てますよ」と言われるので、本人がそう言うのだから大丈夫だろうと判断して、もう聞かないことにしています(笑)。もしかして、給与明細をわざわざ毎月チェックしない方もいるかもしれませんし、こちらがそこまで管理する必要はないかもしれませんね。
紙も電子配信も両方に対応
こうして電子配信を導入して、無事に業務も効率化されました。ただ、現在も六名ほど「電子配信ではなく、紙で給与明細を受け取りたい」という従業員がおりまして、その方には郵送で紙の給与明細を送っています。私としては電子配信の方が楽ですから全て電子配信にしたいと思う時もありますが(笑)、従業員の要望ですから、紙と電子配信を両立させています。
電子配信への要望について
さらなるカスタマイズを希望
電子配信を行う従業員と紙で給与明細を渡す従業員をグループで分けられるようにしてほしい、と思っています。あと、自由度が低いのが難点ですね。電子配信用の給与明細フォーマットが一つしか選べないし、従業員用のコメントを入れる欄がないのも不便に感じています。その辺りは今後アップデートして、改善してほしいところですね。
取材を終えて
インタビュー時には企業秘密も含む工場内をご案内いただき、滅多に見ることができないゴムの貴重な製造工程を拝見させていただきました。国内で流通する飲料製品の七割は高木ゴム工業様の部品を使用している工場で製造されている、とのお話で、帰り路にコンビニで購入した飲み物にも、高木ゴム工業様の製品が関わっているのかもしれない、と想像させられました。日本のものづくりは、このような確かな技術力を持つ企業に支えられてきたに違いない、そう感じる印象深いインタビューでした。
(ソリマチ取材班)
ご協力いただいた会社
会社名 | 高木ゴム工業株式会社 |
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設立 | 昭和28年3月25日 |
所在地 | 千葉県習志野市花咲2丁目2番16号 |
ホームページ | http://www.takagigomu.com |
電話番号 | 047-470-3561 |
事業内容 | 工業用ゴム製品製造販売 |
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