創業する際のオフィス選びのポイントは?種類別の特徴やコストを抑える方法を解説
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オフィスの家賃は一般の物件よりも高く設定されています。そのため、必要以上の機能・面積、好立地のオフィスを選択すると、収益に対して家賃が高すぎる事態になりかねません。創業期は売上の見通しが立っていないため、機能や立地などの条件を満たした家賃が安いオフィスを選ぶことが大切です。
本記事では、創業する際のオフィス選びのポイントからオフィスの種類別の特徴、コストを抑える方法まで詳しく解説します。
創業時のオフィス選びのポイント
創業時のオフィス選びのポイントは、一般的なオフィスの選び方と異なります。次のポイントを押さえて、最適なオフィスを選びましょう。
収益が安定するまではコストを優先する
創業時は売上の見通しが立っていないことが通常です。売上の見込みはあっても、具体的な金額まで想定することは難しいでしょう。収益が安定するまでは、なるべく家賃が安いオフィスを選ぶことが大切です。オフィス移転は大変な作業ではありますが、無理に家賃が高いオフィスを選び、固定費が圧迫されて悩むよりは良いのではないでしょうか。
業務に必要な間取り・機能を持たせる
創業時のオフィスはなるべく家賃を抑えることが大切ですが、必要な機能を持たないオフィスだと自身や従業員の業務効率やモチベーションが低下します。そのため、業務に必要な間取りや機能を確認し、条件を満たしたオフィスを選ぶことがポイントです。
例えば、来客者があるビジネスモデルの場合は、仕事スペースと来客スペースを明確に分ける必要があります。ここで問題になるのが、仕事スペースと来客スペースの配分でしょう。来客スペースを広く取りすぎると、仕事スペースが圧迫されて業務効率に影響が及びます。
従業員が業務を遂行しやすいことを前提に、来客スペースを作ることが重要です。デスクの配置、通路の広さなどを図面を見ながら考えましょう。来客者が少ない、または来客スペースの広さやクオリティが売上に影響しないのであれば、最低限のスペースを用意するだけで問題ありません。
働き方に適した機能を持たせる
近年、働き方改革の一環として、多様な働き方に対応すべく様々なことに取り組む企業が増えています。休憩室、仮眠室、1人で業務に集中できる個別スペースなど、働き方に適した機能・スペースを充実させましょう。ただし、働き方に適した機能を持たせることでオフィス費用が若干上がる可能性があります。
しかしながら、働きやすい環境を用意することで売上アップが期待できるのであれば、積極的に取り組むべきでしょう。
来客がない場合はバーチャルオフィスや自宅でも可
従業員を雇わない、完全リモートワークで対応できる、来客がない場合は、バーチャルオフィスや自宅でも問題ありません。賃貸物件やレンタルオフィスなどと比べて家賃を抑えやすいため、コストを抑えたい創業期には最適と言えます。
ただし、バーチャルオフィスはもし来客があったときに対応できないため、可能であれば実態があり、コンシェルジュが常駐しているバーチャルオフィスを選びましょう。コンシェルジュは、郵便・宅配物の受取、来客の報告などを代行してくれます。
創業期のオフィスコストを抑える方法
創業期にオフィスコストをどれだけかけられるかは、資本金や考え方などで異なります。経営リスクを軽減したい場合は、なるべくオフィスコストを抑えることをおすすめします。
創業期のオフィスコストを抑える方法は次のとおりです。
工事不要でオフィスにできる物件を選ぶ
オリジナルのオフィスを作りたい場合は、コンクリート打ちっぱなしやスケルトン物件を選択し、自由に改装します。しかし、改装には多くの初期費用がかかるため、創業期になかなか実践することは難しいでしょう。もちろん、中には創業期からオフィス作りにこだわっている企業も存在します。
こだわらないのであれば、工事不要でオフィスとして使える物件を選ぶことをおすすめします。
必要な器具・機器は自分で揃える
事業に必要なデスクやチェア、PC、コピー機などの器具・機器は全て自分で揃えましょう。創業のコンサルティングを受けた場合、コンサルタントがオフィスの準備を代行してくれることがあります。代行を任せると別途費用がかかるため、コストを抑えたい場合は自分で用意することが大切です。
部屋を作らずパーティションで空間を区切る
オフィスは、ワークスペース、会議室、社長室、エントランス、リフレッシュエリアなどのスペースに分かれています。これだけ多くのエリアを作る場合、壁や柱などでスペースが消耗されて、各エリアのスペースが狭くなるでしょう。
部屋を作らずにパーティションで区切ることで、オフィスコストを抑えられます。コンパクトなオフィスであれば、エントランスや社長室などがないケースも少なくありません。リフレッシュエリアも福利厚生を重視しないのであれば、特に必要はないでしょう。
知っておきたい各オフィスの特徴
オフィスの種類によって特徴が異なるため、創業期のオフィス選びに失敗しないためにも事前にチェックしておきましょう。
賃貸物件
賃貸物件は、居抜きで入居できる場合もありますが、多くは自社に合った内装にリフォームします。自由度が高く、自社に最適な内装を作り上げることで、来客者に対して信頼感を与えられます。その一方で、敷金や礼金、保証金、改装費などのオフィスコストが高くなりやすいことや、業務開始までに時間がかかることなど注意点もあります。
レンタルオフィス
レンタルオフィスは、業務に必要なデスクやチェア、什器などが最初から設置されています。初期費用が比較的安く、会議室や受付などを他社と共有できることがメリットです。一方で、他社の従業員が出入りするためセキュリティ性に劣るというデメリットもあります。
24時間利用可、ロッカーあり、警備員常駐など、レンタルオフィスによって機能やセキュリティが異なるため、十分に確認のうえで選択しましょう。
コワーキングスペース・シェアオフィス
従業員がいない、数人しかいないのであれば、コワーキングスペースを利用したシェアオフィスも1つの選択肢です。複数の企業や個人事業主などがワークスペースを共有します。オフィスコストを大幅に抑えられますが、占有スペースがないため情報漏えいのリスクがあります。
また、急な来客への対応が難しいため、来客が一切ないことが前提条件になります。
自宅
事業規模によっては、自宅も選択肢の1つとなります。オフィスコストをほぼゼロで利用できるため、支出をなるべく抑えたい場合に最適な選択肢となるでしょう。ただし、自宅が賃貸物件の場合は、事務所としての利用が可能か事前に契約書の確認が必要です。また、自宅でリラックスしてしまうことで業務に集中できない方も少なくありません。
そのため、自宅をオフィスにできるかどうかには、実際に働く人の適性が深く関係します。
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスは、オフィスの実体を持たないものの、登記できるオフィスです。事業を行うには住所の登記が必要なため、来客が一切ないビジネスにおいてバーチャルオフィスが注目されています。ランニングコストを大きく抑えつつも、一等地に会社登記できるため、信頼性が高まることがメリットです。
ただし、実体がないため業務スペースは確保できず、来客にも対応できません。中には、来客があったことを知らせるサービスを提供するバーチャルオフィスもありますが、来客者にとって無駄足になる点に変わりはないでしょう。
そのため、1人でも来客がある場合は、バーチャルオフィスは適さないと言えます。
コストを抑えつつ必要な機能を持つオフィスを選ぼう
「多額の借り入れをしたうえで、立派なオフィスを構えて多くの従業員を雇い、スタートダッシュを切りたい」、「売上が安定するまではコストを最小限に抑えたい」など、創業期の事情や考え方はさまざまです。コストを抑えることは大切ですが、必要な機能を持たなければ業務効率が低下します。
そのため、コストを抑えつつ必要な機能を持つオフィスを選ぶことが大切です。今回、紹介した創業期のオフィス選びのポイントや、各オフィスの特徴などを踏まえ、自社に最適なオフィスを選びましょう。
ABOUT執筆者紹介
加藤良大
フリーライター
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歴12年フリーライター。執筆実績は26,000本以上。
多くの大企業、中小企業のWeb集客、
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