03 March

介護保険料の徴収時期を間違っていませんか

掲載日:2021年03月03日   
社会保険ワンポイントコラム

企業では社員が40歳になると介護保険料の徴収を始め、65歳になると徴収を終えなければならない。ところが、介護保険料の徴収開始月と終了月は誤りやすいという特徴がある。そこで今回は、介護保険料の徴収時期について整理をしてみよう。

対象は「40歳到達月の保険料から65歳到達月の前月の保険料まで」

企業が社員から介護保険料を徴収するのは、原則として社員が40歳になった月の保険料から65歳になった月の前月の保険料までである。ここでポイントになるのは、「40歳、65歳になるのはいつか」という点である。一般的に、40歳になるのは40歳の誕生日と思いがちだが、法律上は40歳の誕生日の前日が40歳になる日とされる。これは年齢計算に関する法律により、誕生日の前日に年齢が1歳増えると考えるためである。例えば、40歳の誕生日が4月25日の社員の場合、「法律上40歳になる日」は誕生日の前日の4月24日となる。従って、4月が「40歳到達月」であり、この社員については「4月分の介護保険料」から徴収することが必要になる。同様に、65歳の誕生日が4月25日の社員の場合には、4月が「65歳到達月」となる。従って、企業はその前月である「3月分の介護保険料」まで徴収することになる。まずは、この原則を押さえることが大切である。

1日生まれは徴収の開始・終了が1カ月早まる

介護保険料の徴収で特に誤りやすいのが、1日生まれの社員である。例えば、40歳の誕生日が4月1日の社員の場合、「法律上40歳になる日」は前日の3月31日となる。この場合、実際の誕生月は4月だが、「法律上40歳になる月」は3月なので、この社員については「3月分の介護保険料」から徴収する必要がある。しかしながら、「4月生まれなので、4月分の保険料から徴収を始める」という誤りが多い。同様に、65歳の誕生日が4月1日の社員の場合、3月が「65歳到達月」となる。従って、その前月である「2月分の介護保険料」が最後の徴収とならなければならないが、「3月分の介護保険料」まで徴収するミスが起こりやすい。1日生まれの社員は、実際の誕生月と「法律上、年齢が1歳増える月」が異なるので、注意が必要である。

給与からの実際の控除は1カ月遅れる

企業が社員の給与から差し引くのは、原則として前月分の介護保険料である。そのため、例えば4月分の介護保険料から負担義務が生じる社員の場合、実際に給与から保険料を控除するのは「5月に支払う給与」からになる。仮に「4月に支払う給与」から控除を始めた場合、「3月分の保険料」から徴収したことになり、誤りとなる。同様に、3月分の介護保険料まで負担する社員の場合、実際に給与から最後の介護保険料を控除するのは「4月に支払う給与」である。これを「3月に支払う給与」からの控除を最後とした場合、「2月分の介護保険料」までしか控除をしていないことになってしまう。

以上を整理すると、次のとおりである。

また、毎年「3月分の介護保険料(4月に支払う給与から控除する保険料)」は、新年度の料率が適用される最初の保険料となる。この点についても給与からの保険料の控除額を誤らないよう、注意をしていただきたい。

ABOUT執筆者紹介

大須賀 信敬

コンサルティングハウス プライオ代表(組織人事コンサルタント/中小企業診断士・特定社会保険労務士)

原稿提供元株式会社ブレインコンサルティングオフィス「かいけつ!人事労務」
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