07 March

「投資のキホン」。税理士から見た「投資」との向き合い方

掲載日:2022年03月07日   
税務ニュース

はじめに

3月は個人の確定申告期でもあり、各々の一年間の所得をあらためて実感される期間かと思います。今回は今の時期だからこそお伝えしたい「投資」について触れてまいります。

「投資」への理解は必須

皆様は「投資」をされておられるでしょうか。日本は人口増加から人口減少への折り返し地点を通過し、これまでのような右肩上がりの成長の実現は難しくなりました。「投資」についての能書きは調べればたくさん出てくるかと思いますので、私からは割愛させていただきます。その上で一つだけ確認しておく点があるとすれば、「投資」ということへの理解が必須の時代になっているという点です。

個人における「投資」

個人ではNISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)といった制度も設けられるに至りました。私自身もどちらも最大限までかけております。これらの税制優遇は絶大です。NISAは益が非課税となりますし、iDeCoは掛金が所得から控除されます。「投資」を始められるのであれば、まずはいずれかから始められるとよいでしょう。「投資」となると勝ち負けを強く意識されると思いますが、「税」を味方につけることはとても重要なポイントです。100の勝ちより120の勝ちの方がもちろん良い訳ですが、仮に100の税金が20%で120の税金が40%であるといかがでしょうか。手残りは逆転します。「投資」は表面の勝ち負けではなく最終的な手残りで考える必要があり、その際の重要な要素が「税」なのです。

法人における「投資」

法人で「投資」を行った場合はどうでしょうか。法人では「投資」をした金額が経費などになるということはありません。ただし法人ならではのメリットも存在はします。例えば、法人の税金を計算する場面においては、「投資」における損益と「事業」における損益とは通算します。すなわち「投資」で生じた損は「事業」における益と相殺されますし、その逆も然りです。また現在の法人税の実効税率は約34%ですが、個人の所得税率は住民税も考慮すると最大55%です。多額の役員報酬を得て個人で投資するのであれば、法人において投資を行った方がそもそもの掛金が多い状態で投資に臨めるということになります。

「投資」を相談するのは誰がよい?

「投資」の相談相手はというと証券会社、銀行といった金融機関が挙げられるのではないでしょうか。確かに商品選定という観点からは正しい選択だと思いますが、果たしてこれで十分でしょうか。私は相談相手として税理士をお勧めします。ここまでお読みいただいた方はご理解いただいたかと存じますが、「投資」のベストな状態を実現するためには「税」は必須です。商品選定のアドバイザーとしての観点だけではなく資産を守るアドバイザーとして、税理士にぜひ皆様の「投資」を相談してみてください。

「投資」を相談できる税理士の見分け方

とはいえすべての税理士が「投資」の相談に適任なわけではございません。そこで相談できる税理士の見分け方をお教えします。ズバリ、その税理士が「投資」をしているかいないかです。NISAやiDeCoといった税知識があるかどうかではありません。これらは税理士であれば一通り把握しているでしょう。「相談できる」税理士は自らが「投資」を行い、その実体験に基づいて相談に乗ってくれる税理士です。

最後に

最後によくある質問の一つ「投資はいつから始めればよいですか」にお答えします。答えは今すぐです。「投資」の大きな勝ち要素の一つが「時間」です。できるだけ長く「時間」をかけることで「投資」の効果は増していきます。思い立ったらまずは行動を起こすことから始めてみてください。

ABOUT執筆者紹介

税理士 小嶋純一

税理士法人中山会計

大学卒業後、税理士法人中山会計にて代表社員税理士社長を務める。相談しやすさNo.1を体現する税理士として、自社の経営の実践並びにお客様の経営サポートを兼務。M&Aスペシャリスト及びM&Aシニアエキスパートの資格を有し、事業承継の出口をサポートするコンサルティングを20年来推進。保険会社・銀行・商工会議所・各士業等とのタイアップによるセミナーなど全国で多数講演。身近な相談窓口として活動中。

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