01 January

平成29年度の税制改正の概要

掲載日:2017年01月01日   
税務ニュース

12月8日に与党の税制改正大綱が公表されました。 29年度改正では、所得税の配偶者控除と配偶者特別控除の見直しが予定されており、平成30年分以後の所得税から、配偶者控除の控除額は居住者の合計所得金額に応じて下記のように見直され、合計所得金額が1,000万円を超えると配偶者控除は適用されなくなります。

また、配偶者特別控除については、制度の対象となる配偶者の合計所得金額を38万円超123万円以下とし、控除額が見直されます。 なお、現行制度と同様、配偶者特別控除は、合計所得金額が1,000万円を超えた場合は適用されません。

居住者の合計所得金額 控除額
控除対象配偶者 老人控除対象配偶者
900万円以下 38万円 48万円
900万円超 950万円以下 26万円 32万円
950万円超1,000万円以下 13万円 16万円

この見直しにより、納税者本人の給与収入が1,120万円(合計所得金額900万円)以下の場合、配偶者の給与収入が150万円(合計所得金額85万円)以下であれば、配偶者控除の控除額は38万円となります。

現行制度において、いわゆる103万円の壁と呼ばれている配偶者の給与収入が、改正により150万円に引上げられると言われているのはそのためです。
なお、社会保険については、給与収入が年間130万円を超えると被扶養者から外れ、社会保険料を負担する必要があります。
中小企業に関連しては、中小企業向け租税特別措置の適用を受けるための要件として、前3事業年度の平均課税所得が15億円以下であることが措置されます。
この改正は平成31年4月1日以後に開始する事業年度から適用となり、前3事業年度の平均課税所得が15億円を超える事業年度には、租税特別措置法に規定される中小企業の優遇税制は適用されません。

また、中小企業技術基盤強化税制、中小企業投資促進税制および特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度が拡充されます。
このほか、事業承継税制については雇用確保要件等が緩和され、取引相場のない株式の評価については、類似業種比準方式の類似業種の上場会社の株価に、課税時期の属する月以前2年間平均が加えられる等、実態を踏まえた評価の見直しが行われます。

お客様満足度No.1・法令改正に対応した財務会計ソフト「会計王」はこちら

  • おんすけ紹介ページ

Tag

最新の記事

2024年11月22日【契約書の基本】トラブル防止のためのチェックポイント①業務委託契約書(フリーランス向け)
2024年11月20日【年末調整】定額減税で変わる源泉徴収票&控除済み及び控除されていない定額減税額の確認方法
2024年11月18日ペーパーカンパニーを利用して不正を行うB勘屋と反面調査
2024年11月15日経営相談の現場から[シリーズ第5回]これから創業する私にも融資してもらえますか?
2024年11月15日在宅勤務中の傷病に労災は適用されるのか?
人気記事ランキング
2024年11月13日 【2024年(令和6年)年末調整】定額減税は申告書のどこを見るべき?注意点も解説
2024年09月30日 【定額減税】定額減税で年末調整はどう変わる?定額減税に伴う年末調整の注意点を税理士が解説
2024年03月01日 結局、一番得する社長の役員報酬額はいくらなのか!?
2022年04月26日 JA「建物更生共済」の保険料は年末調整で控除できる?所得税の扱いを確認しよう
2023年12月02日 「国民年金の控除証明書が届いていたんですけど、どうしたらいいですか?」と問われたら、何と答えればよい
2022年08月24日 【インボイス制度】登録されているか確認する方法&公表サイトではどんな情報が公開される?
2023年11月16日 【2023年年末調整】今回から扶養控除が厳格化…なぜ?国外扶養親族の新たな条件と必要書類を確認
2022年11月10日 【2022年年末調整】年末調整と確定申告、両方やるのはどんな人?
2021年11月22日 共働き夫婦の子供はどちらの扶養? 令和3年8月からの健康保険の新基準を解説します。
2024年04月05日 フリーランス・クリエイターが立替払いした交通費等は源泉徴収が必要?

カテゴリ

お問い合わせ

お問い合わせ

当サイトへのお問い合わせはこちらよりお願いします。