最近のインターンシップの傾向は?統計に見る三つのポイント
社会保険ワンポイントコラム
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最近のインターンシップの傾向
日本労働組合総連合会「入社前後のトラブルに関する調査2022」によりますと、卒業後に最初に就職した企業を離職した人の離職理由の1位は、「仕事が自分に合わない」とのことです。企業情報や労働条件は就職活動中に調査しているかと思いますが、仕事が合うかどうかは体験してみないと分かりません。
最近では学生にとって一般的になってきたインターンシップ(職業体験)はどのような傾向にあるのでしょうか。以下に、三つの統計結果をご紹介させていただきます。
①「マイナビ2023年卒インターンシップ・就職活動準備実態調査」によりますと、インターンシップ等への参加意欲は、55.9%が「絶対に参加したい」、38.1%が「できれば参加したい」と回答し、94.0%もの学生に参加意欲があり、一人当たり平均6.6社に参加していることが分かります。
②経済産業省産業人材政策室「学生・企業の接続において長期インターンシップが与える効果についての検討会調査報告」によりますと、期間が最も長いインターンシップ実施企業に入社する割合が高いということが分かります。また、参加したいインターンシップの内容については、「実際の業務シミュレーション・実習・研修・体験」や「職場や工場の見学」、「業務の同行・同席」などとなっております。
③パーソル総合研究所「企業インターンシップの効果検証調査」では、入社後3年後の離職率では、インターン非参加入社者34.1%に対して、インターン企業入社者16.5%と大きな効果も認められています。
インターンシップは、社会に出る前に職業体験ができる制度です。学生は就職説明会のような企業や業界の情報よりは、職業体験することを目的としております。企業の魅力を学生に知ってもらう機会として、インターンシップは極めて有効な取り組みです。ぜひ、インターンシップを通じて、入社後の業務説明や実際の業務の体験や職場等の見学など、将来の業務をイメージできる体験を可能にしていただければと思います。
インターンシップのポイント
- 学生のインターンシップへの参加意欲は高い
- 業務の体験や職場等の見学を体験したい
- 期間は中長期(2日以上)の方がインターンシップ実施企業に入社する割合が高い
参考資料
※1 日本労働組合総連合会「入社前後のトラブルに関する調査2022」
※2 マイナビ2023年卒インターンシップ・就職活動準備実態調査
※3 経済産業省産業人材政策室 令和2年3月「学生・企業の接続において長期インターンシップが与える効果についての検討会調査報告」
※4 参考資料 パーソル総合研究所「企業インターンシップの効果検証調査」
ABOUT執筆者紹介
特定社会保険労務士 出口裕美
2004年に社会保険労務士事務所を開業。出産を機に、育児と仕事の両立のためテレワーク(在宅勤務)を開始。2014年に社会保険労務士法人出口事務所に法人化。2017年にテレワーク(サテライトオフィス勤務)を開始。2020年に新型コロナウイルスの取り組みの様子をメディアにて紹介。
経営者と社員が継続的に安心して働ける環境を構築するため、インターンシップ、ダイバーシティ(雇用の多様化)、テレワーク、業務管理システム等を積極的に導入し、また企業への導入支援コンサルタントとしても活動中。
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