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September
社会保障と税の一体改革法案が成立 消費税率を引上げへ
掲載日:2012年09月01日
税務ニュース
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8月10日、参議院本会議で、いわゆる社会保障と税の一体改革に関連する8法案が可決・成立、8月22日に公布されました。社会保障と税の一体改革は、「社会保障制度改革」、「税制」、「子ども・子育て支援」、「年金・医療等」から構成されますが、特に関心が高いのは消費税率の引上げです。
消費税率については、今回成立した「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」に規定されており、地方消費税とあわせた消費税率は、平成26年4月から8%に、その後、平成27年10月からは10%になります。
消費税率の引上げに際しては、低所得者に配慮する観点から、簡素な給付措置の実施が条件とされていますが、この簡素な給付措置は、あくまでも暫定的な措置と位置付けられており、今後、給付付き税額控除や複数税率の導入等が検討されることとなります。
また、税制に関連しては、当初、国会に提出された法案に盛り込まれていながら、法案審議の過程における三党(民主、自民、公明)の協議により、法案から削除、改正が見送られた項目も気になるところです。
当初法案には、消費税率の引上げのほか、所得税の最高税率の引上げ、相続税の基礎控除の縮減と税率構造の見直し、租税特別措置法の一部改正等が盛り込まれていました。
今回、これらの改正は見送られたわけですが、成立した法律の附則に、所得税や相続税の改正規定について平成24年度中に必要な法制上の措置を講ずると明記されたことから、平成25年度税制改正で手当される公算が大きく、今後の動向が注目されます。