26 April

【定額減税】個人事業主の定額減税はどうなる?

掲載日:2024年04月26日   
税務ニュース

1. 定額減税とは?

賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和等する観点から、令和6年分の所得税と令和6年度分の個人住民税について、一定額行われる減税です。

2. 定額減税の対象者

次の①②のいずれにも該当する方が対象です。

①令和6年分所得税の納税者である居住者
②令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方
…給与収入のみの場合、給与収入が2,000万円以下の方。子ども・特別障害者等を有する者などの所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。

※「居住者」とは、国内に住所を有する個人又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいます。

!POINT・居住者以外の「非居住者」は定額減税の対象とはなりません。
・合計所得金額1,805万円超の人は対象になりません。

3. 定額減税額

定額減税の控除額は、次の合計額です。
※所得金額等の要件があります。

※1 納税者本人の要件は、「2.定額減税の対象者」参照
※2 「同一生計配偶者」とは、その年の12 月31 日(納税者が年の中途で死亡し又は出国する場合は、その死亡又は出国の時)の現況で、納税者と生計を一にする配偶者で、年間の合計所得金額が48 万円(給与所得だけの場合は給与等の収入金額が103 万円)以下の人です。青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていない人又は白色申告者の事業専従者でない人に限ります。
※3 「扶養親族」とは、その年の12 月31 日(納税者が年の中途で死亡し又は出国する場合は、その死亡又は出国の時)の現況で、次の4つの要件のすべてに当てはまる人をいいます。

  1. 配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること
  2. 納税者と生計を一にしていること
  3. 年間の合計所得金額が48 万円以下であること
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと
!POINT・所得税の扶養とは範囲が異なり、16歳未満の方も対象となります。
・同一生計配偶者や扶養親族は、居住者のみが対象です。

4. 個人事業主の定額減税はどう実施される?

定額減税は、所得税と住民税で減税の方法が異なるため、所得税と住民税に分けて解説します。
まずは、【所得税】です。

①【所得税】予定納税の対象となる方

予定納税の対象となる方は、令和6年7月の第1期分予定納税額から本人分に係る特別控除の額に相当する金額が控除されます。
また、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額に相当する金額は、予定納税額の減額申請の手続により特別控除の額を控除することができます。
なお、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額が11月の第2期分予定納税額から控除されます。

上記の措置に伴い、令和6年分の第1期分の予定納税額の納期や減額の承認の申請期限が次の通りとなっています。

【令和6年分の第1期分の予定納税額の納期】
令和6年7月1日から9月30日までの期間 (現行:7月1日~7月31日)

【6月30日の現況に係る予定納税額の減額の承認の申請の期限】
令和6年7月31日 (現行:7月15日)

②【所得税】確定申告における年税額からの控除

事業所得がある方などで確定申告を行う方は、令和6年分の確定申告の際に、定額減税を適用しないで算出した所得税額から定額減税額が控除されます。
(注)給与所得者や年金受給者が不動産所得などの他の所得を有する場合等は、給与や年金の支払を受ける際に定額減税の適用を受けた上で、確定申告で最終的な定額減税額との精算を行うこととなります。

続いて、【住民税】についてです。

各自治体から届く住民税決定通知書で減税後の納付額が通知されます。
定額減税前の税額をもとに算出された第1期分の税額から控除し、第1期分から控除しきれない場合は、第2期分以降の税額から、順次控除されます。
なお、同一生計配偶者や扶養親族分に係る住民税からの控除は特段申請の必要はないこととされています。

【住民税】普通徴収における定額減税の図解

(出所:大阪市ウェブサイト『令和6年度個人市・府民税における定額減税について』)

!POINT・所得税の予定納税からの控除は手続きをしないと本人分のみの控除です。
予定納税額から同一生計配偶者や扶養親族分の定額減税額の控除を行いたい場合は、7月31日までに予定納税額の減額の承認の申請を行います。
・給与や公的年金等の受け取り時に定額減税が行われている場合、予定納税からも定額減税が行われていると二重(又は三重)で定額減税が行われることとなってしまうため、確定申告で精算します。

以上、個人事業主の定額減税についてでした。
給与所得や公的年金等の受け取りがある場合は、給与所得や公的年金等からも定額減税が行われているため、確定申告で精算することになりますので、ご注意くださいね!また、令和6年分の確定申告時は定額減税に関する記載項目が追加されると予想されますので、少し先になりますが令和6年分の確定申告時には注意しましょう!

ABOUT執筆者紹介

税理士 油谷景子

油谷景子税理士事務所 代表

日本の企業の99%を占める中小企業を税務会計面から支援する愛知県名古屋市の開業税理士。

四大税理士法人等(東京・名古屋)で上場企業等向け税務申告、国際税務、コンサルティング業務に従事。また、個人税理士事務所で中小企業向け税務会計サービス、相続税等の申告・相談など様々な実務経験を積んだ後、名古屋市で独立開業。ITや新しい技術を積極的に活用。自計化支援にも取り組んでいる。


著書『スタートアップ企業の税金To Doリスト』(2024年 中央経済社)

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