withコロナの今だからこそ、ビジネスモデルの変革を急げ!!
税務ニュース
新型コロナ前に戻ることはない日常
2020年2月から拡散し未だ収束の見通しが立たない新型コロナウイルス(以下新型コロナ)は、今後も世界中で何度も波を巻き起こすと言われています。
この半年余りの間、企業活動では在宅によるテレワーク・リモートワークが広まり、新入社員には未だに出社したことがない人すら存在しています。また職住近接よりも進み職住融合で都心から離れた地域へ引っ越す人々も出始め、通勤手当を中止し在宅手当を新設する企業や本社を東京から地方に移転するという企業の話も出ています。
このように働き方・生活スタイルが大きく変化し続け、人々の意識や常識も変化し、社会全体の在り方が変容しつつあるため、社会・経済・日常の在り方は新型コロナ前に戻ることはないと考えたほうが良いでしょうし、むしろ、新しい日常「ニューノーマル」が台頭したと考えたほうが良いのかも知れません。
これまでの概念・通念を加速度的に変化させる新型コロナ
新型コロナの厄介なところは人々の接触を大きく阻害することです。感染拡大を抑えるため「3密(密接・密閉・密集)を避ける新しい生活様式」が推奨されることは、皮肉にも社会・経済活動自体を縮小・疲弊させることに繋がっています。
経済成長率は統計上で最悪の状況となり、政府・地方自治体は補助金・助成金や制度融資などで経済活動を支援していますが、財源は無尽蔵ではない上、条件により支援対象から漏れることも少なくありません。経営環境が厳しいとはいえ、企業は生き残りのために自社で努力を続けるしかありません。
ワクチン・特効薬がない状況では、3密回避が新型コロナ感染防止策として有効ですが、多くのビジネスの大前提である「人と人のつながり」が根底から覆ってしまい、ビジネスモデルの前提となっている社会・経済の概念・通念も加速度的に変化させられています。
DXを中心に進む社会の変化
新型コロナの拡大によって社会経済活動の仕組みが急激に変容するいま、IT企業や製造業をはじめとする大手企業の多くはすでにAfterコロナの世界を見据えて取り組み始め、デジタルトランスフォーメーション(以下DX)を中心にして変化していく社会・経済に合わせるようビジネスモデルの変容・進化を加速させようとしています。
変革を迫られるビジネスモデル
人工知能(以下AI)が人間の知能を超えるのは2029年と言われ、AI自身がより高度なAIを生み出すシンギュラリティ(技術的特異点)は2045年に訪れるとされています。その時代には多くの仕事がAI搭載のソフトウェア、アンドロイドや各種ロボットに置き換わると想像され、人々の生活や社会経済の在り方は2020年とは大きく変容しているはずです。かつて見たSF映画や小説の世界がすぐそこまで迫ってきているのです。
withコロナの2020年がDXの浸透した未来への入り口だとすれば、ビジネスモデルは変革を迫られていくでしょう。一気に変化させることは難しいのですが、20年後を仮定し、10年後、5年後と遡って、クリアしなければならない課題・目標とマイルストーンを設けながら、いまから何を変えていかなければならないのかを見出し、ビジネスモデルの変化に結び付けていくことが必要です。(現在の延長線上ではなく、未来から逆算して考える・想像するべきでしょう。また、人口減少、少子高齢化などの要素も含めて考える必要があります。)
DXが浸透した未来に確固としたモデルはまだありませんが、大手企業が今後何をなそうとしているのか、社会やインフラがどう変化しようとしているのかといった情報をいち早くキャッチしたり、開催されるシンポジウムなどに参加したりすることは、自社のビジネスモデルを見出すにとても有益なものとなるでしょう。
いまからできることは?
DXの時代を見据えて、いまからできることは何でしょうか?
IT化に遅れを感じている企業の場合は、WEB,EC,業務ソフトウェア(ERPやCADなど)の見直しや着手を手始めに行うことが欠かせません。業務のうち自動化できるものやIT化を図れるものを洗い出し、さらに外部に委託するという選択肢も候補に挙げ、社内業務の合理化・効率化と高度化・専門化を考えます。また、IT人材の確保は当然大事ですが、かつての「読み書きそろばん」と同様にITはビジネスに不可欠な要素なので、役職員のITリテラシーを底上げする教育や研修に注力することも必要です。
そして将来のDX時代につながるビジネスモデルを描きつつ、対応できることから手を付け、不足するシステムやソフトウェアはIT補助金などを使って導入します。設定したマイルストーンやタイムテーブルを目安にし、PDCAを回しながらビジネスモデルを状況に合わせながら変化・発展させつつ、着実に前進させていくことが欠かせません。
withコロナのいまこそ、見えない将来に向かってビジネスモデルの変革を迫られる状況のため、戦略や戦術の取捨選択は難しいですが、残された時間には限りもあり、いまから手を付けていかなければ「時すでに遅し」となってしまうのは言うまでもないでしょう。
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