15 December

法人で所有している不動産と相続税について | みんなの経営応援通信 - 経理や経営に役立つ情報が満載

掲載日:2020年12月15日   
税務ニュース

よく、社長様から「土地を購入しようと思うんだけど、個人と法人のどちらで買おうか迷っている!」というご質問があります。今回は、お客様からの相談の中で勘違いをしている相続税についての箇所をご説明をさせていただきます。

不動産と「個人で所有」している場合と「法人で所有」している場合の相続税についてです。

個人で土地を所有している場合

例えば社長様が個人が所有している土地を会社で利用をしているとします、その場合には分かりやすいのですが、その社長様個人に相続が発生した際には、そのまま相続財産として、その土地を評価して相続税を支払うこととなります。

個人で土地保有
相続税の計算⇒土地の評価額に応じた相続税を支払う。

この場合には、事務所建物が個人で所有している場合と法人で所有している場合や相続税の計算の際の小規模宅地の減額などの細かい部分の説明は割愛させていただきます。

法人で土地を所有している場合

今度は、同じ土地を社長様が”全株所有”している会社が保有している土地である場合なんですが、この場合も個人と同様に社長様個人に相続が発生した際には、相続財産として、その土地を評価して相続税を支払うこととなります。
「えっ、なんで法人が保有している土地が!」と勘違いをしてしまいやすいのですが、ポイントとしては、社長様が”全株所有”している会社という部分です。

その場合には、個人で保有している場合と同様に会社の株式について相続税の評価をする必要がございます。
その際に、個人で保有している場合と会社で保有している場合の土地の評価額が基本的には同じになるのです。

法人で土地保有
相続税の計算⇒株式の評価額に応じた相続税を支払う。

株式
この株式の評価をする際に、土地の評価を個人同様にしますので、基本的には個人で保有も法人で保有も同じ評価額になるということです。(個人で保有している土地の上に会社が建物を建築している場合には、借地権の課税を避ける為、税務署に対して無償返還の届け出というものを提出することにより、土地の評価の際に20%が借地権として減額されますが、社長様が全株保有の場合には、株価評価の際に20%がプラスされます。これは、生前に株式の贈与が実行されても20%がプラスされることになります。)

法人の場合には、株主が全てです

社長様が”全株所有”している会社とは、個人で資産を持っている状況とほぼ変わりません。よって、私どもの事務所では、決算の際に必要に応じて社長様の株式を贈与税の基礎控除の範囲内での異動などを実施してきております。株式を全株所有状態から一部所有状態や全部が他の親族所有状態にすることで、毎年土地の分筆して異動をしている効果が出てくるのです。現在は事業承継税制の特例で10年間の期間限定で無税で株式を後継者に異動できる措置が設けられておりますので、なぜ、連年の株式の贈与が必要なの?と思われるかもしれませんが、事業承継税制の特例は事業承継者のみに対する特例ですから、他の相続人に高い株価評価が影響をしてしまいます。ですから、将来的に事業承継税制の特例を利用する場合でも、連年の贈与をお勧めしております。また、土地を切り取り部分的に贈与することは大変ですが、株式異動なら登録免許税も取得税もかかりませんので、とても有効な相続税の節税対策にもなります。ただし、個人事業主様の場合にはそもそも不動産の名義が個人保有ですから、その全てが相続税の対象財産となってしまいます。

私どもで相続対策として実施している事例について

私どもの事務所で会社が社長様から高額な借入金をしている場合などは、土地のみ社長様個人に時価で売却をして借入金を消してしまうことを数多く実施しておりますが、そのご説明の際に、お客様から「だって個人で土地を所有することになると相続税が高くなるんじゃないの?」と聞かれますので今回この記事でご案内をさせていただきました。但し、相続対策も考えた場合には、個人で保有している事業で利用している土地ですと一定の要件に該当すれば小規模宅地の減額の特例が利用でき、法人で保有している土地であれば、一定の要件に該当すれば新事業承継税制の特例の対象となります。この辺の部分は厳しい適用要件などがございますので、専門家の先生にご相談をお願い致します。

結論として

社長様が会社の株式を全株所有している状態では個人と法人での保有不動産は、ほぼ同じ評価になってしまう。しかし、連年で毎年のように親族等に株式を合法的に異動をしていくことで、社長様の持ち株割合を減額させて相続対策も実施していくというスタンスで持ち株の贈与のご提案をさせていただいております。

家族構成で現在の相続税の基礎控除額が計算できますのでぜひ、ご利用ください。
https://www.gamusyara.com/souzoku27.php

下記は、ザックリとどのぐらいの財産を持っていたら、どの程度の相続税が発生するか?という目安程度としてご利用ください。
https://www.gamusyara.com/souzoku2015.php

下記は、私どもの事務所で管理をしている相続税専門サイトから、相続税のかかる財産のご紹介をさせていただいておりますので、ご参考程度にご利用ください。
https://souzokuzei0.com/manga/souzokuzaisan.html

ABOUT執筆者紹介

税理士 黒川 豊

黒川税理士事務所

 
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