年末調整書類に『国民年金保険料控除証明書』が添付されている場合のチェックポイント
社会保険ワンポイントコラム
今年も年末調整の時期が到来した。そこで、今回は年末調整の際に国民年金保険料控除証明書(以下、「控除証明書」)が提出された場合の留意点を整理してみよう。
保険料の金額に「見込額」が含まれている場合
控除証明書には、国民年金保険料を納めた額のほかに「見込額」が記載されているものがあり、社員が『給与所得者の保険料控除申告書』に「見込額」を含んだ金額を記載してくることがある。しかしながら、「見込額」は本年10月1日から同12月31日までに納付が見込まれる保険料額を示すものであり、控除証明書の作成時点では納付されていない金額になる。
従って、社員が「見込額」の記載のある控除証明書を添付し、その額を含めて控除を申請してきた場合には、念のために「見込額」を納めたかを確認するとよい。「見込額」を納めていないにもかかわらず、その額を含めて控除を申し出る誤りが少なくないからである。
控除証明書のほかに「領収証書」が添付されている場合
国民年金保険料を納めた時期によっては、その保険料が控除証明書に記載されていないことがある。控除証明書に記載のない保険料を納付している場合、日本年金機構ではその分の領収証書と控除証明書の2つの書類を会社に提出するよう案内している。
領収証書とは、国民年金保険料を納めた場合に本人に渡される控えのことである。従って、領収証書と控除証明書の2つの書類が添付されている場合には、両者の記載金額の合計が『給与所得者の保険料控除申告書』の記載金額と一致することを確認することが大切である。
本人以外の控除証明書が添付されている場合
20歳以上の子供を持つ社員が、子供の国民年金保険料を代わりに納めていることがある。この場合、原則として子供の保険料分を親の社会保険料控除とすることが可能になる。そのため、社員が『給与所得者の保険料控除申告書』に子供名義の控除証明書を添付してくることがある。
このような場合には、『給与所得者の保険料控除申告書』の「保険料を負担することになっている人」欄の氏名と控除証明書の被保険者氏名が、同じ子供の氏名であることを確認したい。その上で、企業側で把握している続柄が「あなたとの続柄」欄に正しく書かれていることを確認することがポイントとなる。
ただし、子供または配偶者以外の名義の控除証明書が添付されている場合には、社会保険料控除の対象になるかを税務署に確認する必要があるだろう。
[democracy id=”30″]