はじめての「税務調査」を乗り切る対応ノウハウ
税務ニュース
「税務署です。1月23日に税務調査に行きたいのですが・・・。」
突然、税務署から「税務調査に入る」と電話がかかってきたら、どう対応しますか?
A「わかりました。お願いします。」と、即答し調査日時をその場で決める。
B「顧問税理士に確認して折り返し連絡します。」と、即答しない。
C「当社は今繁忙期なので、またにしてください。」と、やんわり断る。
1.対応の基本的な心構え
正解はBです。税務調査には「強制調査」と「任意調査」の2種類があります。通常の任意調査は、コンスタントに黒字を出している企業であれば5年程度の周期で行われます。税務署から事前に連絡があり、都合の良い日程を決めることができます。とはいっても、税務署からの連絡は突然です。連絡が来ても慌てず冷静に対応できるようにしておきましょう。
2.事前通知事項の確認
税務署から連絡があったら「調査予定日」「調査官の所属部門」「調査官の氏名」の3点を確認しましょう。それから「顧問税理士に確認して折り返し連絡します。」とワンクッション置きます。顧問税理士に連絡すると、余裕を持った税務調査の日程を設定してくれるため安心です。
税務署から急に電話がかかってきても正しく対応できるよう、以上の3つの確認事項を紙に書いて電話の前に貼っておいても良いでしょう。
3.調査の対象
基本的には、申告済みの前期以前3期分の総勘定元帳、請求書、領収書、契約書、源泉徴収簿などを基に調査が行われます。書類の不備があれば予め補完しておきましょう。
その期間の必要資料は、調査官から提示を求められたら直ぐに対応できるよう準備しておき、それ以外の資料については、必要となった際に適宜対応すれば良いでしょう。提示を求められてから書類を取りに行くと、調査官も同行する場合があるため、余計なものが出て来ないよう注意が必要です。
4.準備とリハーサルは念を入れて
経営者にとって税務調査は非日常的で不安がいっぱいですが、税理士は多くの顧問先の税務調査に立ち会っているため慣れています。当日までに、税務調査で予想される争点などについて、社長・経理担当者・税理士の三者でリハーサルを行っておけば安心です。
税理士の調査立会い報酬を惜しんで会社だけで対応すると、緊張しますし、税務署の指導などに行き過ぎた点があっても泣き寝入りすることになるので注意が必要です。