20 July

<連載>フリーランスが知っておきたい、「ロジカルで美しい」プレゼン資料作成術 ―【シリーズ第3回】美しい資料で表現する

掲載日:2022年07月20日   
IT・ガジェット情報

独立すると、営業活動・ビジネスパートナー探し・資金調達などでご自身のビジネスをプレゼンする場面があります。人によってはセミナーに登壇して人前でプレゼンする機会もあることでしょう。

このシリーズでは、ロジカルで美しいプレゼン資料の作成技術を、全7回にわたって解説します。

前回までのコラムで、聴き手に優しい「ロジカル」な資料作りを解説しました。シリーズ第3回の今回は、ロジカルに構成した内容を、「美しい」資料で表現する技術を取り上げます。

ビジネスシーンにおける「美しい資料」とは

下の「資料1」と「資料2」をご覧ください。この2つの資料は、見た目は違いますが内容は全く同じです。ビジネスシーンにおいて「美しい」のは、どちらの資料でしょうか?

ビジネスシーンにおけるプレゼン資料で最も重視すべきことは、「聴き手にとって分かりやすい」ことです。これを踏まえると、ビジネスシーンにおける「美しい資料」の定義は以下3つです。

  1. 不要な情報が全て排除された資料
  2. 理解しやすい配置がなされた資料
  3. 適切な箇所が強調された資料

「資料1」と「資料2」のうち、美しい(上の3つの定義を満たしている)のは、右側の「資料2」です。
「資料1」は具体的にどこが美しくないのでしょうか。「資料1」を上の3つの定義に照らしてチェックしてみましょう。

チェックポイント①:不要な情報が全て排除されているか

当たり前のことですが、分かりやすい資料にしたいなら「不要な情報」は排除したほうが良いです。

「不要な情報」とは、どういうものでしょうか。すぐ思いつくものに「本題に関係のない説明文」や「重複した言葉」などがありますが、それだけではありません。「過度な装飾」も、不要な情報です。例えば意味のない色分け、必要以上に華美な図形、フォントの不要な装飾、余分なイラストなどです。

先ほどの「資料1」には、イラストや背景のグラデーションなどの装飾があります。華やかですが、このような装飾が聴き手の注意を分散させ、聴き手の理解を邪魔することがあります。また、「資料1」には多様なフォントや図形、カラフルな色が使われています。こうした装飾は、内容の理解を助ける役割を担っている場合は良いのですが、そのような役割を担っていない場合、これらの装飾は「不要な情報」です。難しいことを説明する場合などは特に、できるだけ排除することをお勧めします。

下図は、「資料1」から「過度な装飾」を排除するビフォー・アフターを例示したものです。

 

チェックポイント②:理解しやすい配置になっているか

資料を見るとき、人は無意識に「上から下」「左から右」に視線を移していきます。従って、資料に載せる情報は、読ませたい順番を意識して「上から下」「左から右」に配置します。

下図は、ページ内の情報が円形に配置されていたのを、「上から下」「左から右」に配置しなおすビフォー・アフターを例示したものです。円形の配置だとどこから読めばよいのか分かりませんが、このように配置しなおすと、読む人は安心して読み進めることができます。

 

チェックポイント③:適切なところが強調されているか

最後に、強調したいところがあれば、色などを使って強調します。

下図は、強調の工夫を施すビフォー・アフターを例示したものです。強調したいところにピンク色をつけ、「良好である」ことを示すマル印で装飾しています。このような、理解を助ける役割を担う装飾は、チェックポイント①で言う「不要な情報」ではありません。

 

以上3つのチェックポイントを経て、「資料1」が美しい(分かりやすい)資料に改善されました。

以上、今回は「美しい」資料で表現する技術を解説しました。次回のシリーズ第4回からは、これまで解説してきた「ロジカル」で「美しい」プレゼン資料作成技術をより快適に使いこなすための、パワーポイントスキルを取り上げます。

<今回のポイント>

  • ビジネスシーンにおける美しい資料とは、聴き手にとって分かりやすい資料。
  • 美しい資料を作る際のチェックポイントは3つ。
  1. 不要な情報が全て排除されているか
  2. 理解しやすい配置がなされているか
  3. 適切な箇所が強調されているか
ABOUT執筆者紹介

経営コンサルタント 古市今日子

株式会社 理 代表取締役
経済産業大臣登録 中小企業診断士

外資コンサルティングファームなどで16年間経営支援の経験を積み、2016年独立。
事業再生に携わるほか、自治体の経営相談員や創業支援施設の経営指導員などを務める。
中小事業者・起業希望者の経営相談への対応件数は年間約200件

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